令和5年9月定例県議会知事提案理由説明要旨
定例議会開会にあたり、諸議案の説明に先立ちまして、最近の県行政の主な動きについてご説明し、併せて、私の所信の一端を申し述べたいと思います。
(1.大雨及び台風による災害)
はじめに、大雨及び台風による災害についてであります。
(1)6月末から7月中旬にかけての大雨により、全国で亡くなられた方が10名を超え、本県を含む広い範囲で甚大な被害が発生しました。
また、先月中旬の台風第7号により、鳥取県等で大きな被害が発生しております。
県内でも、7月上旬の大雨による災害で1名の方がお亡くなりになり、住宅等の浸水被害が発生したほか、法面や護岸の崩壊、農林水産業等への被害が生じております。
お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に、心からお見舞いを申し上げます
(2)災害からの早期復旧を図るため、被災住宅の補修等への支援や保育所の復旧のための施設整備費への支援、県の支援制度や相談窓口を周知するための広報等について、知事専決処分により補正予算を編成し対応しております。
(3)さらに必要な対策として、被災した河川、道路、農地、林地等の復旧工事につきましては、当初予算で計上している予算を活用した上で、追加の補正予算案を今議会に提出しております。
(2.エネルギー価格・物価高騰及び新型コロナ対策)
次に、エネルギー価格・物価高騰及び新型コロナ対策についてであります。
(1)中小企業、小規模企業の資金繰りにつきましては、コロナ資金、いわゆるゼロゼロ融資の借入について実績が約9,500件あり、多くの事業者が償還開始時期を迎えております。
このうち、経営状況の厳しい事業者に対しましては、令和3年7月から返済計画の見直しにより生じる追加の保証料を負担し、事業継続を支援する制度を設けており、累計で2,100件を超える利用がありました。
また、国の保証制度を活用した新資金により、借換や新たな資金需要への支援を実施しております。
(2)LPガス料金につきましては、これまでに島根県LPガス協会と販売会社の協力を得て、一般家庭をはじめとした全ての利用者に対し、使用料金からの値引や使用量に応じた支援を今月から順次実施しております。
(3)電力料金につきましては、特別高圧契約の中小企業に対し、来月から支援を実施してまいります。加えて、株式の2分の1以上を大企業が保有するなどの「みなし大企業」で、経営状況が厳しい県内企業も支援対象とするために必要な補正予算案を今議会に提出しております。
(4)農林漁業者への支援につきましては、肥料、飼料価格の高騰分への補てんを行うとともに、ビニールハウス内の重油の使用を抑えた加温装置や高性能林業機械、LED集魚灯など、省エネ、省コストの施設、設備導入への支援を進めております。
(5)中小企業、小規模企業への支援につきましては、引き続き原油価格、物価高騰の影響を受けた企業がエネルギーコスト削減のために取り組む設備投資等の支援を行うとともに、特に電力需要の多い機械、金属製造業のうち、地域内のサプライチェーンに欠かせない工程を担っている中小企業のエネルギーコスト削減の取組等を支援する補正予算案も提出しております。
(6)県民生活の支援につきましては、感染症や物価高騰の長期化により、生活に困難や不安を抱える方へ寄り添った丁寧な支援が行われるよう、県としましても、引き続き、各市町村が行う生活困窮者自立相談支援機関の支援員の増員やスキルアップに向けた支援を行ってまいります。
(7)来週11日には国に対して緊急要望を行い、エネルギー価格・物価高騰や最低賃金の上昇に伴う影響を受ける県民の皆様や事業者の皆様の厳しい状況と支援の必要性を強く訴えてまいります。
(3.新型コロナウイルス感染症対策)
次に、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。
(1)県内の感染状況は、6月以降は拡大傾向が続いており、入院患者数も増加しております。
また、高齢者施設等でのクラスター発生が続いていることから、今後も感染状況に注意が必要であります。
