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平成27年6月定例県議会知事施政方針並びに提案理由説明要旨

定例議会開会にあたり、諸議案の説明に先立ちまして、知事として3期目の県政に臨む私の基本的な考え方を申し上げ、皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

(1.地方創生と県政運営)
(1)今、日本の中では、人口減少問題にどう対処していくかということが大きな政策課題となっております。

 

人口減少は、これまでは島根など地方の問題だと考えられておりましたが、政府におかれては、日本全体の問題だと捉え、初めてこの問題に本格的に取り組み、「地方を大事にする」「地方創生を行う」として、地方に一定の支援をされようとしておられます。
これは一つの大きな政策転換であり、この好機を活用して、島根の発展に全力を挙げていかなければなりません。

 

(2)そのための「総合戦略」を、県議会、市町村、経済界や地域活動をされている方々などのご意見をよくお聞きしながら、10月末までに作成することとしております。
先月18日には、第1回目の「各界の意見等を聴く会」を開催しました。
この後、県議会には、7月上旬に「戦略」の「骨子」を、8月下旬に「素案」をお示しし、9月議会で「案」をとりまとめたいと考えております。
この検討過程で、「各界の意見等を聴く会」のご意見などもお聞きしながら、「戦略」の作成作業を進めてまいります。
この「総合戦略」に基づき、市町村や経済界などとも連携して、地方創生の実現に向け、全力で取り組んでまいります。

 

(3)それでは、「総合戦略」で目指すべき基本的な方向など、今後の県政運営についての私の考え方について、主要分野ごとに順次ご説明申し上げます。

 

(2.産業振興)
まず、産業振興について申し上げます。

 

「総合戦略」の中では、島根の若い人たちが安心して子どもを産み育てることができるよう、安定した雇用の場を増やしていくことが極めて重要であります。
そのためには産業の振興が大事であります。

 

(1)ものづくり産業につきましては、企業の経営力・技術力・販売力の強化や企業間連携の促進を図ってまいります。
今年4月から、航空機産業参入を目指す特殊鋼関連企業によるグループ「スサノオ」が共同営業活動を展開しています。

このような産業集積や地域の強みを活かした取組みを一層推進してまいります。

 

(2)IT産業につきましては、これまでの8年間に、売り上げが約80%増加し、県内雇用が約25%増加するなど着実に発展してきております。
この勢いを促進するため、県内IT企業と連携して、今年の秋に、しまね産業振興財団の組織の中に「しまねソフト研究開発センター」を創設し、経済産業省の協力も得て、先進的、革新的なIT技術開発の支援、早期事業化の促進、高度IT人材の育成・集積を進めてまいります。

また、Rubyを活用した革新的な事業を行っている企業等を表彰する「 Ruby biz グランプリ」や、中学生・高校生による「プログラミング甲子園」を開催し、島根のIT産業のPRと人材育成に取り組んでまいります。

 

(3)企業誘致につきましては、最近4年間の誘致企業の認定数は79件、総投資額は約380億円で、新規雇用計画数は1,300人を超えました。
今年度は、尾道松江線の全線開通と出雲・名古屋便の再開に合わせ、企業立地セミナーを広島市と名古屋市で開催し、誘致を進めてまいります。
また、県内市町村と連携して、県外のIT個人事業主による創業を支援することにより、雇用の機会を広く県内に創出してまいります。

 

(4)地域を支えている中小企業・小規模企業に対しましては、引き続き、アドバイザーの派遣により経営力の強化を図るほか、商品開発や販路開拓などを支援してまいります。
また、経済と雇用の中心的な担い手である中小企業・小規模企業の円滑な事業承継に向け、きめ細やかな支援を行ってまいります。

中山間地域における雇用基盤の維持を図るため、設備投資を行う県内企業に対して、市町村と連携し、支援してまいります。
食品産業につきましては、県内全域での雇用の維持・確保のため、品質向上や営業力強化の取組みなどを支援してまいります。

 

(5)県の産業技術センターの「先端技術イノベーションプロジェクト」につきましては、高出力LEDのトンネル照明など事業化の動きも出てきており、引き続き、県内企業との連携を強化し、成果を目指してまいります。
また、健康増進を目的とした旅行商品や、高齢者の生活支援サービスなど、地域資源を活かした「ヘルスケア・ビジネス」の創出に向けて取り組んでまいります。

 

(3.観光の振興)
次に、観光について申し上げます。

 

(1)ここ2、3年、出雲大社の「大遷宮」の効果などにより島根が全国的によく知られるようになり、全国から多くの観光客の方々に島根にお出でいただいております。

 

