知事表彰・懇談・ランチミーティングの様子
写真左:赤名治美さん、右:原勉さん
写真左:佐伯俊之さん、右:佐々木英夫さん
写真左:篠原憲さん、右:高梨好隆さん
写真左:歓談の様子、右:ランチミーティングの様子
受賞者の活動概要紹介
「農事組合法人ギバムたわら」代表赤名治美さん(安来市)
標高300m級の条件不利な中山間地域において、地域ぐるみで農地の保全と地域活性化に取り組む機運が高まり、平成15年3月に農事組合法人ギバムたわらは結成されました。
産品の販売については、地域内の関連会社である(株)アグリ企画と一体となって、様々な商品企画のもとに多角的に展開されています。
地域資源の有効活用や農作業受託の推進による耕作放棄地の発生防止の取組などは、地元だけでなく、他地域へ大きな影響を及ぼしています。
【ブランド米「こりゃう米」による地域活性化】
地元農家の良質米をブランド化し、ブランド名を「こりゃう米」として、平成20年9月に商標登録もされました。市内のスーパーや学校給食センター等で販売されています。
【女性雇用を活用した野菜と山菜等の販売】
水稲育苗ハウスを有効利用してナス等を栽培、地元醤油屋に販売しています。また、JA支所跡施設を活用して山菜を加工、地元温泉施設等にも販売しています。
【地元産の味噌及び乾燥椎茸のギフトセット販売等】
地元産の"こだわり"を全面に打ち出し、ギフトセットを設定し、単品のみならずパッケージ商品としての販売にも挑戦されています。
【農作業受託の推進による耕作放棄地の発生防止】
旧広瀬町を対象に水稲の育苗・耕耘・田植・収穫等の農作業を受託し、耕作放棄地の防止に努められています。
写真左:赤名代表と「こりゃう米」、右:(農)ギバムたわらのメンバー
写真左:集落での打合せの様子、右:ギフトセット
写真:作業受託の様子
出雲市わかめ養殖研究会代表原勉さん(出雲市)
山陰特産品である板ワカメの原料を供給するワカメ養殖の技術研究や養殖業者間の親睦などを目的として、平成18年12月に、出雲市わかめ養殖研究会は、出雲市内2地区のワカメ養殖業者を会員として結成されました。
会では、代表者である原勉氏を中心に、豊富な知識と経験を活かし、ワカメ養殖の技術改善および新たな養殖に取組んでおられます。
また、地区内外の新規着業者の受け入れや技術指導にも積極的に取り組んでおられます。
【ワカメ養殖の合理化・省力化】
地域内に2ヶ所あったわかめの採苗施設を1ヶ所に集約化し、作業の合理化を実現されました。さらに、採苗作業や種糸管理の省力化が期待される『フリー配偶体技術』を県内で初めて導入し、従来の方法と遜色ないワカメの収穫を実現されました。
【『フリー配偶体技術』の活用】
ワカメ養殖で用いている『フリー配偶体技術』を活用し、地元で珍重される海藻『ハバノリ』の試験養殖および加工品の試作に県内で初めて成功されました。
【担い手の育成】
地区内外の新規着業者等からの視察受け入れや技術指導にも積極的に取り組み、地域におけるワカメ養殖の指導者的役割を担っています。
写真左:原代表、右:出雲市わかめ養殖研究会のメンバー
写真左:ワカメ配偶体の管理作業の様子、右:フリー配偶体技術により養殖されたワカメ
写真左:ハバノリ試験養殖の様子、右:新規就業者に指導している様子
佐伯俊之さん(仁多郡奥出雲町)
佐伯さんが代表理事専務を務める仁多郡森林組合は、「伐って、使って、植えて、育てる」と言った循環型林業に積極的に取り組み、伐採後の再造林を推進しています。
また、木材利用の一環として、平成20年度に、持続可能な林業経営と森林の多面的機能の発揮、木材の定時定量生産と安定供給、森林所有者への木材代の還元を目的とした「斐伊川流域森林組合納材協議会」を、同組合が中心となって設立し、合板工場へ地域材を安定供給しています。そのほか、地域材の生産から流通・加工体制の円滑化を目指した「奥出雲材利用促進協議会」の設立にも貢献し、町の公共建築物用として、安定的に地域材の供給を行っています。
