樹木病害の防除に農薬が使えるようにする
共同研究機関:森林総合研究所ほか5都県農林関係試験研究機関
課題名:緑化樹等の樹木病害に対する防除薬剤の効率的適用化に関する研究(研究期間平成15年度〜18年度)
研究の目的
平成15年3月に改正農薬取締法が施行され、樹木病害に使用できる農薬がきわめて限定された。このため、樹木病害にも安心して使用できる農薬登録の拡大が緊急の課題となった。
(1)農薬登録の適用拡大を行うために必要な薬効・薬害試験データを取得する。
(2)これら農薬の適用範囲を単独の樹種のみでなく、すべての樹種に使えるよう、"樹木類"としてグループ登録を目指す。
(3)登録に必要な試験を、共同研究の各機関で分担し効率的に実施して、早期の登録拡大を図る。
結果の概要
(1)本県における成果
県内で発生している主要な樹木病害のうち、うどんこ病、輪紋葉枯病など5病害について試験を行った。各病害について3〜7種薬剤の薬効試験を数回繰り返し、有効な薬効試験成績を計70例、得た。また、薬剤散布による樹木への影響調査(薬害試験)を行い、約200例の薬害試験成績を得た。
さらに、防除に必要な知見が乏しい病害についてはより詳細な調査を行い、被害発生条件や防除適期など数多くの知見を得ることができた。
(2)共同研究による成果
共同研究全体としては、薬効試験成績は400例、薬害試験成績は500例に及び、本研究課題で当初計画した試験成績を得ることができた。
成果の活用上の課題
適用拡大の許可と共同研究の成果がまとまり次第、普及用の手引"樹木病害とその防除薬剤"(仮称)を発刊する予定である。この手引き作製により、"新たな登録薬剤を使用した樹木病害の適正な防除"を普及の目的とした研修会等を実施する必要がある。
その他
最終的な適用拡大の許可は、平成19年12月以降の予定である。
(1)(2)
写真(1)緑化木病害の例サルスベリうどんこ病
写真(2)サカキ切枝栽培園での輪紋葉枯病の薬剤試験無散布区(左):本病による落葉が激しい/散布区(右)
お問い合わせ先
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