(2)3月に尾道松江線が全線開通し、日本海と太平洋を結ぶ壮大な周遊ルートが形成されました。
この沿線はもとより、県内全域の観光地情報を強力にPRしてまいります。

 

(3)5月には、松江城天守を国宝に指定するよう国の文化審議会で答申が行われました。
この後、国の官報告示を経て、正式に国宝となります。
また、4月には、文化庁により「津和野今昔ー百景図を歩くー」が日本遺産に認定されました。
それぞれ、松江市、津和野町の皆様の長年のご努力の成果であり、今後、地元と連携しながら、これらの文化遺産を国内外へ広く情報発信してまいります。

 

(4)石見地域につきましては、各地の温泉や津和野などを題材にした観光商品づくりや、石見神楽のブランド化、滞在・体験型旅行メニューの開発などを進めてまいります。

 

(5)隠岐地域につきましては、「隠岐世界ジオパーク活用推進検討会議」から提言された、地元ガイドの養成、映像や展示物の充実、拠点施設の整備などの実現に向けた取組みを、隠岐4町村などと一緒になって進めてまいります。

 

(6)「ご縁の国しまね」プロモーションにつきましては、6月初め、劇団EXILEの青柳翔さんなど3人のイメージキャラクターの方々と東京においてプレスへの発表会を行いました。
このEXILEの皆さんと一緒になりまして県の魅力を発信してまいります。

 

(7)国際観光につきましては、しまね観光推進会議に部会を設け、外国人の受入環境の整備や民間団体等の取組みの拡大、外国人にとって魅力ある観光商品づくりなどを進めてまいります。

 

(8)県内3空港の利用促進につきましては、地元協議会と連携し、今後も利用実績を積み上げながら、路線の維持・充実に取り組んでまいります。
また、3月に再開された出雲・名古屋便を活用した観光振興も行ってまいります。

 

(9)特に観光などの振興におきましては、県境を越えた広域的な取組みが近年拡大してきております。
例えば、海外からの観光誘客などについては、中国5県が連携した活動も行われてきております。
また、尾道松江線の活用につきましては、今後、四国との連携も考えていく必要があります。
さらに、隣県との協調につきましては、例えば中海・宍道湖・大山圏域の関係市間の連携や、県西部では萩市などとの連携も図られてきております。
県としましては、こうした広域的連携につきましては、関係する市町村などとよく協議しながら推進してまいります。

 

(4.農林水産業の振興)
次に、農林水産業の振興について申し上げます。

 

(1)昨年度より実施された農地中間管理事業につきましては、445ヘクタールの農地が農地中間管理機構から担い手に貸し付けられ、担い手の経営改善に寄与しております。
引き続き、事業の周知や、実施体制の強化、担い手の確保・育成を図りながら、農地集積を進めてまいります。

(2)3月に、県内の11の農協が、全国で4番目となる全県1農協「JAしまね」として新たに発足されました。
県としましては、県内の農業者の皆さんが各地域で安定的に営農を続けていくことができるよう、これまで以上にJAや市町村などとの連携を図りながら農業・農村振興に取り組んでまいります。

 

(3)農業の担い手確保につきましては、首都圏での農業セミナーの開催や、市町村と連携した具体的な就農情報の提供などを実施し、企業参入や半農半Xも含め、きめ細やかな支援を行ってまいります。

 

(4)水田農業につきましては、昨年度からの米政策の見直しや米価下落を受けて、売れる米づくりを支援するなど生産・販売・経営対策を体系化し、総合的な対策を実施することで島根農業の大きな柱である水田農業を維持・発展させてまいります。

 

(5)しまね和牛につきましては、生産基盤の強化に向け、新たな担い手の育成や放牧などによる低コスト生産の推進に加え、高齢者や新規参入者をサポートするための共同の子牛育成施設の整備などを進めてまいります。

 

(6)林業・木材産業につきましては、松江市、江津市の木質バイオマス発電所が稼働するなど新たな動きがある中、循環型林業を推進するため、主伐による原木の増産や木質バイオマスの安定供給を支援してまいります。

 

(7)水産業では、底びき網漁業等の基幹漁業について、コスト削減と付加価値向上等による経営改善を支援してまいります。
また、沿岸漁業におきましては、地域の実情に応じた所得向上の取組みを支援し、漁村の活力再生を推進してまいります。

 

(8)地域資源を活用した6次産業や地産地消につきましては、多様な事業者が連携した新商品開発や、賑わい創出を目的としたマルシェの開催など、地域における様々な取組みを支援してまいります。

 