そのような中、診療制限が生じた病院も一部にはありましたが、医療機関の皆様のご尽力や高齢者施設等における感染対策への取組により、県内の医療に大きなひっ迫が生じている状況にはないと考えております。
(2)今後、冬季における感染拡大が懸念されますが、医療ひっ迫が生じることがないよう、市町村、医師会等関係団体と連携し、医療提供体制の確保に取り組むとともに、自律的な通常の医療への移行に取り組んでまいります。
(3)発熱時や療養中の体調急変時の相談に対応する健康相談コールセンターにつきましては、体制を縮小した上で、10月以降も継続して設置することとし、必要な補正予算案を今議会に提出しております。
(4)特に配慮が必要な高齢者施設等における感染対策についても、引き続き支援を行ってまいります。
(5)県民の皆様に適切な感染対策をしていただけるよう、引き続き感染状況に加えて、診療制限や救急搬送困難事案等についての情報提供を行い、必要な注意喚起に取り組んでまいります。
(6)ワクチン接種につきましては、9月 20 日以降、生後6か月以上の全ての方を対象に、オミクロン株XBBに対応したワクチンの接種が始まります。
引き続き、ワクチンの有効性、安全性等を周知し、市町村と協力してワクチンの円滑な接種を進めてまいります。
(4.「島根創生計画」の取組)
次に、「島根創生計画」の取組についてであります。
島根県の最大の課題である人口減少に歯止めをかけるため、総力をあげて「島根創生計画」の各分野の取組を進め、成果を着実に積み重ねてまいります。
(5.魅力ある農林水産業づくり)
まず、魅力ある農林水産業づくりについてであります。
(1) 農業につきましては、県産農産物の販売促進のため、6月に福岡でデラウェアの、7月には東京で島根県オリジナルぶどうの「神紅」及び「美味しまね認証」農産物のトップセールスを行ったところであります。
今後も、島根県産の農産物のPRや生産拡大に取り組んでまいります。
(2)畜産につきましては、市場関係者の方に昨年の全国和牛能力共進会で肉質が全国1位となったしまね和牛への理解を深めていただくため、今月、「東京しまね和牛枝肉共励会」を実施することとしております。
また、鳥取県と連携し、「和牛のふるさと山陰フェア」を開催し、しまね和牛をPRしてまいります。
こうした取組により、しまね和牛の認知度及び枝肉価格の向上を図ってまいります。
(3) 林業につきましては、原木生産を担う林業就業者を安定的に確保するため、林業事業体の労働条件や就労環境の改善等を進めており、令和4年度の林業就業者数は平成30年度から35人増加し988人となっております。
さらに、高校生を対象とした林業学習において、県内で活躍する女性の林業就業者の取組を今年度から紹介するなど、男女問わず、いきいきと働くことができる林業の魅力を発信し、就業者確保の取組を進めております。
(4) 水産業につきましては、沿岸自営漁業の新規就業者が増加 し、また、意欲ある漁業者の収益性の高い操業モデル実践による所得向上の効果が現れております。
また、沖合漁業につきましては、県の支援制度も活用し、県内で35年ぶりに沖合底びき網漁船2隻が新造され、鮮度管理向上による収益の拡大を目指して8月より操業が開始されました。
今後も引き続き関係機関と連携して、水産業の持続的発展を図ってまいります。
(6.力強い地域産業づくり)
次に、力強い地域産業づくりについてであります。
(1) ものづくり産業につきましては、7月 31 日に、岸田総理が島根大学の「次世代たたら協創センター」の研究開発や「材料エネルギー学部」の教育の現場を視察されました。
総理は、たたら製鉄の伝統を受け継ぐ先端金属素材の研究や、大学での学びを社会に活かそうとする学生の熱意に触れられ、島根大学の取組を高く評価されました。
県としましては、引き続き、魅力ある雇用の創出と高度専門人材の育成に向け、島根大学との連携を進めてまいります。
