1.県内感染症情報(8月:第32週から第35週)
1)全数報告感染症(1〜5類感染症)
結核が3件(出雲圏域2件、益田圏域1件)、腸管出血性大腸菌感染症が2件(松江圏域1
件、出雲圏域1件)、日本紅斑熱が11件(松江圏域2件、雲南圏域1件、出雲圏域3件、
大田圏域1件、浜田圏域1件、益田圏域3件)、レジオネラ症が3件(松江圏域1件、浜田圏域1件、益田圏域1件)、梅
毒が2件(大田圏域1件、浜田圏域1件)、侵襲性肺炎球菌感染症が2件(雲南圏域1件、益田圏域1件)、百日咳が69
件(松江圏域17件、雲南圏域19件、出雲圏域8件、大田圏域15件、浜田圏域6件、益田圏域4件)報告されています。
*週報報告医療機関からの報告患者数(4週換算) :
2)インフルエンザおよび小児科定点報告( )内は月の定点当たり報告数(4週換算) [ ]は週当り定点当り報告数
※ 2025年4月7日から現在の感染症発生動向調査に加えて急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランスが始まりました。
〇急性呼吸器感染症
:(202.3)。報告実数を年齢別で見ると8月の4週間は就学前の乳幼児が全体の64%を占め、4
(ARI)
月のサーベイランス開始以降、依然として高い割合で推移しています。この罹患年齢層は成
人に比べ免疫系の未発達、集団生活での子供同士の接触が増え感染のリスクが高まることが
原因と考えられます。飛沫感染対策としての換気や手洗い・手指消毒、そしてマスクの着用
を含めた咳エチケット等、基本的な感染対策を行い予防に努めましょう。
〇新型コロナ感染症
:(30.8)。6月下旬に定点あたりの報告数が0.3人となり、5類への移行後、最小値となって
(COVID-19)
いましたが、7月には9.0人に急上昇し、更に8月には30.8人へ増加し、7月の3.4倍となりま
した。更なる感染拡大が懸念されます。罹患年齢層は20歳以上の成人が全体の74%を占め、
そのほとんどが極めて軽症ですが引き続き社会全体で感染拡大防止に努めるべきでしょう。
〇伝染性紅斑
:(12.2)。2019/2020シーズン以来の大流行となっていて、今後も注視する必要があります。
妊娠中(特に妊娠初期)に感染した場合、まれに胎児の異常や流産が生じることがあります。
保育園や学校など周囲で患者発生がみられる場合、妊娠中あるいは妊娠の可能性がある女性
はできるだけ患者との接触を避けるよう注意が必要です。
〇ヘルパンギーナ
:(1.3)。8月は、2023年以来の大流行となった6月の13%まで減少し、今シーズンの流行の
ピークは過ぎたのではないかと考えられます。報告実数を年齢別で見ると8月の4週間は就学
前の乳幼児が全体の100%を占めました。特に3歳未満が全体の57%を占め、保育所等での感
染拡大によると考えられます。口内炎の痛みによる経口摂取不良、脱水症状には要注意です。
食事は柔らかく喉越しの良いものが良いでしょう。水分補給も大切です。
3)眼科定点報告
流行性角結膜炎の報告が2件あります。急性出血性結膜炎の報告はありませんでした。
4)性感染症報告
性器クラミジア感染症が3件、性器ヘルペスウイルス感染症が0件、尖圭コンジローマが0件および淋菌感染症
が1件の患者発生報告があります。
5)基幹病院報告
〇細菌性髄膜炎
:0件。〇無菌性髄膜炎:1件。〇マイコプラズマ肺炎:17件。
〇クラミジア肺炎
:0件。〇感染性胃腸炎(ロタ):0件。
〇メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
:17件。地区別では東部0件、中部5件(29%)、西部12件(71%)、隠岐0件
年代別では70歳以上が9件(53%)を占めています。
〇ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
:0件。〇薬剤耐性緑膿菌感染症:0件。
2.過去5年間の発生推移(2020年8月〜2025年8月:月4週で換算)