令和4年5月定例県議会知事提案理由説明
定例議会開会にあたり、諸議案の説明に先立ちまして、最近の県行政の主な動きについてご説明し、併せて、私の所信の一端を申し述べたいと思います。
(1.新型コロナウイルス感染症対策の状況)
はじめに、新型コロナウイルス感染症対策の状況について申し上げます。
(1)県民の皆様には、感染症対策の徹底にご理解とご協力をいただいていることに、心から感謝を申し上げます。
また、治療に当たっておられる医療従事者の皆様にも、重ねて敬意と感謝を表する次第であります。
(2)全国の新規感染者数は、地域によっては一時第6波を超えたものの、全体では減少傾向にあり、県内でも、先月に過去最多を記録しましたが、現在は減少しております。
医療提供体制がひっ迫している現状にはありませんが、
第6波における感染対策の課題や、オミクロン株の特性を踏まえ、今後の感染拡大に備えてまいります。
(3)PCR検査体制等につきましては、これまで、保健所等での検査機器の追加整備に加え、医療機関の機器整備を支援し、県全体の検査能力の底上げを図ってまいりました。
今後も、検査体制の強化に努めてまいります。
(4)積極的疫学調査につきましては、感染者が発生した場合には、引き続き、行動履歴の把握、接触者の特定を幅広く実施し、検査を確実に行い、感染者が発生した事業所等への調査も、従来どおり全ての事業所等を対象に実施してまいります。
こうした対応を行うため、保健所においては、業務の重点化・効率化や外部委託を行うとともに、関係自治体や大学から保健師や看護師の派遣をいただきながら、庁内全体で体制を強化し、今後感染が拡大しても、重症化リスクの高い感染者に確実に対応できるよう努めてまいります。
(5)感染者の療養体制につきましては、自宅療養者の更なる増加に備え、重症化リスクの高い療養者等の健康観察を重点的に行う体制を構築するとともに、生活支援物資の提供体制を強化するなど、自宅で安心して療養できる体制を確保してまいります。
引き続き、一般医療とコロナ対応の両立を図り、全ての感染者が、健康観察や診察、治療等の適切な対応を受けられるよう、医療提供体制の確保に取り組んでまいります。
(6)ワクチン接種につきましては、市町村において、3回目の接種に加え、5歳以上11歳以下の小児に対する1・2回目の接種も行われております。
ワクチン接種の有効性や安全性を広く県民に周知し、希望する県民全ての早期接種のために、市町村や関係機関等と連携して取り組んでまいります。
(7)県内経済の回復に向けた施策につきましては、県独自で20%の特典を付けた額面54億円分の「しまねプレミアム飲食券」を、9月末まで販売しております。
新型コロナの長期化で厳しい状況にある飲食事業者や関連事業者、食材を提供する農林漁業者を支援するため、落ち込んだ消費を喚起してまいります。
(8)宿泊事業者への支援につきましては、広島県を除く中四国各県民を対象とした「再発見!あなたのしまねキャンペーン」を来月末まで実施し、需要喚起を図ってまいります。
全国を対象とした「新たなGoToトラベル事業」は、現段階では開始の見通しが示されておりませんが、実施される場合には、最大限活用して積極的な誘客策を展開してまいります。
(9)県民生活の支援につきましては、長引く感染症の影響により生活等に困難や不安を抱える女性や、ひとり親家庭に寄り添った相談支援を実施するとともに、生活福祉資金の特例貸付の受付期間が延長されたことに伴い、貸付原資を増額して、生活に困窮された方を支援してまいります。
(10)このほか、感染症の状況に応じて、今後必要となる新型コロナ対策に柔軟かつ機動的に対応する必要があることから、当初予算で設定した枠予算を復元するための予算を提案しております。
(11)また、今月19日と20日に実施した国への重点要望では、通常分の要望と分けて、新型コロナに関する要望を行い、本県の置かれている状況や支援の必要性を、田中議長とともに強く訴えてまいりました。
(12)県としましては、県民の皆様の命と生活や、県内事業者を守るため、引き続き、全国の感染状況等を注視し、国や他の都道府県、市町村、医療機関等と緊密に連携をとりながら、感染拡大防止と社会経済活動の両立に全力で取り組んでまいります。
(2.最近の経済情勢)
次に、日本経済の情勢について申し上げます。
日本経済の情勢を見ますと、コロナ禍で生じた物流の混乱に加え、ロシアのウクライナ侵攻等により、原油や原材料、肥料・飼料等の価格高騰が続いており、今後の先行きも不透明な状況にあります。
このため、全国知事会を通じた要望のほか、私自身も、先月22日に、価格高騰の影響を受ける県内農業者への対策の拡充等を、国に強く働きかけてまいりました。
