平成24年11月定例県議会知事提案理由説明要旨
定例議会開会にあたり、提出議案の説明に先立ちまして、最近の県行政の主な動きについてご説明し、併せて、私の所信の一端を申し述べたいと思います。
(国政の動き)
まず、今般の臨時国会におきましては、衆議院の解散・総選挙の時期を巡り、与野党間で種々やり取りが続いておりました。
先週に至り、公債発行特例法及び選挙制度改革関連法が成立するなど、民主党・自由民主党・公明党の3党間で合意が成り、先週末、衆議院が解散されました。
総選挙は、来月16日に行われることとなり、来年度予算の編成などに一定の影響が生ずることが予想されます。
選挙後の新内閣におかれましては、国民生活や経済活動などの安定のため、諸課題に早急に対応していただきたいと思います。
(最近の経済情勢)
さて、経済に目を転じますと、日本経済、県経済ともに引き続き厳しい状況にあります。
さらに世界経済も、欧米経済の低調、それに伴う中国等新興国の減速などから要注意の状況にあります。
こうした中、日銀による金融緩和に加え、政府は先月末、予備費を活用して、4,000億円規模の経済対策を決定しましたが、さらに対策の追加を求める声も多くあります。
目下、県では、こうした動きの中で、今議会中に追加の補正予算案を提出することを含め、対応を検討しているところであります。
また、こうした中で、県として産業の振興をさらに推進して行かなければならないと考えております。
(観光の振興)
まず、観光振興につきましては、「神話博しまね」は、70万人を超える多くの方々にご来場いただき、今月11日に閉幕いたしました。
また、県内各地において、「万葉フェスティバル」や「隠岐ジオパークフェスティバル」など各地域の主催による催しもそれぞれ盛大に開催されてきました。
今回の県を挙げた観光キャンペーンにご支援、ご協力をいただきました県民の皆様や県議会をはじめとする各界の皆様に対しまして、深く感謝申し上げる次第であります。
東京で11月25日まで開催される「出雲−聖地の至宝−」展にも、連日多くの方々にお出でいただいております。
今月13日には、天皇陛下、皇后陛下におかれましては、この展覧会をご観覧いただきました。
このことは、私ども島根県民にとりまして感激にたえないところであります。
さて、来年5月には、出雲大社の平成の大遷宮が執り行われ、地元においても様々な奉祝行事などが計画されております。
こうした機会を捉え、古代出雲の世界をはじめ、県内各地の観光地全体への関心がさらに高まるよう、引き続き、地域の魅力づくりや観光PRなどを積極的に行ってまいります。
(中小企業支援)
次に、中小企業につきましては、今年度末の中小企業金融円滑化法の終了による経営への影響が懸念されております。
このための対応として、まず、経営改善に取り組む中小企業者を支援する長期・低利の新たな借換え資金を年内に創設するよう検討を進めております。
また、地域の金融機関が中心となって、中小企業の事業再生を支援する投資ファンドを近々、創設すべく作業が行われております。
さらに、県は、中小企業の成長を支援する投資ファンドを年度内に創設するよう準備を進めております。
今後とも、商工団体、金融機関など関係機関との連携を強化しながら、中小企業の経営安定化に全力を挙げてまいります。
(企業誘致)
次に、企業誘致につきましては、先月、福山と東京で、立地セミナーを開催致しました。
福山でのセミナーは、松江・尾道間の高速道路の開通を見越した備後地区での初めての開催であり、約80社、100名の参加がありました。
また、東京におきましては、約110社、150名の参加がありました。
今後も、参加された企業のフォローをきめ細かく行い、実際の誘致につながるよう取り組んでまいります。
(貿易の振興)
次に、貿易振興について申し上げます。
浜田港とロシア・ウラジオストクとの間で不定期に就航しているローロー船が、来月から、月2便の定期就航になることとなりました。
この機会を活かし、ロシアをはじめとして国際取引の拡大につながるよう一層の努力を行ってまいります。
(農畜産業の振興)
次に、農業振興について申し上げます。
米の新品種として、今年導入しました「つや姫」につきましては、平坦地において1等米の比率が高いなど、生産者の所得向上に一定の成果をあげております。
今後も、島根米の品質向上に取り組んでまいります。
畜産業につきましては、先月、長崎県で開催された「全国和牛能力共進会」は、島根にとりまして、厳しい結果となりました。
県としましては、この大会の結果も踏まえ、また生産者など関係者の意見もよくお聞きしながら、「しまね和牛」の再興に全力をあげて取り組んでまいります。
(原発の安全・防災対策)
次に、原発の安全・防災対策について申し上げます。
島根原発に万が一の事態が生じた場合に備えた「広域避難計画」につきましては、避難先となる県内の市町をはじめ、中国各県及び各市町村と協議を行いながら、策定作業を進めてまいりました。
今般、避難先となる自治体から避難受入れのご了解をいただき、近々、県として「広域避難計画」を取りまとめて公表することとしております。
また、原子力規制委員会から示された「原子力災害対策指針」などを参考に、来年3月を目途に、住民の放射線防護対策などを盛り込んだ原子力災害に関する「地域防災計画」の改定を行うこととしております。
また、来年1月末には、島根・鳥取両県、島根原発周辺30キロ圏内6市の合同で、「原子力防災訓練」を実施する予定としております。
この訓練では、行政機関による初動対応訓練に加え、住民の方々に参加していただいて避難訓練も実施することとしております。
こうした訓練を通じ、実効性の高い防災体制の確立に努めてまいります。
(自然災害対策)
次に、地震・津波などの自然災害対策について申し上げます。
県内で大規模な地震、津波が発生した場合に、その被害を軽減するための対策をまとめた「減災計画」の案と、東日本大震災を踏まえ見直しを進めておりました自然災害に関する「地域防災計画」の改定案をこのたび作成致しました。
現在、今年度内の策定に向け、広く県民の方々のご意見をお聞きしております。
また、今月4日、浜田市において実施した「島根県総合防災訓練」では、一定の地震・津波災害を想定し、地元住民の方々の参加による避難訓練や、消防をはじめとした各防災機関、医療機関などによる救援・救助の訓練を行いました。
こうした防災訓練も積み重ねながら、引き続き防災体制の強化を図ってまいります。
(社会基盤の整備)
次に、社会インフラ整備について申し上げます。
山陰道につきましては、事業中の区間の整備が着実に推進されるよう、引き続き国に働きかけを行ってまいります。
また、9月に計画段階の評価に着手された「温泉津・江津間」につきましては、国の審議会において、対応方針が早急に決定され、事業化に向けた手続きが進められるよう、引き続き国に働きかけを行ってまいります。
(離島地域振興)
離島地域の振興につきましては、今月初め、隠岐の島町で「隠岐振興フォーラム」を開催し、国の担当者や地元の方々を交えた意見交換を行いました。
県としましても、こうした地元の方々の意見なども踏まえながら、次期離島振興計画の策定を進め、隠岐地域の振興に取り組んでまいります。
(補正予算案など提出議案)
それでは終わりに、今回提出致しました一般会計補正予算案などの概要について申し上げます。
今回の補正予算案は、公共事業について国の交付金の追加内示に伴い補正を必要とするものなど、早急に対応すべきものについて措置することとし、総額4億3,000万円余を増額しております。
この結果、補正後の一般会計予算の規模は、5,327億3,100万円余となります。
この補正予算案のほか、予算案1件、条例案29件、一般事件案7件の計38件を提出しております。
これら議案の詳細につきましては、この後、総務部長から説明させることと致します。
何とぞ宜しくご審議のほど、お願い申し上げまして、私からの説明を終了致します。
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