平成19年6月8日(金)どこでもふれあい懇談会(隠岐の島町編)
前日海士で用務を終えた知事は、この日、高速船で隠岐島前から島後に移動しました。
隠岐の島町で、医療、福祉、林業関係者の方々と懇談しました。
隠岐病院
この日、知事が最初に訪れたのは、隠岐病院。武田病院長の案内で、いくつかの診療科や病棟など、院内を視察しました。
まず知事は、助産師外来を訪れました。隠岐病院では、今年4月、常勤の産婦人科医が1人体制になったことから、助産科を開設し、助産師がリスクの低い分娩を担っています。産婦人科の加藤医師や助産師から、妊婦検診や分娩、分娩後のケアなど、助産科での対応についてお話を伺いました。
写真:高村理学療法士の案内で機能訓練室を視察
視察を終え、病院のスタッフ5名と、業務内容や日頃の苦労、課題などについて懇談しました。
岳野佳奈さんは、今年採用された看護師。「大変だけど、何から何まで勉強で吸収することばかり。自分の地元が、医療や福祉など頑張っていることが、働いてみて分かりました。」とやりがいを持って働いている様子を話されました。
福本直美さんは、妊婦検診や相談業務を行う助産師。「産科医師の問題で、私たちに何ができるかを考え、助産科設置に至りました。忙しい毎日ですが、これまでに7名のお産があり、助産科でお産してよかったと言ってもらい嬉しかったです。」と話しました。
知事からの「課題や要望は何かありますか?」との質問に、横地保健師は、「在宅で生活しようと思っても、開業医の数も減り、支援体制が不十分。患者さんが安心して在宅で過ごすことができるよう、医師の体制充実をお願いしたい。」福本助産師は、「分娩が中止しないよう、産科医師の派遣継続と、助産師の育成についてお願いしたい。」と、現場での苦労や切実な思いを述べられました。
知事は、「新院長のもと、地域の方々にいいサービスを提供するため、スタッフの皆さんが努力しておられる様子がよくわかりました。離島、中山間地での医療に関しては、ひどい状況だというイメージを持っていましたが、働いておられる方々の様子を見て、少しほっとしました。医師確保対策も含め、拠点病院との連携や移送体制など、効率的な医療提供体制をとれるよう今後取り組んでいきます。」と話しました。
写真:隠岐病院のスタッフの皆さんと
林業関係者との懇談
次に、知事は、西郷港小田岸壁で行われた隠岐島産スギ材の島外移出出荷式に出席しました。
島外への隠岐産スギ間伐材の移出は、今後、ビジネスとして可能性が期待されており、今後の継続、安定的な出荷を祈念して出発式が行われました。
知事は、式典の後、近くの集会所で林業関係者の方々と懇談しました。
隠岐島後地区では、現在、スギ蓄積量の7割が利用可能な林齢に達し、その成熟度と蓄積は、県下のトップレベルです。島後の森林は木材資源を活用しながら森林整備をする転換期を迎えています。
懇談に参加された方々からは、「県内でも隠岐は林道の普及率が高いので、間伐材を出すのは比較的楽だが、水深が浅いので護岸の整備が必要」、「時代の移り変わりの中で、民間の会社として林業をやっていくには、人材育成などのシステムが必要」、「隠岐から産業発信していくには、林道の維持管理や港湾整備など、ハード面の整備が不可欠」との意見が出されました。
佐々木家住宅
昼には、国の指定重要文化財「佐々木家」を訪れました。隠岐最古の木造住宅で、スギ皮の上に石が置かれた屋根、大黒柱や、二重の天井など、隠岐古来の伝統を残しています。
地元で採れた野菜や海産物を用いた昼食をいただきました。
写真:地域の方々と
社会福祉法人隠岐共生学園
午後、知事は社会福祉法人隠岐共生学園を訪問しました。
学園の名越理事長、山本総務課長の案内で、特別養護老人ホーム「静和園」、老人保健施設「ともいきの郷」、グループホーム「いこいの家」を視察し、入所されている方々と言葉を交わしました。
お問い合わせ先
広聴広報課県民対話室
島根県政策企画局広聴広報課県民対話室 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5770、6501 【FAX】0852-22-6025