こうした地方の動きもあり、国においては、先月26日に、コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」が示されたところです。
県としましては、県内経済の情勢や国の動向等を注視しながら、必要な対応を行い、県民生活や県内事業者を支えてまいります。
(3.「島根創生計画」の取組)
次に、「島根創生計画」の取組について申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期間に及び、一部の事業では県外との往来自粛等の影響を受けているものもありますが、人口減少など県の直面する課題は待ったなしの状況でありますので、引き続き、手法を工夫しながら、総力をあげて推進してまいります。
(4.魅力ある農林水産業づくり)
まず、魅力ある農林水産業づくりについて申し上げます。
(1)農業につきましては、担い手の育成拠点である農林大学校に1年制の短期養成コースを開設するなど、機能強化を図ったことで、今年度は定員を超える48名の入学者がありました。
こうした担い手の確保・育成に加え、高い生産技術や独自の販路を持ち、地域とともに産地づくりに取り組む企業を確保し、水田園芸や有機農業の産地づくりを推進するなど、収益力の向上に取り組んでまいります。
(2)林業につきましては、全国的に輸入木材が不足し、国産材の引合いが強まる中、昨年度の県内の原木市場における取扱量は、前年比13%増の14万8,000立法メートルとなるなど、着実に増加してきております。
今後は、円滑な木材流通体制の構築に向け、ICTを活用した新流通システムを導入し、伐採から加工、消費に至る流通構造を強化してまいります。
(3)水産業につきましては、沿岸自営漁業の担い手を確保するため、今年度は、昨年度の2倍を超える31名を対象に、就業を目指す研修生の支援に取り組んでまいります。
併せて、水産研究開発企業と連携し、イワガキ養殖の品種改良等の技術開発に取り組み、漁業の生産性を高め、沿岸自営漁業の所得向上を支援してまいります。
(5.力強い地域産業づくり)
次に、力強い地域産業づくりについて申し上げます。
(1)美肌観光の推進につきましては、県内事業者の美肌コンテンツづくりを支援した結果、県内各地で温泉や食材等を活用した旅行商品や体験プラン等が開発されたほか、この2年間で、11の施設が美肌をテーマとした改修を行い、魅力を高めてまいりました。
引き続き、感染状況を見極めながら、首都圏を中心としたプロモーションを積極的に展開し、「美肌県しまね」の認知度向上と誘客促進に取り組んでまいります。
(2)県内企業の海外展開支援につきましては、今月、ASEANやEU、米国向けの食品輸出のため、対面での商談会を、松江市と浜田市で開催いたしました。県産品に高い評価をいただき、来年、米国で島根食品フェアが開催される見込みとなりました。
海外渡航の制限が一部緩和されるなど、経済活動再開に向けた動きも出てきていることから、感染状況を注視しながら、企業の海外展開を一層支援してまいります。
(3)中小企業・小規模企業への支援につきましては、新型コロナの長期化に加え、半導体等の資材の品薄やエネルギー価格の高騰、原材料の調達コストの上昇等が県内事業者の経営を圧迫し、幅広い業種に影響が及んでいるため、商工団体の相談体制を強化し、経営改善に向けた支援を積極的に行ってまいります。
(4)企業立地の推進につきましては、昨年度、13件の立地認定を行いました。これにより、新規雇用計画数は県全体で209人となり、このうち中山間地域等では112人が見込まれ、若者の県内定着に寄与するものと期待しております。
こうした効果を更に拡大していくため、引き続き、県内外の企業に向け、県内の立地環境や優遇制度を積極的にPRしてまいります。
(6.結婚・出産・子育てへの支援)
次に、結婚・出産・子育てへの支援について申し上げます。
(1)妊娠・出産支援につきましては、不妊治療にかかる治療費が先月から保険適用となりましたが、保険適用されない治療のうち、先進医療として実施される治療の一部について、県独自の助成制度を開始いたしました。
また、先月、これまでの「不妊専門相談センター」をリニューアルして、「しまね妊娠・出産相談センター」を開設しました。専門職員の配置等により支援体制を強化し、出生前検査や女性特有の心身の健康相談等の専門的な相談にも対応するなど、不妊や不育に悩む方、子どもを望む方への一層の支援に取り組んでまいります。
(2)放課後児童クラブにつきましては、利用定員の拡大や利用時間延長の対策等を進めた結果、県全体の利用定員は、昨年度に比べ504人増加し、この3年間で、当初見積もっていた待機児童数を上回る1,256人の定員増加となりました。
