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次回お目にかかれるのはいつ?ハチクの花

平成29年8月1日(火)天気晴れ

 

 

「花、見つけましたよ。机の上に置いてあります」7月19日、調査の帰りざま、嘱託職員の藤原さんから

声をかけられました。

 机の上には見たかったものがありました。ハチク(淡竹)の花です。

 

写真ハチクの花

 

 なんとなく麦の穂を適当に刻んで枝先に着けたような感じです。開花時には雄しべが見られるはずですが、

それが無いこの状態は、正確には開花後の種子が充実しつつある段階なのでしょう。

 

 タケ類には何十年かに一度、一斉に開花・結実・枯死する現象が知られており、これは滅多に見られない。

と聞き及んでいましたので是非見たかったものです。

 

 実は6月末に、大田市のハチク林であちこち開花が見られる。という情報を聞き及び、探してみたのですが、

ハチク林はあまたあれども花は見ること叶わず、心に引っかかっていたのでした。

 

 さて、改めて持ち帰られた「花」の場所を聞いて後日見に行きました。0.1ha程度の範囲に生えている大小、

全ての竹が結実しており、中には実の重さで大きく傾いたものも見られます。

 

写真開花したハチク林

 

 県内に見られる主なタケ類にはモウソウチク、マダケ、ハチクがあります。一斉開花の例を調べてみると、

モウソウチクが67年目に開花(1930年に開花・結実した種子を播種したものが1997年に開花・枯死:森林

総合研究所の報告)、マダケは1963年頃に全国的な開花・枯死があったこと、ハチクについては不明で、

120年に一度開花するとされる。という情報もありましたが、はっきりとした記録が見つかりません。

 

 以前、当センターでタケ関係の調査をしていた島田さん(現:西部農林振興センター)に話を聞くと、

「モウソウチクの小規模な開花なら、何度か見たことがありますよ」とのこと。
 

 一体、タケ類は数十年に一度の開花なのか、そこそこ見られる現象なのか。はたまた何かの条件が揃ったら

開花するものなのか、、、など、興味が尽きません。

 

 改めて、良く解っていないことが多い。と思い知らされます(不勉強、文献渉猟不足もありますが)。

「竹の花」を手に取りながら、研究機関に身を置く者として、対象とする事物と、それを取り巻く状況を

良く観察して、正確・謙虚に記録することが大切。と改めて考えさせられました。

 

森林保護育成福井

 

 

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