(2)観光の振興につきましては、今年度の冬季閑散期は、物価高騰等の影響により、例年以上に需要が落ち込むことが懸念されるため、インターネットで商品販売を行う旅行会社と連携したキャンペーンを実施し、誘客対策に取り組んでまいります。
(3)外国人観光客の誘致につきましては、7月にベトナムの観光関係者を招いた視察ツアーを実施し、先月には私も、中国地方の官民による広域観光推進の取組として各県の知事とともに台湾を訪問し、観光客誘致に向けた働きかけを行ったところです。
また、近隣空港等の国際定期便の再開状況を踏まえ、県内への誘客を図るため、団体ツアーの貸切バスへの助成を拡充してまいります。
今後も、台湾などターゲットとする国、地域へのプロモーションや受入環境の整備を進め、外国人観光客の誘致に取り組んでまいります。
(4) 県産品の販路拡大につきましては、日比谷しまね館の売場を拡張し、商品構成を見直すなど売上向上に取り組むために必要な補正予算案を今議会に提出しております。
また、海外に向けては、今月、タイで開催されるヘルスケアをテーマとした展示会に島根ブースを出展するほか、11月には現地でビジネスマッチングを実施するなど、販売促進に取り組んでまいります。
(5)IT産業につきましては、IT人材の育成、確保や、しまねソフト研究開発センターによる技術支援等に取り組み、今年4月における県内のIT企業の従業者数は、前年度に比べて、67人増の1,784人、年間売上高も同様に、11億円増の334億円と、堅調に伸びております。
引き続き、若者の就職の魅力的な受皿となるよう支援してまいります。
(6) 中小企業、小規模企業の支援につきましては、企業のデジタル化に向けた気運醸成を図るため、成功事例や導入のポイントを紹介する「しまね業界別DX推進セミナー」を先月開催し、 65 社が参加しました。
今後も、様々な産業においてデジタル技術を活用した業務改善や生産性向上が進むよう取り組んでまいります。
(7) 企業立地の推進につきましては、今年度5件の立地認定を行い、 63 人の新規雇用が見込まれております。
このうち3件は、県外から新たに進出されたものです。
来月、東京で開催する企業立地セミナーには、私も出席し、県外からの企業立地が進むよう、積極的に働きかけてまいります。
(7.結婚・出産・子育てへの支援)
次に、結婚・出産・子育てへの支援についてであります。
(1)結婚支援につきましては、縁結びボランティア「はぴこ」の活動による成婚人数が、今年度に入り、累計で1,000人を超えたところです。
今後も、「はぴこ」や「しまコ」によるマッチングのほか、広域的な出会いの場の創出や、セミナー等を通じ、結婚への気運醸成に取り組んでまいります。
(2) 放課後児童クラブにつきましては、支援員の確保に向け、オンライン研修の導入等により認定研修の受講機会を増やしたほか、新たに初任者向けの研修を開始しました。
また、多様な人材確保のため、島根県立大学や島根大学と連携した学生ボランティア等の受入れや、シルバー人材センター登録者への研修を行いクラブへ派遣する取組も始めております。
こうした取組等により、放課後児童クラブの一層の充実を図ってまいります。
(8.中山間地域・離島の暮らしの確保)
次に、中山間地域・離島の暮らしの確保についてであります。
離島振興につきましては、有人国境離島法に基づく国の交付金を活用し、航路や航空路の運賃低廉化、農水産品の輸送コストの軽減、滞在型観光の促進等の支援に取り組んでおります。
こうした中、先月には、更なる支援の拡充に向けて、関係する8つの都道県による協議会として、要望活動を行いました。引き続き、有人国境離島地域の維持に必要な予算の確保と対象事業の拡充等が図られるよう、様々な機会を通じて、国等へ強く働きかけてまいります。
(9.圏域の発展に向けた空港の利活用)
次に、圏域の発展に向けた空港の利活用についてであります。
萩・石見空港では、開港30周年記念式典を7月に開催しました。当日は、多くの皆様にご来場いただき、地域の皆様が空港に寄せる期待や、石見地域の発展の可能性を実感したところです。これを契機に、一層の利用促進を図り、路線の維持、発展を図ってまいります。