また、利用時間を延長するクラブは、昨年度に比べ9クラブ増加し、18時30分まで開所するクラブが全体の8割以上となっております。
一方で、こうした受入環境の整備が、潜在的な需要を掘り起こす状況が続いており、今年度においても待機児童が発生しております。
このため、既存の保育所等の人員や施設等を活用した受入の促進や、更なる定員拡大など、引き続き、放課後児童クラブの一層の充実を図ってまいります。
(7.中山間地域・離島の暮らしの確保)
次に、中山間地域・離島の暮らしの確保について申し上げます。
(1)中山間地域・離島における「小さな拠点づくり」につきましては、中山間地域の251の公民館エリアのうち、137のエリアで、買い物支援や生活交通など生活機能を確保するための住民主体の実践的な活動が進められております。
今年度は、中山間地域における生活機能の維持や確保に向けた新たな対策を検討するため、住民の方々の生活実態について、アンケート調査を実施することとしております。
この結果を県議会や市町村にお示しし、ご意見等を伺いながら、今後の施策の方向性を検討してまいります。
(2)地域の担い手を確保する「特定地域づくり事業」につきましては、3月に認定された邑南町、西ノ島町を加え、現在、9つの事業協同組合が活動しております。
このうち、浜田市や安来市、海士町では、派遣を通じて、職員が地元企業へ就職した事例もあり、地域への定着につながっております。
今年度も、4市町において、組合の設立に向けた準備が進んでいるため、引き続き、積極的に支援してまいります。
(3)離島振興法につきましては、今年度末に期限を迎えるため、3月に、隠岐の島町長とともに、法の延長や制度の拡充を国に要望したところです。
県としましては、国の動向を注視するとともに、離島の実情に沿った総合的な支援ができるよう、引き続き、隠岐4町村と連携して取り組んでまいります。
(8.地域振興を支えるインフラの整備)
次に、地域振興を支えるインフラの整備について申し上げます。
(1)山陰道につきましては、昨年、出雲市多伎町で災害により国道9号の通行止めが発生し、その際、代替路として機能しました。こうしたダブルネットワークの効果を、全県に渡って発揮するためにも、事業中区間を一日も早く開通させるとともに、未着手区間も含めた早期の全線開通を図るよう、引き続き国に働きかけてまいります。
(2)また、国道9号出雲バイパス「神立~中野東間」、及び浜田自動車道「大朝IC~旭IC間」26.6キロメートルのうち約11.2キロメートルの4車線化が、今年度、新規事業化されました。
県としましては、関係機関と連携し、これらの区間の円滑な事業実施に取り組むとともに、引き続き、国道9号出雲バイパス全線や、県内高速道路の残る優先整備区間の4車線化について、早期事業化を国に求めてまいります。
(3)出雲縁結び空港につきましては、運用時間の延長と発着便数の拡大について、今月10日に空港周辺の住民の皆様と合意に至ることができました。
今後、県議会のご理解をいただきながら、空港周辺の住民の皆様に誠意をもって対応することにより、令和8年度を目途に、運用時間の延長等を開始したいと考えております。
本県にとって、大都市圏や地方間を短時間で結ぶ航空路線は、県民の暮らしや仕事を便利で快適にするとともに、地域振興や観光振興においても重要な役割を果たしております。
引き続き、既存路線の維持・充実はもちろん、新規路線の誘致にも力を入れて取り組み、利便性を一層高めてまいります。
(9.新しい人の流れづくり)
次に、新しい人の流れづくりについて申し上げます。
(1)Uターン・Iターンにつきましては、昨年度実績は、緊急事態宣言等の長期化の影響を受け、前年度と比べて280人減の、3,362人となりました。
一方、昨年度の産業体験事業の認定者数は103人と、18年ぶりに100人を超えたほか、移住に向けた求人登録者数は2,131人で過去最多となるなど、島根への移住に対する関心の高さを示す状況もあります。
県外の若者や女性に向けた情報発信を強化するとともに、移住を決める上で重要な要素となる仕事と住まいの確保を丁寧に支援し、Uターン・Iターンを促進してまいります。
(2)関係人口の創出・拡大につきましては、昨年10月に開設した、しまね関係人口マッチング・交流サイト「しまっち!」によるマッチング実績は、今月1日時点で、19件、47人となりました。
引き続き、将来的なUターン・Iターンにもつながる都市部での関係人口の掘り起こしを進めながら、受入に向けた気運醸成を図り、地域との交流を拡大してまいります。
(3)県内高校生の就職状況につきましては、企業ガイダンスや保護者向けセミナー等を実施した結果、今春の県内就職率は78.5%と、前年に比べ0.2ポイント増加しました。
