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白石議員

(問)デートレイプドラッグについて

1.デートDVと併せて、デートレイプドラッグについても教育啓発を行うべきと思うが、所見を伺う。

2.幼児教育から始まる各段階での人権教育に、女性の人権問題がどのように取り上げられているか伺う。

(問)森のようちえんについて

3.「森のようちえん」についてどのような評価をしているか、所見を伺う。

4.自然の中で保育をする「森のようちえん」を幼・小・中・高を貫く教育魅力化の幼児期の柱として位置づけてほしいが、所見を伺う。

(問)県職員採用における障がい者区分について

5.知的障がい者、精神障がい者採用について、島根県では嘱託採用等の検討結果から、現時点でどのような業務が適していると考えているか伺う。

(問)会計年度任用職員について

6.(学校の)常勤講師の位置づけについてはどうなるのか伺う。

 

(答)教育監

1.私からは、4項目6点のご質問にお答えいたします。

 まず、デートレイプドラッグの教育啓発について、でございます。

 議員ご指摘のように、子供たちが巻き込まれるデートDVや性被害、デートレイプドラッグなど、薬物による事件は、深刻な社会問題となっております。

 県教育委員会も、こうした被害を未然に防ぐために、自らリスクを避けて行動できる力や、自己管理能力の育成を目指した指導の充実が必要だと考えております。

 いわゆる性に関する指導については、子供たちの発達段階に応じて、系統的な指導が行われております。

 例えば、平成29年度の島根県健康状況調査によりますと、性に関する指導の取組は、全校種の9割で実施されておりまして、デートDVをメインに取り上げる学校もございます。

 但し、デートレイプドラッグにつきましては、最近の事案で未だ人口に膾炙しない表現ということもございまして、学校がこれを十分に理解し指導しているとは言い難い、そういう状況と思われます。従いまして、今後の啓発が必要でございます。

 現在、県教育委員会は、健康福祉部や関係団体・専門家と連携いたしまして、高校生を対象とした「心と性の相談事業」を実施し指導しておりますが、これらを活用した学校には非常に好評でございまして、もっとこの事業を拡大してほしい、という要望が寄せられています。

 議員ご指摘のデートレイプドラッグなど現代的な諸課題については、今後、こうした連携事業の中でも積極的に取り上げ、子供たちが幅広い視野から、予想されるリスクを認識し、それらを回避できる力を備えるよう、啓発に努めていきたい、そう考えております。

 

2.幼児教育から始まる各段階での人権教育に、女性の人権問題がどのように取り上げられているか、ということについてでございます。

 性の違いが大きくない小学校低学年までは、議員の言葉にもございましたが、一人一人の違いを認め、お互いを大切にする力を養うという人権教育の基盤的な指導が中心となります。

 したがいまして、この段階で女性の人権問題を個別的に取り上げることはほとんどありませんが、性の発達が進む小学校高学年から中学校段階にかけて、家庭科や社会科等で、男女の固定的な役割意識の問題や、男女共同参画社会について取り上げ、女性の人権問題について具体的に学び始めます。

 特に中学校段階では、一般的に性に関する問題が起こり始める時期であることから、県発行のガイドブック等の資料を用いたデートDV等の指導を行う学校が増えます。

 さらに、成人を間近に控える高校段階になりますと、多くの学校が、専門家を講師に招いた講演会を実施し、望まぬ妊娠や性暴力等、女性の人権に係る問題の予防につながる指導を行っております。

 このような、女性の人権問題に関する発達段階に応じた指導が適切に行われるよう、県教育委員会としても、さまざまな機会をとらえて、学校現場に伝えてまいりたいと、そのように考えております。

 

3.3点目、「森のようちえん」についてのご質問にお答えします。

 「森のようちえん」は現在全国で202団体、島根県には5団体あると聞いております。

 県幼児教育センター指導主事が、この4月に津和野町左鐙の「うしのしっぽ」を訪問しました。指導主事からは、次のように報告を受けております。

 当日は、3歳から5歳児9名のクラスの保育を参観した。

 朝の会で、年長を中心とした幼児が話し合ってその日の行き先を決め、沢で蟹とりをしたり、たけのこを堀ったりしながら、話し合いで決めた放牧場まで散歩をし、そこで遊ぶなど、豊かな自然環境に存分に浸っていた。