(10.地域振興を支えるインフラの整備)
次に、地域振興を支えるインフラの整備についてであります。
中海、宍道湖圏域を8の字に結ぶ高規格道路ルートの一部である「境港出雲道路」につきましては、未着手区間について国の直轄事業として早期事業化を図るよう、国に対し令和4年から重点要望しているところであり、7月には初めて、松江市、出雲市、経済団体等関係機関とともに要望活動を行いました。
県としましては、関係機関と連携し、その一部を構成する県事業の松江北道路の整備推進とともに、引き続き未着手区間を国の直轄事業として早期事業化するよう国に働きかけてまいります。
(11.新しい人の流れづくり)
次に、新しい人の流れづくりについてであります。
(1)若者の県内就職の促進につきましては、先月、県内企業 147社の採用担当者と県内外の高等教育機関等37校の教職員による学生の就職等に関する情報交換会をくにびきメッセにおいて開催しました。
さらに、企業の採用力を高めるための手法や支援策を紹介するセミナーも開催し、県内から66社が参加しました。 今後も引き続き、採用力の強化など魅力ある企業づくりや若者とのつながりづくりを進め、若者の県内就職を促進してまいります。
(2)Uターン、Iターンにつきましては、7月に「しまね移住フェア」を大阪で開催しました。4年ぶりに全ての市町村や支援機関が参加し、昨年を上回る140人の方にご来場いただきました。
また、来月東京で開催するマルシェ・交流イベントでは、島根へ移住した方々が生産する産品の販売等を通じ、島根の暮らしに触れていただくこととしています。
11月に予定している東京での「しまね移住フェア」への誘客と併せて、様々な手法で島根への移住、定住を促進してまいります。
(3)関係人口の拡大につきましては、しまね関係人口マッチング・交流サイト「しまっち!」による地域活動への参加を進めております。開設から約2年となる先月1日時点で、累計マッチング件数は90件となり、286人の方に参加いただいております。
参加者の3分の1は県外からであり、島根に関心のある方の地域づくりへの参画が進んでおります。
引き続き、このような島根での暮らしや地域づくりに関心を持つ方々への働きかけを強化し、地域の活性化や将来の移住につなげてまいります。
(12.女性活躍の推進)
次に、女性活躍の推進についてであります。
「女性活躍100人会議」の取組として、家庭と仕事の両立に積極的に取り組んでおられる企業を7月に訪問し、社員の皆様と意見交換を行いました。女性活躍の推進には、企業の取組と、男性の家事、育児への参加促進が欠かせないと改めて実感いたしました。
令和4年の就業構造基本調査では、島根県の子育てをしながら働いておられる女性の割合は86.8%で、5年前に比べ5.6ポイント上昇し、全国で3位となっております。
引き続き、子育てや介護と両立しながら安心して働き続けることができる職場環境実現に向けて、企業の経営者や管理職の意識改革と、家庭における女性の負担の軽減に取り組んでまいります。
(13.保健・医療・福祉の充実)
次に、保健・医療・福祉の充実についてであります。
(1)「しまね健康寿命延伸プロジェクト」につきましては、9月を「健康づくりチャレンジ月間」と定めており、個人や職場単位で、今より一つ多くの健康づくりに取り組む「プラスワン活動」を呼び掛けるとともに、謎を解きながらウォーキングを楽しめるイベントを県内3か所で実施します。
今後も県民の皆様が、楽しみながら健康づくりに取り組むことのできる環境の整備を進めてまいります。
(2) 医療と介護の提供体制につきましては、将来にわたって必要な体制を確保していくために、地域の人口動態等を踏まえて、限られたサービス資源をどのように活用し、提供していくのか、地域で考えていく必要があります。
先月には、「地域の医療と介護を考えるトップセミナー」を開催し、市町村長にも参加いただき、地域で議論する場の重要性について、理解を求めたところです。