来春の大学生や高校生の就職に向けて、先般、島根労働局と連携して、県内企業に対し、採用枠の確保を要請したところです。
今後も、県内企業との交流会等による学生とのつながりづくりや、企業の採用力の強化等を進め、若者の県内就職を促進してまいります。
(10.女性活躍の推進)
次に、女性活躍の推進について申し上げます。
女性の就労支援につきましては、女性就職相談窓口の体制を強化した結果、昨年度の相談件数は、前年度比で15%増の1,677件となりました。
今年度は、7月に、新たに就労体験付き講習会を開催するなど、正規職員を目指す方の支援を強化してまいります。
併せて、女性が働き続けやすい職場づくりに取り組む企業を支援するなど、誰もが安心して働き続けられる環境整備を進めてまいります。
(11.保健・医療・福祉の充実)
次に、保健・医療・福祉の充実について申し上げます。
(1)地域医療の確保につきましては、新型コロナ対策の強化や今後の新しい感染症等への対応を見据え、島根県立大学において感染症分野の認定看護師を養成することとし、先月、新課程開講に係る組織を立ち上げるなど、大学内の体制を整備しました。
今後、県内の医療機関、関係団体等のご協力をいただきながら、カリキュラム等の作成、講師、実習施設の確保など、来年度の開講に向け準備を進めてまいります。
(2)「しまね健康寿命延伸プロジェクト」につきましては、特に若い世代や働き盛り世代、健康無関心層に向け、自ら健康づくりに取り組むきっかけとなるよう、減塩、野菜摂取、運動促進のテーマ毎にキャッチコピーを作成しました。
路線バスのラッピングなど様々な方法で周知に努め、県民一人ひとりが健康意識を高めて、行動に移せるよう取り組んでまいります。
(12.教育の充実)
次に、教育の充実について申し上げます。
昨年度、がん教育の必要性や、教材として活用可能な資料等をまとめた手引を作成し、がんの予防や早期発見・検診等への理解など、学校での取組を推進することといたしました。
この手引を活用し、学校教育活動の様々な場面において、がんに向き合う方々に対する共感的理解を深めるとともに、生涯にわたり、自らの健康を適切に管理し、改善していく資質や能力の育成を図ってまいります。
(13.スポーツの振興)
次に、スポーツの振興について申し上げます。
令和12年に開催予定の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会につきましては、3月に開催した準備委員会総会において、愛称を「島根かみあり国スポ・障スポ」に、スローガンを「自分を超えろ、神話をつくれ」に決定いたしました。
また、マスコットキャラクターは「島根県観光キャラクターしまねっこ」に決まりました。
今後は、これらの愛称・スローガンを広く県民に周知するとともに、マスコットキャラクター「しまねっこ」を活用するなどして、大会の開催気運を高めてまいります。
(14.男女共同参画の推進)
次に、男女共同参画の推進について申し上げます。
男女共同参画の推進につきましては、3月に「第4次島根県男女共同参画計画」を策定いたしました。多様な価値観を認め合い、性別に関わりなく、仕事、生活、家庭などそれぞれの場で、バランスよく、自分らしく、いきいきと暮らせる島根の実現を目指し、取組を一層進めてまいります。
(15.生活基盤の確保)
次に、生活基盤の確保について申し上げます。
(1)JR西日本は、先月、1日1キロメートルあたりの利用者数を表す輸送密度が2,000人を下回る区間について、収支率等を公表し、関係自治体との経費負担のあり方を含め、旅客運送サービスの確保について、地域とともに議論や検討を行う考えを示しました。
また、国は、2月に検討会を立ち上げ、利用者が少なく、大量輸送という鉄道特性を発揮できない区間については、バス等への転換も視野に入れながら、地域における利便性・持続性の高い輸送サービスの再構築等を目的として、検討を進めています。
県内のJR路線は、大半の区間で輸送密度が2,000人を下回っており、特に木次線は、令和2年度は133人であったため、強い危機感を持っているところです。
こうしたことから、先月22日には、木次線沿線の自治体とともに、また、今月11日には、同様の状況にある27道府県の知事とともに、国土交通省に対し、地方路線を含む鉄道ネットワークの維持に向けて、鉄道事業法の見直しやJRに対する支援等について緊急提言を行いました。
引き続き、地方における鉄道ネットワークが維持されるよう、他の都道府県や沿線の自治体と連携し、JRや国に対して強く働きかけるとともに、利用促進にも積極的に取り組んでまいります。
(2)県内の重要な交通機関である路線バスにつきましては、新型コロナの影響により、厳しい経営状況が続いているため、車両の更新に係る経費を支援し、事業の継続を支えてまいります。
