1.県内感染症情報(5月:第18週から第22週)
1)全数報告感染症(1〜5類感染症)
結核が10件(松江圏域1件、出雲圏域6件、浜田圏域2件、益田圏域1件)、細菌性赤
痢が1件(松江圏域)、つつが虫病が2件(雲南圏域1件、出雲圏域1件)、日本紅斑熱が12
件(松江圏域2件、雲南圏域1件、出雲圏域1件、浜田圏域4件、益田圏域4件)、レジオネラ症が1件(浜田圏域)、重症
熱性血小板減少症候群が2件(松江圏域1件、益田圏域1件)、アメーバ赤痢が1件(大田圏域)、劇症型溶血性レンサ
球菌感染症が3件(松江圏域2件、益田圏域1件)、梅毒が1件(出雲圏域)、侵襲性肺炎球菌感染症が4件(松江圏域
1件、出雲圏域2件、益田圏域1件)、カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症が1件(松江圏域)、百日咳が90件
(松江圏域32件、雲南圏域41件、出雲圏域6件、大田圏域8件、浜田圏域2件、益田圏域1件)報告されています。
*週報報告医療機関からの報告患者数(4週換算) :
2)インフルエンザおよび小児科定点報告( )内は月の定点当たり報告数(4週換算) [ ]は週当り定点当り報告数
※ 2025年4月7日から現在の感染症発生動向調査に加えて急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランスが始まりました。
〇急性呼吸器感染症
:(233.0)。報告実数を年齢別で見ると、5月は就学前の乳幼児が全体の48%を占め、4
(ARI)
月と比較して半数に減少したものの注目すべき状況です。この罹患年齢層は成人に比べ
免疫系の未発達、集団生活での子供同士の接触が増え感染のリスクが高まることが原因
と考えられます。様々な感染経路がありますが、飛沫感染対策として換気や手洗い・手
指消毒、そしてマスクの着用を含めた咳エチケット等、基本的な感染対策を行い予防に
努めましょう。
〇新型コロナ感染症
:(2.4)。5月の定点当たりの報告数は2.4で4月の43%、3月の15%まで減少し、収束す
(COVID-19)
る可能性が高くなりました。罹患年齢層は20代の若年成人が全体の72%を占め、そのほ
とんどが極めて軽症ですが、引き続き社会全体で感染拡大防止に努めるべきでしょう。
〇伝染性紅斑
:(8.5)。5月の定点当たりの報告数は8.5で、2019/2020シーズン以来の大流行となり、
ピークを迎えた3月と比較すると更に1.5倍に増加しました。今後も注視する必要があり
ます。妊娠中(特に妊娠初期)に感染した場合、まれに胎児の異常や流産が生じることが
あります。保育園や学校など周囲で患者発生がみられる場合、妊娠中あるいは妊娠の可
能性がある女性はできるだけ患者との接触を避けるよう注意が必要です。
〇RSウイルス感染症
:(0.8)。5月の定点当たりの報告数は0.8で、4月の25%まで減少しました。しかし、C
OVID-19後は夏前の流行にシフトした感があり、今シーズンも今後の動向には要注意です。
3)眼科定点報告
急性出血性結膜炎及び流行性角結膜炎の報告はありませんでした。
4)性感染症報告
性器クラミジア感染症が2件、性器ヘルペスウイルス感染症が0件、尖圭コンジローマが0件および淋菌感染症
が1件の患者発生報告があります。
5)基幹病院報告
〇細菌性髄膜炎
:3件。〇無菌性髄膜炎:0件。〇マイコプラズマ肺炎:16件。
〇クラミジア肺炎
:0件。〇感染性胃腸炎(ロタ):18件。
〇メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
:2件。地区別では東部0件、中部2件(110%)、西部3件(141%)、隠岐1件(47%)
年代別では70歳以上が2件(76%)を占めています。
〇ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
:0件。〇薬剤耐性緑膿菌感染症:0件。
2.過去5年間の発生推移(2020年5月〜2025年5月:月4週で換算)