2月1日(金)意見交換をしたのち、保育園の園長さん方と懇談しました
出雲市認定農業者の方々との意見交換
2月1日(金)出雲市内で出雲市認定農業者の方々と懇談しました。
県内には約1200名の認定農業者(※)の方がおられ、出雲市にはその約1/4にあたる320名の方が活躍されています。
この日は、出雲市認定農業者協議会から、ブドウ・野菜の栽培、和牛生産などに取り組んでおられる出雲市認定農業者の方々11名にご出席いただき、昨今の原油高が農業に与える影響、農産物の販売促進、遊休農地の活用など農業政策全般について意見交換を行わさせていただきました。
最初に、原油の高騰に伴い、農業用の資材、飼料などが高騰し、農業経営に深刻な影響を与えている現状が出席者の方々から報告されました。
野菜、水稲の生産農家である佐野祐司さんは、「原油の高騰は生産コストの上昇に直結しますが、一方で農産物の価格は、市場の需要と供給のバランス、流通形態などが複雑に関係しており、直ちに価格を上げることができません。農業経営は逼迫しています」
と窮状を知事に訴えられました。
これに対して知事は、「原油高対策については、現在、横断的な相談窓口を県に設置し、併せて、県民や企業に対する経済的な支援策を実施しています。農林水産業については、近代化資金などの融資について返済期間の延長等を行っています」と県の対応状況を説明しました。
続いて「最近は、大社の平野部でも、担い手不足、採算性などの問題からぶどう園を放棄する農家が見受けられます」「新規就農希望者はいます。しかし、就農後、実際に収入が得られるまで、期間を要することから、新規就農を思いとどまる人も多いです。」「農産物の価格は、長期的に低迷しており、そのことが離農に拍車をかけています」「商品価値の高い農作物に転作したいが、転作作物により収入を得るためには数年を要し、その間無収入となります。収益が上がると分かっていても簡単に転作できない現状があります」など農業が構造的に抱える諸課題についての指摘がありました。
また、国や県の補助制度のあり方については、「まじめに農業に取り組んでいるものが、補助要件(経営規模など)が厳しく補助申請できない場合もあります。農業者のニーズに合致するよう柔軟な対応が必要です」「新規就農者には、少なくとも2〜3年間程度の経済的支援が必要です。また、融資も5年以上農業を続けた場合は免除にするなどの思い切った対策がとれませんか」などの意見がでる一方、「補助金を受けて短期間で農業をやめた場合は、補助金を全額返還させるなどの厳しい措置が必要です」という意見など、補助制度の拡充、充実を求める意見が多数だされました。
これらの意見を受け、知事は、「農業は島根県の重要産業であると考えています。様々な課題があることははよくわかりました。今後、農業者の方々が農業に夢が持てるよう、県としてどのような支援ができるのか、JAや農業者の方々のご意見を聞きながら検討してまいります」と決意を述べました。
※認定農業者制度
認定農業者制度は、農業経営基盤強化促進法に基づき、各市町村が策定した「農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想」(地域の実情に即した農業経営の目標等を内容としています)の目標に基づき農業者が作成した農業経営改善計画を認定する制度です。この計画の認定を受けた農業者を「認定農業者」と呼びます。
認定農業者に対しては、専用の長期低利融資制度、農地流動化対策、担い手支援のための基盤整備事業等の各種施策を重点的に行うこととされています。
写真:出雲市認定農業者の方々と
出雲市内の保育園の園長さん方との懇談会
続いて出雲市白枝町の「あすなろ第2保育園」を視察し、出雲市内の保育園の園長6名の方々と懇談しました。
最初に、「あすなろ第2保育園」の竹内千恵子園長に園内をご案内いただきました。「あすなろ第2保育園」は、昨年2月に開園し、0歳〜5歳まで約80名の子ども達が通園しています。
保育園を知事が訪問するのは、今回が初めてです。園内は、曲線を巧みに使い開放感のある明るい構造となっており、子ども達が伸び伸びと、元気に走り回っていました。