(3)デジタル化の推進につきましては、今年度、国の「デジタル田園都市国家構想推進交付金」の採択を受け、建設分野と林業分野において、ICT技術を活用した生産性向上や低コスト化の取組を進めることとしております。
また、3月に定めた「島根県ICT総合戦略」を着実に推進するため、今月20日、庁内に「ICT戦略会議」を立ち上げたところです。
引き続き、各分野におけるデジタル化を着実に推進し、利便性の向上や情報格差の縮小など、デジタル化の恩恵が県民に広く行き渡るよう取り組んでまいります。
(16.防災対策の推進)
次に、防災対策の推進について申し上げます。
平成30年7月から3年余りの間に3度の浸水被害を受けた江の川下流域につきましては、3月に、流域治水の考え方に基づき、「治水とまちづくり連携計画(江の川中下流域マスタープラン)」を国・県・沿川4市町として策定いたしました。
計画に沿って早期に治水対策が実施されるよう、引き続き、沿川市町と連携し、国に必要な予算の確保と事業の加速化を強く求めてまいります。
(17.交通安全対策)
次に、交通安全対策について申し上げます。
県内における交通事故の発生件数は減少傾向にあるものの、死者数は昨年の同時期に比べ大幅に増加し、死者に占める高齢者の割合は7割を超えています。
引き続き、高齢者の交通事故防止を最重点とし、関係機関や団体等と連携した交通安全対策を推進してまいります。
(18.若者の活躍)
次に、若者の活躍について申し上げます。
(1)新型コロナの影響により、この2年余り、多くの公式大会や発表会等が中止となり、児童生徒をはじめとする若者の活躍の機会が制限される状況が続いております。
学校における部活動等についても、3月には、県立学校において春休み前半の部活動の制限を行い、市町村立の学校や私立学校等にも同様の協力を求めるなど、大変心苦しいお願いをしたところです。
こうした中、3月に開催された第17回全国高等学校なぎなた選抜大会女子個人の部において、出雲北陵高校の廣瀬米香選手が優勝されました。さらに、今月ブラジルで開催された第24回夏季デフリンピック卓球競技に、益田市立益田中学校の山田萌心選手が日本代表として出場し、女子団体で銀メダルを獲得されました。
今後も、大いに活躍されることを期待しております。
(2)また、本日から県内各地でインターハイの県内予選となる「県高等学校総合体育大会」が開催されます。高校生活最後の総体となる3年生をはじめ選手の皆さんは、感染症の影響で様々な活動が制限される中でも、それぞれが創意工夫をしながら、懸命な努力を積み重ねてこられました。
そうした努力の成果を遺憾なく発揮され、精一杯プレーされることを願っております。
(3)バスケットボールBリーグの島根スサノオマジックは、球団創立以来初めて、年間優勝チームを決定するチャンピオンシップに進出する大躍進を遂げ、私ども県民に感動と勇気を与えてくれました。
惜しくもセミファイナルでの敗退となりましたが、来シーズンも更に飛躍され、県内唯一のプロスポーツチームとして、県民に夢と希望を与えてくれることを期待しております。
(19.原発の安全・防災対策)
最後に、島根原発2号機の再稼働判断について申し上げます。
島根原発2号機の再稼働につきましては、本日この後に予定されております島根原子力発電所対策特別委員会の委員長報告、それに対する討論、表決を踏まえた上で、来月2日に発言の機会をいただき、島根県知事としての判断を表明したいと考えております。
(20.補正予算案等)
それでは、今回提出いたしました一般会計補正予算案などの概要について、申し上げます。
一般会計の補正予算案は、2件あります。
1件は、新型コロナウイルス感染症対策として緊急に対応すべきものについて措置し、総額39億円を増額しております。
この補正予算案第1号につきましては、緊急に対応できるよう、速やかなご審議を賜りますようお願いいたします。
もう1件は、補正予算案第2号であり、新型コロナウイルス感染症の追加対策など、早急に対応すべきものについて17億円を措置しております。
この結果、補正後の一般会計予算の規模は、4,877億円となります。
これら2件の補正予算案のほか、条例案3件、一般事件案4件の計9件を提出しております。
これらの議案の詳細につきましては、この後、総務部長から説明させることといたします。
何とぞよろしくご審議のほど、お願い申し上げます。
お問い合わせ先
政策企画監室
〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 島根県 政策企画監室 電話:0852-22-6063 FAX:0852-22-6034 Eメール:seisaku-kikaku@pref.shimane.lg.jp