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雨中の散歩者・・・サワガニ

平成26年8月27日(水)天気くもりのアイコン画像

 

 

「研究棟の玄関先にこんなものがいましたけど」

資源環境科の帶刀科長に連れて来られたのはサワガニ。川の上流部に生息するカニです。

 

少々高台に位置する当センターは、水場というものが無く、水生生物でお目にかかるものといえば

カエル(アマガエルかアオガエル)くらいのものです。

連日の雨で行動範囲が広がり、付近の川から移動してきたと思いますが、それにしてもずいぶんと

遠方まで来たものです。

 

カニの仲間は、卵から孵化した後にゾエア、メガロパといわれる幼生時代を「動物プランクトン」

として過ごした後、稚ガニ、成体になります。幼生時代はおよそ成体とは似つかぬ姿をしています。

多くのカニは、この幼生時代は海を生活の場としているため、海中産の種はもちろん、陸上生活する

アカテガニなども、親カニは海に出向いて卵を放ちます。

広い海に、放たれた卵が無事に成長する確率は恐ろしく低いので、小さな卵を多数放ちます(種類に

よっては万単位の数)。

 

しかし、上流域に生息するサワガニは、海に下ることは無く、腹部に卵を抱えたまま、卵の中で稚ガニ

にまで成長してから外界に出るという生活を送ります。そのため他のカニと比べると、サワガニの卵産

数は数十個と少なく、格段に大きなサイズをしています。

外界へ出た直後の稚ガニは弱いため、10日くらい母ガニの懐に抱かれ、体がしっかりしてから、新たな

生活の場を求めて散らばってゆくのだそうです。

 

8月に入ってこの方、一日中晴れた日は五指に満たないでしょう。気の塞ぐ日々ですが、中には「これ幸い」

とする生き物もおります。

 

サワガニの写真

甲長2.5cm余りの成体。10年くらい生きる個体もあるそうです。

 

 

***森林保護育成科ふくい***

 

 

 

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