（問）人財育成の推進について
１．高校教育における社会や仕事の厳しさを体感させる取組の現状を伺う。
２．大人の学ぶ姿勢の高まりが、子供たちの教育を変えると考えるが、県民の学びの大切さについて、所見を伺う。

（答）教育長
１．高校教育における社会や仕事の厳しさを体感させる取組の現状についてお答えします。
県教育委員会で本年７月に策定した「第２期しまね教育ビジョン２１」では、「各種の体験活動を通して、社会に主体的に参画していくために必要な力や態度を育む」としています。
県内全ての高校において、平成２４年度から社会や仕事の実態に触れる取組を推進しております。
社会や仕事の厳しさの一端ではありますが、体感できる機会として、企業見学の際に経営者や採用担当者から仕事に対する心構えを教わる、インターンシップでは、現場の方に仕事を教わる中で、仕事に向き合う姿勢を肌で感じる、様々な職業人を学校に招く、職業意識啓発セミナーでは、人生の苦労話を聞くなどの取組を行っています。
また、企業や地域関係者との連携による課題研究や地域理解・地域活性化についての探究型、問題解決型の学習活動などを年間通じて行うことにより、地域や社会への視点を育み、社会人となるにあたっての意識の醸成に努めています。
今後、地域社会や企業との連携をさらに強め、体験的な活動を効果があがるよう計画的に行い、生徒が社会の実態を理解し、厳しい現実を前にしても、たくましく生きていける力を育むよう努めてまいります。

（答）知事
２．私への質問は、大人の学ぶ姿勢の高まりが、子どもたちの教育を変えると考えるが、県民の学びの大切さについて所見を聞くと、こういうことでございます。
議員は、この島根を元気にするために産業を興さなければいかん。そのために企業経営者が自らの経営をよくしていく努力をしなければいかん。しかし、やる気だけではだめだと、イチローさんの話を引きながら、何をやるか、何が自分の問題であるのかということをきっちりと認識したうえで、やっていかなければならない、ということを仰られた。
そういう意味で、経営者は常に学んでいかなければいかん。外の情報もいろいろ聞かなければいけない。その上で、経験もし、体験もし、先進事例も見て、工夫努力をしなければいかん。そういう文脈の中で、大人自身が学んでいく。これは県民全体の話をお聞きになっているんだろうと理解しましたが、県民の学びの大切さについての私の考えでございます。
非常に大きく申し上げまして、社会全体が大変動の時代にあるわけでございます。技術の進歩がかつてないような急速な勢いで進み、世界は小さくなっている。そして、そういうものの影響を受けて、日本の経済も個々の企業も工夫努力をしなければならない。そういう時代に入っているんだろうと思います。
そして、それは企業だけに限らず、我々一般県民もそういう時代を踏まえて勉強をする。いろんな情報を習得する。体験もする。それによって、そうした変化に対応できる体制を我々自身も築いていかなければいかん、と私も思います。
そういう意味で、大人が急激に変化する社会経済に対しまして、豊かで充実した社会生活を過ごしていくためには、生涯にわたりましていろんな場で、あるいはいろんなチャンネルを通じて、幅広く学んでいく。これが極めて大事なことだというふうに思います。
また、大人がそういうふうに活動することによって、子どもたちが親の姿を見る。それによりまして子どもたちも工夫努力をする。そういう影響を与えるわけでございます。
こういう社会は今までにはあまりなかった。近代以前は、変化が乏しいわけでございます。一つのことを小さいときに教えられますと、それで一生済むという時代でございましたけども、生涯の中で大きな変化が起こってくるわけでございますから、そういう時代に人々がそれぞれしなければなりませんけども、そういう面で、県でありますとか、大学でありますとか、民間の方々、あるいは各種団体の方々によりまして、いろんな分野で多様な学びの機会が人々に提供されていくということが大事なことでございます。図書館などもその一つの場でございます。
そういう意味で、子どもから大人まで積極的に一生を通じまして学びと経験を重ねていくということが、県民の方々それぞれが生き生きと生活し、そしてまた豊かな生活を送るのに大事なことだと考えておりまして、これに必要な対応は、いろんなご意見も聞きながら、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。以上であります。