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無菌性髄膜炎
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ウイルスに感染して起こる無菌性髄膜炎

 比較的季節性はありませんが、エンテロウイルスの場合は夏期に集中して流行がみられ、ムンプスウイルス を原因とする時は春に多く見られます。発症は10歳未満の乳幼児、学童に多く、性別では 男児に多いです。
  
病原体
 多種類の病原体が関わっていますが、エンテロウイルス(エコー6、9、18、30、 コクサッキーA群、B群、エンテロウイルス71等)、ムンプスウイルスが多く、他にマイコプラズマ、 肺炎クラミジアが病原となります。
感染経路
 感染者の咽頭分泌物、鼻汁、糞便の飛沫、経口感染によります。
潜伏期
 原因ウイルスによって異なりますが、エンテロウイルスの場合は4〜6日、ムンプスウイルスの場合は14〜16日です。
 咽頭炎で始まることが多く、発熱、頭痛、嘔吐が主な症状で全身倦怠、腹痛、下痢を伴うことがあります。 痙攣は少なく、乳児では不機嫌、髄膜刺激症状がみられます。臨床症状は2週間以内に軽快し、脳炎などを伴 なわなければ予後は比較的良好です。
 髄液では単核球増多、蛋白は軽度増加し、糖は減少しません。
エコーウイルスによる場合、乳児期には発疹症・咽頭炎で経過することが多いですが、幼児、学童期の小児の感染では髄膜炎に移行する頻度が高くなっています。
検査室診断
 髄液中の細胞数と、種類、蛋白、糖、頭蓋内圧等の検査、CRP、血液一般検査など。本症は基本的に症候群ですので、咽頭、便、髄液 からのウイルス分離、および血中の抗体上昇により確定診断をします。
治療と予防
 細菌性髄膜炎との鑑別診断により治療方針を決定します。ウイルス性では脱水に対する補液と対症療法が中心となります。
 発症後,数週間は便中にウイルスが排泄され感染源となることから、排泄物の適切な処理と手洗いを行い、吐物は家庭用漂白剤により消毒をします。
感染症法での取扱い
 定点把握の5類感染症として指定されていて、基幹病院定点から患者数が報告されています。
無菌性髄膜炎

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島根県感染症情報センター