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2002(H14)年 <  2003(H15)年 年報  > 2004(H16)年
目次I.概要II-1.発生状況の解析と評価II-2.定点把握疾患発生状況III.検査情報
インフルエンザ定点小児科定点眼科定点基幹病院定点月報
感染症情報 |1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
島根県感染症情報(月報) 7月(6/30〜8/3)
1.県内感染症情報
1)全数報告感染症(1〜4類感染症)
 腸管出血性大腸菌感染症が4件(松江圏域3件、出雲圏域1件)、オウム病 が1件(出雲圏域)、日本紅斑熱が1件(出雲圏域)報告されています。

2)インフルエンザおよび小児科定点報告 ( )内は月の定点当たり報告数
○手足口病(29)。各地で大流行となりました。初旬がピークで、以後漸減していますが、隠岐圏域では下 旬に多くなっています。大田圏域(64)と雲南圏域(48)で特に多く患者がみられました。
○ヘルパンギーナ(20)。各地で大流行となり、西部を除いてピークを越えました。浜田圏域(39)のみが手足口病 の流行より大きく流行しました。全国的には、手足口病よりヘルパンギーナの流行が大きいようです。
○咽頭結膜熱(0.4)。出雲圏域(1)でやや多かったです。全国ではここ10年で最大の流行となっていますが、 本県では5月に大田圏域で一時的に流行したのみでした。
○感染性胃腸炎(7)。大田圏域(26)で多く、浜田圏域(8)で増加しましたが、県全体では漸減しています。 ○水痘(4)。例年より幾分多く、例年通り最小発生月の9月に向け漸減しています。

手足口病報告推移グラフ ヘルパンギーナ報告推移グラフ

3)眼科定点報告
 流行性角結膜炎が浜田圏域から3例の報告があります。

4)性感染症報告
 性感染症の多い状態が持続しています。その中でも性器クラミジア感染症が14件、淋菌感染症は7件と多く、 罹患年齢は20歳代を中心に10〜40歳代に分布しています。

5)基幹病院報告
○細菌性髄膜炎:松江圏域から乳児と5歳未満児の報告がありました。
○無菌性髄膜炎:松江圏域から10歳未満児の1件が報告されています。本年は計5件となりました。
○マイコプラズマ肺炎:松江圏域と出雲圏域から5歳未満2件と15歳未満2件の報告がありました。
○メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:(66件)。2001年4月の65件を越え月間最多の報告でした。昨年秋以降 漸増しています。
○ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:(11件)。本年最小の報告でした。そのうち9件が10歳未満の患者でした。 (72件)の79%増となっています。
2.病原体検出情報(7月までの検出結果)
 ヘルパンギーナからはコクサッキーA10型が原因ウイルスとして分離されています。また、比較的大きな流 行となっている手足口病からはエンテロウイルス71型が分離されています。このウイルスは無菌性髄膜炎を併 発しますので十分な注意が必要でしょう。
感染性胃腸炎は7月に入ってもアストロウイルスが検出されています。細菌では病原性大腸菌が7例、最近発生 の少なかった食中毒の原因菌ともなるキャンピロバクターが分離されています。

2002年4月 から 2002年6月まで の診断名別病原体検出数:島根県(保環研感染症疫学科)
病原体名アデノ腸管アデノコクサッキーAコクサッキーBエコーA群ロタSRSVインフルエンザ病原性大腸菌サルモネラ合計
1235641641318Aソ連A香港EPEC
無菌性髄膜炎       1 6        7
手足口病       33 1        34
咽頭結膜熱 15      31       10
感染性胃腸炎 1 1 1 3   373   1148
ヘルパンギーナ 1    10 1         12
咽頭炎23332 1 491   91  38
インフルエンザ  2 1    1    416  24
島根県感染症情報センター