(9)農山漁村地域の基盤整備につきましては、農林水産業の生産を支え、農山漁村の安全な暮らしを守る重要な役割を担っており、着実に推進してまいります。

 

(5.中山間地域・定住対策)
次に、中山間地域対策と定住対策について申し上げます。

 

(1)中山間地域対策につきましては、地方創生に関する国の総合戦略の中に盛り込まれた、いわゆる「小さな拠点」づくりの考え方も踏まえながら、日常生活圏における諸機能の維持や地域資源を活用した雇用の確保などを推進してまいります。

 

(2)定住対策につきましては、UIターン希望者に対する雇用面での支援を強化するため、ふるさと島根定住財団や市町村、商工団体など関係機関が一丸となって求人情報を掘り起こしたり、市町村が行う雇用創出の取組みを支援してまいります。

 

(6.社会基盤の整備)
以上のように、いろいろな形で産業振興などにより雇用を確保していくためには、社会インフラ整備が必須であります。

 

(1)山陰道につきましては、昨年度の仁摩温泉津道路の全線と浜田三隅道路の一部開通により県内の供用率は56%となっており、着実に整備が進められております。
また、未事業化区間では事業化へ向けた調査が進められております。
さらに、来年度には浜田三隅道路が、平成30年度には多伎朝山道路と朝山大田道路が全線開通する予定であります。
県としましては、引き続き、早期全線開通を国に強く働きかけてまいります。

 

(2)大橋川改修につきましては、引き続き、国や松江市と連携して事業を進めてまいります。
また、「新大橋」の架け替えに向けた都市計画決定など必要な手続きを進めてまいります。

 

(3)浜田港につきましては、山陰道浜田港インターチェンジに直結する臨港道路福井4号線や新北防波堤について、平成29年度の完成に向け、引き続き、国に働きかけてまいります。
また、手狭な福井ふ頭の拡大や港全体の効率的な利用に向けた検討を進めてまいります。

 

(7.再生可能エネルギーの導入)
次に、再生可能エネルギーの活用は、産業振興の上からも大事な課題であります。

 

島根県における再生可能エネルギー及び省エネルギーの推進につきましては、3月に検討委員会の最終報告書がとりまとめられました。
一方、政府におきましては、現在、2030年時点の電源構成等が検討されています。
今後、政府の考え方との整合性も確認しながら、条例に基づく県の基本計画をできるだけ早期に策定する考えであります。

 

(8.結婚支援・子育て支援)

以上のように県内で雇用、特に若い人たちの雇用の場を増やしながら、それに続く対策としましては、結婚し、子どもを産み育てる若い人たちが増えるよう、結婚支援や子育て支援が必要であります。

 

(1)結婚支援につきましては、子どもを含め若年層への結婚、妊娠、出産に関する啓発が大事であります。

 

(2)そして、結婚を希望する若い人たちに対しましては、「しまね縁結び応援事業」などによる出会いの場の創出、結婚支援センターの設置や、結婚相談ボランティア「はっぴぃこーでぃねーたー」の増員などによる相談・マッチング支援の充実に取り組んでまいります。

 

(3)子育て支援につきましては、4月からスタートした子ども・子育て支援新制度の円滑な実施や、スマートフォンを活用した子育て家庭への情報発信、子育て支援を行っている団体への支援などを行ってまいります。
また、4月から、子育て応援パスポート「こっころパスポート」の中国5県での共同利用を開始致しました。

 

(4)次に、子どもが産まれますと、仕事と子育ての両立支援が必要であります。
働きながら子育てしやすい環境づくりを社会全体で進めていくため、従業員の子育てを積極的に支援する企業を認定する「こっころカンパニー」の登録拡大や、男性の育児参加を促進するための啓発などに取り組んでまいります。

 

(9.男女共同参画社会の実現)
次に、男性も女性も子育てをしながら、社会の中で存分に活躍していく上でも、男女共同参画は重要な課題であります。

 

県民一人ひとりが個性や能力を発揮し、ともに支え合いながら心豊かに暮らすことのできる社会の実現に向け、仕事と生活の調和や、女性が活躍できる環境づくりを進めるため、「第3次島根県男女共同参画計画」を策定することとしております。

 

(10.医療・福祉の充実)
次に、県民誰もが、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、医療・福祉の充実が必要であります。

 

(1)医療分野では、これまで医師等の医療従事者の確保など、地域医療の維持・充実に向け全力を挙げてきております。

 

(2)他方、日本全体として急速に進む超高齢社会に対応する医療提供体制のあるべき姿について、「医療介護総合確保推進法」に基づき、地域医療構想の策定作業を今年度から行うこととされております。