 保育者は、子どもたちの思いを引き出したり、安全を確保したりしながら、子どもたちが自分で考えて行動できるように、チームとして子どもたちを支えておられた。

 活動のフィールドは広大で日々新たな発見があり、幼児教育の環境として興味深い。

 その中で、子どもたちが、自分で行動できる、あるいは、自分で行動しようとする姿が見られた。

 一部でございますが、そういう報告を受けております。

 「自発的・主体的に環境と関わりながら、直接的・具体的な体験を通して、生きる力の基礎が培われる時期」

 幼稚園教育要領解説では、幼児期をこのように位置付けています。例えばそうした観点からも、「森のようちえん」の取組というのは、幼児教育における有効な方法論の一つと考えられる。そのように評価できるのではないかと思います。

 

4.次に、自然の中で保育をする「森のようちえん」の教育の魅力化における位置づけについてでございます。

 県が進める「教育の魅力化」では、幼稚園・保育所、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校が校種を超えて連携し、それぞれの地域で子ども一人一人に最適な学びの環境を確実にバトンタッチしていくことが大切であると考えております。したがってこの「学びの連続性」の出発点である幼児期は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う大変重要な時期であると言えます。

 県では、この4月幼児教育センターを開設しました。この幼児教育センターでは、保育者の力量や園・所の教育力の向上を図り、島根県の幼児教育の質の向上を図ることを目指しています。

 具体的には、実際に園・所を訪問して、県内の幼児教育に関する知見を集約し、全ての幼児教育関係者の拠り所となるプログラム、そういった物の作成などに取り組みたいと考えております。

 その際には、自然の中で保育する「森のようちえん」の取組も、参考にさせて頂きたい。そのように考えております。

 

5.5点目、知的障がい者、精神障がい者に適している業務についてでございます。

 県教育委員会においては、身体、知的又は精神障がいのある方を非常勤嘱託職員として任用し、県の職場で働いた経験を生かして次の就労へつなぐ、「障がい者就業支援事業」を行っております。

 この事業は、平成26年度に特別支援学校3校で8名を任用してスタートし、今年度はすべての特別支援学校12校で23名を任用しております。

 さらに、6月からは出雲教育事務所においても2名の任用を開始したところでございます。

任用された嘱託職員はそれぞれの職場において、印刷物の製本作業、パンフレット等の袋詰め、パソコンによるデータ入力、校舎内外の環境整備、給食の準備・片付け等々の業務に従事しているところでございますが、同じ障がいの種別でも適した業務には個人差があるのが実態でございます。したがって、現時点においては、障がいの種別ごとの適した業務について、これまでの任用実績に基づいた知見は、十分に得られていないという状況でございます。

 こうした知見の積み重ねは、今後も継続していきますが、一方で、県教育委員会としては、任用された職員一人ひとりに適した業務を丁寧に見極めながら、次の就労へと着実につないでいきたいと考えております。

 

6.学校の常勤講師の位置づけについてお答えいたします。

 現在の学校の常勤講師は、児童・生徒数の変化、又は国の加配措置の結果に伴って教職員定数に変化が生じることが見込まれる場合や、正規職員が配置できずに欠員となる場合、あるいは、休暇・休職があった場合の代替職員として臨時的に任用を行っております。

 改正後の地方公務員法においては、「臨時的任用」の対象となる要件について、「常時勤務を要する職に欠員を生じた場合」と規定しています。総務省から示された事務処理マニュアルによれば、例えば、学校の教員については、児童生徒数の減少傾向に不確定要素があったり、当該年度の児童生徒数が年度開始時点に確定しなかったりするなどして、これに対応した時限的に確保が必要となる教員数を一定の確度で見込めない時には、「常時勤務を要する職」について、臨時的任用により、教員を採用することは可能であるとされています。

 以上のことから、現時点で確定的なことは申せませんが、常勤講師については、会計年度任用職員としてではなく、臨時的任用職員として位置づけることを想定しつつ、検討を進めてまいりたい、そのように考えております。

 


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