佐伯さんは、これらの取り組みに関して強いリーダーシップを発揮し、川上・川下間の関係を良好にするためコミュニケーションづくりに努力するとともに、その地域に沿った継続的な資源利用システムの構築を図っています。
【循環型林業の取り組み】
仁多郡森林組合は、近年、造林・保育型から主伐を主体とした林産型へ転換をしつつあります。伐採に当たっては、機械化や路網整備により伐採コストの低減を図り、森林所有者に2,500円/m3~3,000円/m3の木材代を還元しています。これにより、森林所有者から伐採の依頼が多数寄せられるようになりました。
また、森林所有者に対し伐採の見積りに併せて、伐採後の再造林にかかる経費の見積りも提示することにより、森林所有者の負担感の軽減に努めて、再造林を進めています。
【斐伊川流域森林組合納材協議会】
平成20年度に斐伊川流域の6森林組合が「斐伊川流域森林組合納材協議会」を立ち上げ、合板工場に安定的に木材の供給を行っています。同組合は、立ち上げからあらゆる面で中心的な役割を果たしており、事務局を担っているほか全体量の約7割を納入しています。また、この合板工場や町の公共施設への地域材の安定供給により、同組合の素材生産量は平成19年度の5千m3弱から平成22年度には1万6千m3強と、3年間で3倍以上に伸びています。
【奥出雲材利用促進協議会】
平成19年度、同組合は、奥出雲町内の製材業者とともに「奥出雲材」のブランド化を図ることを目的に、奥出雲材利用促進協議会を立ち上げ、事務局を担っています。同協議会は、乾燥機の導入を目標とした調査や視察、亀嵩小学校など町の公共建築物への木材の納入を行っています。また、平成22年度から建築に関わる工務店等も会員に加え、奥出雲材の「地産地消」を進めるための検討も行っています。
写真左:佐伯さん、右:伐採現場の様子
写真:積込作業の様子
佐々木英夫さん(江津市)
佐々木さんは、平成22年4月にオープンした道の駅「サンピコごうつ」の駅長に就任し、農産物直売所「三彦市」の体制作りに尽力されました。また、この直売所を窓口にした地元食材を学校給食に供給する体制作りにも尽力されています。
このほか、地元の集落営農組合(現在法人化済み)の中心的役員を務め、集落営農の実践、伝統芸能(神楽、花田植え)の保存や地元芸能(地芝居、チンドン屋)の育成にも取り組まれています。さらに、江津市全域をカバーする第三セクターの常務取締役として、地域農業の維持、発展に取り組まれるとともに、島根県集落営農アドバイザーとして県下の集落営農組織の育成にも尽力されています。
【地域農業支援組織での取組】
平成11年に江津市、いわみ中央農業協同組合、江津市森林組及び佐々木さん等が出資して設立された第三セクター有限会社ふるさと支援センターめぐみに参画されました。水稲の育苗や乾燥調整施設等の運営、作業受託を中心に黒字経営の維持に貢献され、江津市の農林業の振興を進められています。
【地域交流・地産地消での取組】
道の駅「サンピコごうつ」の運営管理を江津市及び国土交通省から有限会社ふるさと支援センターめぐみが受託したことに伴い、佐々木さんは駅長に就任し、道の駅に開設された農産物等直売所「三彦市」の体制づくりに尽力されました。また、平成23年9月の学校給食センター稼働に併せて、同直売所を窓口とした地元食材の供給体制の構築にも尽力されました。
【集落営農組織での取組】
佐々木さんは、集落の担い手が減少し高齢化する中で、平成8年に休眠状態にあった川平みどり農業振興組合の復活に携わり、平成18年に法人化する際の発起人としてその法人設立に尽力されました。
農事組合法人「川平みどり」では事務局(会計)として法人運営に携わり、作業料金や賃金等を体系化し、女性グループによる野菜、加工品販売を実現されました。
【地域芸能、集落活性化の取組】
地芝居「どんぐり座」を主催する傍ら、住民によるチンドン屋を結成して集落や各地のイベントで活躍されています。また、川平神楽、花田植えなどの保存・育成にも取り組んでおられます。
【県集落営農アドバイザーとしての取組】
限界集落から源快集落へをモットーに、各地で講演をされています。
写真左:佐々木さん、右:道の駅サンピコごうつ