 

(3)この構想においては、2025年に必要となる病床数について、将来推計人口や入院率などをもとに、国が定める方法で算定を行うこととされていますが、昨日、厚生労働省から示された都道府県ごとの推計によれば、島根県では、今後10年ないし15年間で、県全体の病床を3割削減することとされております。

 

(4)こうした厚生労働省の示す削減は、地域医療に大きな影響をもたらすことが懸念されます。
今般の国への重点要望でも要請したことでありますが、国におかれては、策定すべき地域医療構想の基本的な考え方などを国民によく説明して理解を得ることが必要であります。

 

(5)そうした中で、県としましては、県内の市町村や医療機関、関係団体など、幅広く意見をお聞きし、また、国に対しまして必要な働きかけを行いながら、地域医療構想の策定作業に取り組んでまいります。

 

(6)次に、介護の分野では、「第6期島根県介護保険事業支援計画」に基づき、介護人材の確保等を進め、医療と介護の連携強化を図りながら、市町村の地域包括ケアシステムの構築に向けた取組みを支援してまいります。

 

(7)難病支援につきましては、難病患者を支える新たな仕組みとして、この1月から「難病の患者に対する医療等に関する法律」が施行され、難病患者の方々への支援を総合的に推進しております。
7月には医療費助成の対象疾病も法施行前の56から306まで拡大され、支援の充実が図られることとなります。

 

(8)障がい者福祉につきましては、障がいのある方が住みたい地域で、安心し、自立して暮らせるよう、一般就労に向けた支援や、相談支援を行う人材の育成、住まいや生活の場の環境整備を進めてまいります。
また、来年4月からの「障害者差別解消法」の施行に向け、障がいの特性や障がいのある方への配慮についての理解が進むよう努めてまいります。

 

(11.教育の充実)
次に、子どもたちが成長し、高校・大学などを終えて社会に出て行く前の教育の充実、そして就職の前の準備も、地域の発展にとって大事であります。

 

(1)小中学校の35人学級編制につきましては、昨年度から年次進行で拡充し、今年度は小学校5年及び中学校2年まで導入し、来年度は小中学校すべての学年を対象に実施してまいります。

 

(2)離島・中山間地域の高校の活性化につきましては、さらなる魅力化・活性化に向け、新たに専任職員を配置し、取組みを県全体に波及させていきます。

 

(3)県内高校の就職状況につきましては、今年3月の卒業生で就職を希望した方のうち、就職が決まった方の割合が過去10年で最高の99.5%となり、そのうち県内で就職が決まった方の割合は78.2%に達しました。
今年度から、高校生や大学生などが県内企業の現場を体験するインターンシップに参加する際の宿泊費等への助成制度を創設しました。
今後とも、就職するということはどういうことなのか、とか、どんな企業が県内にあるのか、といったことについて、高校生や大学生などの理解が進むよう努めてまいります。

 

(4)特別支援学校につきましては、開設準備を進めていた出雲養護学校雲南分教室を今年4月1日に開設致しました。

 

(5)県立大学松江キャンパスにつきましては、県立大学当局からの提案を受け、有識者懇談会で、松江キャンパスの4年制化について検討していただきました。
この懇談会で3月末にまとめられた報告書などを踏まえ、この度、松江キャンパス3学科全てを4年制大学化するとともに、健康栄養学科を出雲キャンパスに移転することと致しました。

 

(6)また、有識者懇談会では短大存置を検討するようにとのご意見もありました。
高校生の短大志望や企業等による短大生の採用意向が依然としてあることを踏まえ、保育学科及び総合文化学科につきましては、短期大学部を残す方向で現在検討しており、近いうちにとりまとめたいと考えております。

 

(7)今後、県立大学とともに、4年制化に伴う教員の確保や新たに必要となる施設の整備など、諸準備を進め、平成30年4月の開設を目指す考えであります。

 

(12.若者の活躍)
さて、スポーツは、若者の健全な発育にとって大事な分野でありますが、このところ、島根の若者の活躍が続いています。

 

(1)現在世界ランキング5位まで躍進された、テニスの錦織圭選手の活躍は島根の子どもたちにとって大きな励みとなるだけでなく、県民に大きな喜びと感動を与えていただいております。
錦織選手のさらなるご活躍を期待申し上げます。

(2)また、全国高校選抜女子セブンズラグビー大会で、石見智翠館高校が3年連続の優勝、全国高校選抜ホッケー大会で、横田高校男子チームが2年連続で優勝、また、国際柔道大会や世界カヌージュニア選手権では、島根の高校生が日本代表となるなど、世界で活躍する選手も出てきております。

