スズメバチの巣エンジェル係数は高め?
令和6年12月6日(金)
先月上旬、このコラムで紹介したスズメバチの巣は、施設管理作業での樹木剪定の際、森林保護育成科の舟木科長によって
撤去(採取)されました。
開けてはいませんが、中には幼虫を育てる部屋が集まった巣板(そうばん)が数枚連なって入っていると思われます。
幼虫がいる大切な巣板は、目にしている外皮で覆われています。外皮は不規則な、けれども表現しがたい美しい模様があります。
巣は成虫が草の茎や、枯れ木などをかじり取って持ち帰り、唾液と混ぜたものをつなぎ合わせて作っています。巣の模様は持ち帰る
材料の 種類・色によってできあがります。
巣の外皮を触ると、もろく崩れている箇所があります。子育て期間の春から秋、茂っていた周辺の葉がなくなり、直接風雨にさらされる
ことで、早くも劣化が始まっています。
漢文学者の白川静さんの著書によれば、巣という漢字は、木の上にある鳥の巣で三羽のヒナがいる状況を表現した象形文字とのこと。
鳥も含め多くの動物にとって、巣というものは基本的には子育て期間だけ使えれば良いので、そんなに立派な作りにはしません。
巣に労働投資するよりも次世代をしっかり残すため子育てへの投資が優先されます。計算したことはありませんがエンジェル係数は高そうです。
さて現代の我々はどうでしょう。
大きさは長さ 30 cm、幅 18 cm弱。 マーブル柄のような、貝殻を張り付けたような、美しいデコレーションです。
外皮に設けられた出入口。外敵防止等のセキュリティ上、一つの巣に1か所、まれに複数作られることもあります。
今回の写真に写る指はいつもの私のではなく、企画振興スタッフ、渡部さんの美しい指です。
福井
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