保環研 |動向調査トップカレンダー9月_月報グラフ一覧(最新)
島根県感染症情報(月報) 2003年9月(9/1〜9/28)
県内情報
週報の月集計データSTD・基幹定点月報全数報告疾患(全国)
1.県内感染症情報
1)全数報告感染症(1〜4類感染症)
 日本紅斑熱が1件(出雲圏域)、破傷風が1件(出雲圏域)、バンコマイシン耐性 腸球菌感染症が1件(雲南圏域)報告されています。
2)インフルエンザおよび小児科定点報告
○感染性胃腸炎 (7)。例年とおり、最小時期にあります。大田圏域(20)、雲南圏域(15)でやや多いです。
○手足口病 (5)。浜田圏域(12)と出雲圏域(9)で尾を引いていましたが、月末にはごく散発になりました。
○ヘルパンギーナ (1.3)。ほぼ消退しました。松江圏域で、若干尾を引きました。
○水痘 (2.3)。本年の月間最小発生数となりました。益田圏域(6)で小流行がみられます。
○A群溶連菌咽頭炎 (0.7)。県東部で少し発生しています。鳥取県では流行が続いています。
○咽頭結膜熱 (0.7)。益田圏域(2)と隠岐圏域(2)でやや多かったです。鳥取県では夏期以上の発生がみら れています。
発生推移グラフ
グラフ凡例
手足口病報告推移グラフ ヘルパンギーナ報告推移グラフ
3)眼科定点報告
 流行性角結膜炎の発生が東・中・西部とも高いレベルで続いています。罹患年齢は20歳以上を中心に、多く は10歳以上となっています。
4)性感染症報告
 性感染症の中でも性器クラミジア感染症、淋菌感染症の発生は昨年を大きく上回る状態が続いています。罹 患年齢は淋菌感染症は20歳代から40歳代、クラミジア感染症はやや低い年齢の20歳代を中心に分布しています。
5)基幹病院報告
○無菌性髄膜炎 :(3件)。松江圏域と出雲圏域で、乳児〜10歳未満児の報告がありました。
○マイコプラズマ肺炎 :(1件)。昨年は同時期に51件の報告がありましたが、本年は計7件と少なくなっていま す。全国的には、ここ5年で最大の流行となっており、岡山県で多発しています。晩秋から冬 が多発期にあたりますので、注意しましょう。
○メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症 :(54件)。3月以降49件以上の報告が続いています。西部からの報告が61 %を占め、また70歳以上が70%を占めています。
○ペニシリン耐性肺炎球菌感染症 :(11件)。7月と同数で本年で最小でした。各地区同様に発生しています。 今月は10歳未満の件数が本年最小でした。
2.病原体検出情報(9月までの検出結果)
 ヘルパンギーナ、手足口病の減少に伴いコクサッキーA10型、エンテロウイルス71型の検出数は減少しました。10 月に入って無菌性髄膜炎から四国・瀬戸内で多く分離されているエコーウイルス30型が分離されるようになっ ています。来シーズンに向けて注意を要するウイルスと思われます。感染性胃腸炎は例年より早い9月下旬に NV(小型球形ウイルス)、A群ロタウイルスが検出されるようになっています。細菌では8月以降は病原性大腸菌 が少なくなってきていますが、カンピロバクターが6月以降連続して分離されています。また、県内病院検査室 情報としてサルモネラの検出が多いようです。
2003年7月 から 2003年9月まで の診断名別病原体検出数:島根県(保環研 感染症疫学科)
ウイルス名アデノコクサッキーAコクサッキーBエコーエンテロA群ロタNVアストロカンピロバクター病原性大腸菌合計
125661014134593071EPEC
感染性胃腸炎1    4 1111 111123826
ヘルパンギーナ    12811 2   1     34
手足口病     33111   29     38
咽頭結膜熱11 1 1 1           5
咽頭炎 3   6 9     2     20
熱性疾患 11  1 1   2       6