2022(R4)年 年報
1.2022(令和4)年感染症発生状況の解析と評価 |発生状況結核表1.全国表2.月別表3.医療圏域別表4.過去
1.2022(令和4)年感染症発生状況の解析と評価
1)全数把握疾患の発生状況:表1〜3
〇2022年COVID19報告数推移
(1)新型インフルエンザ等感染症
 2020(R2)年2月1日に指定感染症に指定された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2021(R3)年2月13日から新型インフルエンザ等感染症に類型変更された。2022年は、全国でおよそ2,700万人あまりの感染者が確認され、島根県では136,686人の報告があった。
(2)一類感染症
 全国でも報告がなかった。
(3)二類感染症
 二類感染症は全国でも報告があったのは結核のみであり、全国で14,798件、島根県で85件の報告があった。結核の報告数は全数把握対象疾患(新型コロナウイルス感染症を除く)のうち最多である。
(4)三類感染症
 全国では、コレラ1件、細菌性赤痢16件、腸管出血性大腸菌感染症3,370件、腸チフス16件及びパラチフス10件の報告があった。
 島根県では、腸管出血性大腸菌感染症の報告が20件あった。2016年以降は報告件数が減少し10件前後で推移しているが、2022年はやや多い発生となった。血清型別では、O157が多い。
血清型毒素型1月2月3月4月5月 6月7月8月9月10月11月 12月
O111:H-VT1VT2            11
O157:H-VT1VT21       1(1)  2(1) 4(2)
O157:H7VT2      5(4) 2 11 9(4)
VT1VT2      1(1)   13 5(1)
O26VT1      1      1
合計1     7(5)3(1)  26(1)120(7)
( )内は、無症状病原体保有者の再掲です。
(5)四類感染症
 四類感染症は、全国ではレジオネラ症(2,143件)、つつが虫病(492件)、日本紅斑熱(457件)、E型肝炎(435件)の報告数が多かった。
 ダニ媒介感染症には地域差が見られ、SFTSは九州、中国・四国地方に多く、日本紅斑熱は関東以西、つつが虫病は東北地方も含んで発生している。
 島根県での4類感染症の発生状況は、日本紅斑熱42件、レジオネラ症12件、SFTS7件、つつが虫病2件の報告があった。ダニ媒介感染症の日本紅斑熱が過去最多の報告数であった。
(6)五類感染症
 全国では梅毒の報告数が13,221件あり、報告数の増加が続いている。一方で性的接触による感染が多い後天性免疫不全症候群(893件)、アメーバ赤痢(533件)は減少している。
 島根県での5類感染症の発生状況では、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症が29件で最も多かった。その外、 梅毒28件、侵襲性肺炎球菌感染症9件、クロイツフェルト・ヤコブ病7件、アメーバ赤痢3件、後天性免疫不全症候群3件、急性脳炎2件、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2件、水痘(入院例)2件、百日咳2件、ウイルス性肝炎1件、破傷風1件、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1件、侵襲性インフルエンザ菌感染症1件、播種性クリプトコックス症1件、の報告があった。
(7)動物の感染症
 島根県では報告がなかったが、全国では鳥インフルエンザの鳥類が47件、細菌性赤痢のサルが1件、エキノコックス症の犬が1件報告された。