写真左:(農)川平みどりのメンバー、右:チンドン屋の様子
島根県素材流通協同組合理事長篠原憲さん(益田市)
島根県素材流通協同組合は、平成17年8月に設立された島根県西部合板工場納材協議会を前身とし、平成21年4月に設立されました。
設立当初、14組合員であった同組合は、現在21組合員(素材生産業14、森林組合5、原木市場2)及び1賛助会員の計22業者で構成されています。
木材生産業者の結集により、一定量の木材供給能力を確保することで、個別の事業体では不可能な大口需要先からの受注を可能にし、立場の弱い木材生産業者の交渉力向上につながっています。
島根合板株式会社の合板工場への納材や中国電力株式会社三隅発電所の混焼事業への木質バイオマスチップ供給を行っており、島根県の木材産業に非常に重要な役割を発揮するとともに、地域経済に大きく貢献しています。
木材供給のコーディネートを行う本組合は、木材生産団地化推進プロジェクトの推進に大きく寄与するとともに、各組合員は各地域のプロジェクトに参画し、団地化、木材生産に積極的に取り組んでいます。
【合板用原木の供給】
島根県最大の木材需要先である島根合板株式会社の浜田針葉樹工場への原木供給は、納材協議会当時からの累計で、216千m3(平成22年度末現在)に達しています。
【木質バイオマスチップの供給】
中国電力株式会社三隅火力発電所で取り組まれている「林地残材バイオマス混焼発電事業」に対して、平成23年2月から木質バイオマスチップの供給を行っています。供給量の組合員間の割当・調整をはじめとして、中国電力との意見交換会、チップの品質向上のための研修会の開催等を行い、この事業の円滑な実施に貢献しています。
写真左:篠原理事長、右:島根県素材流通協同組合設立総会
写真左:打合会の様子、右:合板用原木
写真左:林地残材、右:三隅火電に供給されるチップ
高梨好隆さん(隠岐郡隠岐の島町)
高梨さんは認定農業者、エコファーマーとして、水稲、施設野菜を中心に経営されており、地域農業の中心的な担い手となっています。
隠岐農産物生産者協議会の会長として隠岐地域における地産地消の推進に積極的に取り組み、また、隠岐農業士会の会長も努め、自らの農業経営のみならずUIターン者の研修受け入れなど後継者の育成にも尽力されています。
【隠岐の地産地消の推進】
隠岐の島町で野菜、果樹などを生産・販売する農家で組織される隠岐農産物生産者協議会(会員94名)の会長として生産拡大及び隠岐地域における地産地消の推進について積極的に取り組んでいます。
また、昨年10月にオープンした隠岐ふるさと直売所「あんき市」運営協議会の副会長として、新たな販売拠点の確立に向け取り組んでいます。
【将来を見据えた農業経営の実施】
認定農業者として、水稲、施設野菜を中心に経営されており、地域の中心的な担い手農業者となっています。現在の経営面積は水稲約7ヘクタール、施設野菜及び露地野菜等が約1へクタールで、水稲では「藻塩米」を、施設野菜ではメロンを、露地野菜では「あすっこ」など、数年後を見据えた新たな栽培方法や作目にも積極的に取り組まれています。
【エコファーマー、エコ農産物の取組】
平成21年からエコファーマーの認定を受け、減農薬、減化学肥料栽培に取組まれています。水稲、メロンなどでは島根県エコロジー農産物推奨制度(エコ農産物)にも取組み、安全・安心な農産物を提供されています。
【後継者の育成】
隠岐島農業士会(会員8名)の会長を努め、地域の農業者のリーダーとなっています。また、自らの農業経営のみならずUIターン者の研修受け入れ、新規就農者への技術指導など後継者の育成にも大きな役割を果たされています。
写真左:高梨さん、右:隠岐ふるさと直売所「あんき市」にて
お問い合わせ先
農林水産総務課
島根県農林水産部農林水産総務課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 TEL:0852-22-5393 FAX:0852-22-5967 E-mail:nourin-somu@pref.shimane.lg.jp