引き続き、医療と介護の提供体制や必要となる人材確保対策等について具体的な検討を進めるとともに、地域での議論を来年度からの保健医療計画と介護保険事業支援計画に反映してまいります。
(3) 認知症に対する普及啓発につきましては、社会の理解を深めるため、今月21日の世界アルツハイマーデーを中心に、家族会とともに街頭キャンペーンなど様々な企画を行うこととしております。
引き続き、認知症の方が、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができる地域づくりを進めてまいります。
(4) 障がい者の就労支援につきましては、令和4年度から農福連携の地域コーディネーターを配置したことなどにより、延べ24の事業所が農福連携に取り組み、工賃向上につながっております。
今後も、事業所と農家のマッチングを支援することで、取組を他の事業所にも広げるとともに、事業所が生産した農産物や加工品をPRし販売するイベント「農福マルシェ」の開催を通じて魅力を発信してまいります。
(14.教育の充実)
次に、教育の充実についてであります。
(1) 江津地域における県立高校の在り方につきましては、教育委員会において、7月に学校関係者や地域の方々に対する説明会を開催してご意見をうかがうとともに、現在、有識者による議論を始めております。
江津地域の子どもたちにとって望ましい教育環境を将来にわたって維持できるよう、引き続き検討を進めてまいります。
(2) 出雲養護学校雲南分教室においては、敷地が狭く、体育館や運動場がないため、近隣の施設にスクールバスで移動して、体育の授業を行っております。
隣接地を活用した運動場整備を進め、生徒の学校生活の時間を十分に確保し、より充実した教育環境の実現に取り組んでまいります。
(15.人権の尊重と相互理解の促進)
次に、人権の尊重と相互理解の促進についてであります。
「パートナーシップ宣誓制度」につきましては、来月から宣誓の受付を開始いたします。
市町村と連携したことにより、公営住宅の入居や病院での面会等において、県内全域で家族と同様のサービスの提供を受けることができることとなりました。また、金融や不動産等の分野でも協力いただける企業が広がりつつあります。
本制度の導入を通じて、性的少数者の方の支障や不安の解消を図り、誰もが自分らしく暮らすことができる社会の実現を目指してまいります。
(16.自然、文化・歴史の保全と活用)
次に、自然、文化・歴史の保全と活用についてであります。
日本遺産につきましては、出雲市の「日が沈む聖地出雲~神が創り出した地の夕日を巡る~」及び浜田市の「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」が、国の審査を受け、いずれも認定継続となりました。
これら2つを含む、県内7つの日本遺産を活用した観光振興や地域の活性化が進むよう、引き続き支援してまいります。
(17.生活基盤の確保)
次に、生活基盤の確保についてであります。
(1)JRの地方路線につきましては、来月から、国が沿線自治体や鉄道事業者で構成する協議会を設置する制度が開始されることとなりました。
この協議会の設置や運営に当たっては、国が中立的な立場で責任を持って関与するとともに、地域の実情に配慮するよう、国に求めてまいります。
また、沿線自治体や関係団体と連携して、利用促進に積極的に取り組み、路線維持に向けた利用客の増加を目指してまいります。
(2) 道路の除雪対応につきましては、今年1月の大雪時に、特に松江市の市街地で除雪作業に時間を要したことを踏まえ、運用の見直しや体制の増強、情報収集機能の強化を図ることとし、そのうち早急に講じるべき対策に必要な補正予算案を今議会に提出しております。
(18.原発の安全・防災対策)
次に、原発の安全・防災対策についてであります。
(1)島根原発2号機につきましては、先月、原子力規制委員会により、設計及び工事計画が認可されたところですが、保安規定変更認可の審査が継続中であり、県としましても、引き続き審査状況を注視してまいります。