 

(3)来年度は、中国5県で全国高等学校総合体育大会が開催され、島根では、体操、新体操、テニス、柔道、ボートの5種目が実施されます。
島根の若者が大いに活躍することを期待しております。

 

(13.防犯・交通安全対策と自然災害対策)
次に、県民生活の安全・安心のためには、防犯・交通安全対策と自然災害対策も重要な課題であります。

 

(1)県内では高齢者を中心とした特殊詐欺の被害が依然として発生し、昨年と比べ、被害件数がほぼ倍増するなど深刻な状況にあります。
また、今年の交通事故死者数は昨年と比べ大きく増加し、特に高速道路で衝突事故が連続して発生したほか、被害者の半数を高齢者が占める状況にあります。
こうした被害や事故などを抑制するため、関係機関、民間団体等と連携して官民一体の対策を講じてまいります。

 

(2)また、一昨年夏の県西部における豪雨災害や昨年の広島における土砂災害など、災害が各地で起こっております。
災害から県民の生命や財産を守るために、河川改修やダム建設、土砂災害対策などを計画的に進めてまいります。

 

(3)さらに、市町村が行う避難勧告などの発令判断基準の見直しや自主防災組織の育成などの取組みを支援してまいります。
併せて、防災関係機関と連携・共同して、防災訓練やハザードマップの周知などを行うことにより、県民の方々の防災意識の向上を図り、地域の防災力の強化に取り組んでまいります。

 

(4)また、近年、鳥インフルエンザや北朝鮮情勢への対応といった事案も発生しております。
こうした危機管理事案に対し、適切に対処するよう全力を挙げて取り組んでまいります。

 

(14.原発の安全・防災対策)
次に、原発の安全・防災対策について申し上げます。

 

(1)島根原発1号機につきましては、中国電力は3月に廃止を決定し、4月に営業運転を終了いたしました。
今後、中国電力は、燃料搬出や設備除染、解体などの廃止措置計画の認可申請を行い、原子力規制委員会において審査されることとなります。
中国電力に対しましては、長期にわたる廃炉作業が安全かつ確実に進むよう、適切な対応を求めてまいります。

 

(2)2号機につきましては、原子力規制委員会の適合性確認審査が継続されております。中国電力は、断層のさらなる追加調査など、審査で指摘のあった事項について必要な対応を行っている状況にあります。

 

(3)3号機につきましては、中国電力は、原子力規制委員会への申請に向け準備中としておりますが、申請の時期は、まだ明らかではありません。

 

(4)引き続き、原子力規制委員会による島根原発の審査状況及び中国電力の対応をよく注視してまいります。

 

(5)次に、原発の防災対策につきましては、国、島根・鳥取両県、島根原発の立地市及び周辺市による作業チームにおいて、避難行動要支援者の実態を把握するなど、避難計画の実効性向上に向け、引き続き検討を進めてまいります。

 

(15.財政健全化の取組み)
さて、これまで述べてまいりました様々な施策を適時、適切に展開していくためには、健全な財政基盤を必要とします。
平成19年に財政健全化基本方針を策定し、進めてまいりました県の財政の健全化につきましては、これまで、歳出の見直し、職員の定員削減、歳入確保などにより、概ね方針に沿って進んでおります。
今後もこの動きに沿って健全化が進むよう努めてまいります。

 

(16.「住みやすく、活力ある地方の先進県しまね」を目指して)
以上、今後の県政における基本的な政策の方向について、私の考えを申し述べました。

 

(1)島根県は、豊かな自然、古き良き文化・歴史、特色ある地域資源、温かい地域社会、そして勤勉な県民性など、多くの強みを有しております。

 

(2)こうした強みを活かし、「住みやすく、活力ある地方の先進県しまね」を目指して、全力を尽くす考えであります。
議会の皆様を始め、県民の皆様のご理解を賜りますよう、宜しくお願いを申し上げます。

 

(17.補正予算など提出議案)
それでは、今回提出いたしました一般会計補正予算案などの概要について申し上げます。

 

今回の補正予算案では、島根県立大学短期大学部の4年制大学への移行など早急に対応すべきもののほか、国の交付金の内示等に伴い補正を要するものについて措置することとし、総額2億7,900万円余を増額しております。
この結果、補正後の一般会計予算の規模は、5,302億4,500万円余となります。

 

この補正予算案のほか、条例案8件、一般事件案6件の計15件を提出しております。

これら議案の詳細につきましては、この後、総務部長から説明させることと致します。
何とぞ宜しくご審議のほど、お願い申し上げまして、私からの説明を終了いたします。


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