1月21日(火)佐陀神能保存会及び大土地神楽保存会神楽方のみなさん
1月21日(火)、佐陀神能保存会(会長:石橋淳一さん)と大土地神楽保存会神楽方(会長:桐山和弘さん)のみなさんが知事を訪問され、懇談しました。
(写真:みなさんと)
佐陀神能は松江市鹿島町の佐太神社に伝わる神事芸能、大土地神楽は出雲市大社町の大土地荒神社に伝承される神楽で、どちらも国の重要無形民俗文化財に指定されています。
1月25日に東京の国立劇場で「出雲の神楽」と題する民俗芸能公演があり、このふたつの神楽が上演されることが、知事に報告されました。国立劇場での上演は、佐陀神能は昭和56年以来、大土地神楽は初めてのことです。ちょうど東京国立博物館では「日本書紀成立1300年特別展「出雲と大和」」を開催中で、出雲地方の文化の粋を東京で味わうことができる貴重な機会となりました。
懇談では、それぞれの神楽の特徴が話題に。例えば佐陀神能は能の方式を取り入れていることから、オロチは蛇体ではなく人が面と抽象的な鱗柄の衣装を身にまといます。大土地神楽では、尊舞・鬼舞のような立舞では能衣装のように腰に枕を背負い背中を膨らませる特別な衣装です。またオロチは、トカゲのように地を這い、敵を襲う時に立ち上がる所作が特徴です。
知事が「みなさんの神楽は由緒がはっきりしていて個性もあるから、国立劇場に取り上げられるんですね」と感嘆すると、石橋さんから「島根では石見神楽が盛んですが、出雲にも文化的価値の高い神楽があり、私たちも精進しています」、桐山さんから「石見神楽のエンターテインメント性に比べて地味なのではと心配もしましたが、国立劇場担当者から『本当に良いものを分かる観客が集まるから大丈夫です』といわれました」と、それぞれ自負に満ちた表情でお話がありました。
(写真:懇談の様子)
どちらの神楽も子供や若者への継承に努めていますが、そのように育てられた若者も進学や就職で県外に出てしまう、そんな悩みも共通しているとのこと。「若者も気持ちは伝承したいけれど、働く場所がなければ地元に残ることができません。練習や舞台の活動に会社の理解が必要で、そのための制度があればと願っています」との言葉に、知事は深く頷いていました。
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