(2) また、現在廃止措置中の1号機につきましては、先月、中国電力から、廃止措置計画の変更に係る事前了解願が提出されました。
県としましては、県議会をはじめ、安全対策協議会、原子力安全顧問、関係自治体等のご意見をお聴きした上で、事前了解の判断を行う考えであります。
(3)原子力防災対策につきましては、来月以降、国や関係自治体等と連携して原子力防災訓練を行い、避難対策を検証するなど、引き続き、避難計画の実効性の向上に努めてまいります。
(19.交通安全対策)
次に、交通安全対策についてであります。
県内における交通事故の発生件数及び死傷者数につきましては、8月末現在、昨年と比べ、ともに増加し、死者数に占める高齢者の割合は7割を超えております。
これから日没が早まる時期を迎え、夕暮れや夜間における交通事故の増加が懸念されますので、今月21日から始まる「秋の全国交通安全運動」等を通じて、関係機関、団体と連携し、交通安全対策を一層推進してまいります。
(20.若者の活躍)
今年の夏も、スポーツや文化活動で島根県ゆかりの若者の活躍が見られました。
(1) ろう者卓球選手権の世界大会において、益田中学校の山田萌心選手が女子団体で優勝、ダブルスで準優勝されました。
また、ユースの世界大会においては、浜田ろう学校の佐々岡希花選手が女子シングルスで優勝、山田萌心選手が準優勝されました。
(2)テニスのウィンブルドン車いすの部において、三木拓也選手が、男子ダブルスで準優勝され、パラクライミングの世界選手権においては、岡田卓也選手が、銅メダルを獲得されました。
(3)また、世界陸上において、三浦龍司選手が、男子3000m障害で日本人初となる6位入賞を果たされました。
(4)高校生の活躍も素晴らしいものでした。
全国高等学校総合体育大会では、カヌースプリント男子カヤックフォア500mで、島根中央高校が優勝されました。
(5)さらに、日本ジュニア選手権では、島根中央高校が男子カヤックフォア200m、500mで優勝され、カヤック200mにおいて、シングルで植出士虎選手が、ペアでは植出士虎選手、松本貢輝ブライアン選手が、また、カヤック500mにおいて、シングルで吉村颯人選手が、ペアでは兒島生知選手、吉村颯人選手が優勝されました。
同校は男子総合優勝に輝いております。
また、男子カナディアンフォア200mでは、出雲農林高校が優勝されました。
(6)文化活動では、全国高等学校総合文化祭において、三刀屋高校が演劇部門で、出雲高校の石飛結衣さんが写真部門で、それぞれ文化庁長官賞を受賞され、NHK杯全国高校放送コンテストの創作テレビドラマ部門では、浜田高校が優秀賞を受賞されました。
(7)こうした若者の活躍は、私ども県民に大きな感動と喜びを与えてくれるものであり、今後も、大いに活躍されることを期待しております。
(21.補正予算案等)
それでは、今回提出いたしました一般会計補正予算案等の概要について、申し上げます。
一般会計の補正予算案は、2件あります。
1件は、補正予算案第4号であり、新型コロナウイルス感染症対策として緊急に対応すべきものについて措置し、総額1億円を増額しております。
この補正予算案第4号につきましては、緊急に対応できるよう、速やかなご審議を賜りますようお願いいたします。
もう1件は、補正予算案第5号であり、エネルギー価格・物価高騰対策のほか、早急に対応すべきものなどについて措置し、総額180億円を増額しております。
この結果、補正後の一般会計予算の規模は、5,055億円となります。
これら2件の補正予算案のほか、予算案16件、条例案3件、一般事件案10件の計31件を提出しております。
これらの議案の詳細につきましては、この後、総務部長から説明させることといたします。
何とぞよろしくご審議のほど、お願い申し上げます。
お問い合わせ先
政策企画監室
〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 島根県 政策企画監室 電話:0852-22-6063 FAX:0852-22-6034 Eメール:seisaku-kikaku@pref.shimane.lg.jp