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雪上の女王(黄脚長蜂)

平成26年12月11日(木)天気雨のアイコン画像

 

 

比較的暖かな初冬でしたが、急な冬将軍の来訪に週末は結構な積雪となりました。

開けて今週、好天が続きましたが、センター構内の雪は溶けずに残っています。

 

写真1

(冬将軍置き土産の雪)

 

見るとは無しに視線を雪上に滑らせていると、じわりと動く小さなものに目が留まりました。

なんとハチです。

 

写真2

(キアシナガバチ:体長約25mm。本州以南に普通に見られる種類です)

 

秋、複数のオス、メス(新女王)が育った巣を旅立ちます。交尾後に新女王は単独で朽ち木などに潜り込んで越冬して、翌春に活動を始めます(雄は交尾後に死亡。なんだか哀しい)。

 

雪上でお会いした女王様は、冬越しに良い場所が見つからぬまま寒波に遭い、好天で暖かくなった今日、越冬場所を探しに飛翔したものが雪上に着地。低温で動けなくなったもののようです。

 

女王蜂というと、多くの働き蜂に全ての仕事を任せ、自らは産卵だけに専念する。というイメージがありますが、それは成功者の一部。

春、女王は最初に産み育てた子供が、色々な任務がこなせる一人前の働き蜂になって、ようやく産卵に専念できるようになります。ここに至るまでには、たった一人(一頭)で巣作り、餌の採取、育児、外敵との攻防や雨風への対応など、全ての仕事をこなさねばなりません。途中で落命なさる女王様方も相当いらっしゃることでしょう。

 

厳しい冬ですが、女王にとっては一家隆盛を賭す戦いを前にした、唯一の安息期間かも知れません。

 

 

***森林保護育成福井***

 

 

 

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