視察中の知事に、好奇心旺盛な子ども達は興味津々、「だれ?だれ?」と知事の回りに集まってきました。竹内園長さんから「知事さんよ」と言われた子ども達は、やっぱり???。
しかし、知事は意外?と人気もの。「遊ぼう遊ぼう」と、子ども達はコマや羽子板などを手にして大はしゃぎです。知事と風船を使って羽子板をする子、コマ回しを知事に見せる子など園内は上を下への大騒ぎでした。公務で忙しい中、知事も久々にホッとする楽しいひとときを過ごさせていただきました。
視察終了後は、園内の遊戯室で懇談会を行いました。
この日ご参加いただいた方は、出雲市内で特色をもった保育園の運営に取り組んでおられる園長さん方です。
保育の現状と課題については、
「昔は地域で子育てを支えるという雰囲気があり、たいていの家庭におじいさん、おばあさんがおられて家庭での子育てが比較的容易でした。しかし、今は核家族化しており、母子家庭も増え、家庭での子育てが難しくなっています」
「最近は子育てに不安を持っている保護者が増えているように思います。子ども達もメディア(テレビ、ゲームなど)の発達とともに人間関係が希薄になり、他人にあわせたり、生活リズムができていない子が増えています」
「保護者の就労の態様により、夜間や休日にも預かってもらいたいという要望があり、様々な保育ニーズに対応していく必要があります」
など、生活環境の変化や親の就労形態などにより、子育ての状況や保育園に求められるものが、以前と随分変わってきているとのお話がありました。
また、このような現状を踏まえ、
「10数年ぐらい前から3,4,5歳児を2クラスのたてわりにしています。これは子どもどおし、特に年齢の違う子が触れあう機会が少なく、下の子をいたわるやさしいお兄ちゃん、お姉ちゃんになれない子どもが増えており、たてわりの集団の中で、相手を思いやる気持ち、たくましさを育んでいきたいとの思いがあるからです。」
「平成17年から夜間保育を実施しています。本当は、園児を早く保護者の元に返してあげたいのですが、保護者の勤務形態も様々で、夜間安心して預けられる場所を提供し、併せて、保護者の社会的な自立を支援することも保育所の役割だと考えています」
など様々な保育ニーズに使命感を持って、懸命に取り組んでおられる様子をお伺いしました。
また、障害をお持ちのお子さんを預かっておられる園長さんは、「統合保育は障害のない幼児と障害のある幼児が一緒に生活し、ともに育ち合うことを目ざした保育の形です。統合保育は人に対する優しさを育むうえで必要です。障害のある子もない子も人として成長します」
と統合保育の重要性を主張されました。
保育士については、「恒常的に人材が不足しており、人材バンクのようなものが必要ですね。また、保育士も若い保育士ばかりではだめです。おばあちゃんのような感覚で保育ができる人など幅広い年齢層の保育士が必要です」
とのご意見をいただきました。
知事は、これらのご意見に熱心に耳を傾け、「現在の保育園には、通常の保育だけではなく、延長保育、休日保育など多様化する保育ニーズへの対応をはじめ、子育て全般に渡り専門的な助言や指導を行う拠点としての役割など、様々な役割が期待されています。皆さんがこれらの期待に熱意を持って取り組んでおられる様子がよく分かりました。少子化対策を進める上では、子育て世代が子育てに喜びを感じ、安心して子育てができる環境づくりが大切です。皆さんと一緒に"子育するには島根が一番"と言われるよう取り組んでいきたいと思います」
と参加者の方々の努力を高く評価し、ともに取り組んでいく考えを述べました。
写真:左から竹内さん(あすなろ保育園)、加藤さん(古志ひまわり保育園)、竹内さん(あすなろ第2保育園)、知事、園山さん(みなみ保育所)
小原さん(ハマナス保育園)、澄田さん(おおつか保育園)
写真:あすなろ第2保育園の保育士の方々と子ども達
お問い合わせ先
広聴広報課県民対話室
島根県政策企画局広聴広報課県民対話室 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5770、6501 【FAX】0852-22-6025