真の日韓友好に向けて
国民理解促す積極的な行動を
竹島・北方領土返還要求運動島根県民会議会長
倉井 毅(島根県議会議長)


竹島・北方領土返還要求運動島根県民会議が昨年11月に実施した街頭署名活動=JR松江駅前
 「かえれ島と海」の標語を掲げ、竹島・北方領土返還要求運動島根県民会議を1987年に県内45団体参加のもとに設立いたしました。他の都道府県すべてに北方領土返還を目指す県民会議が設立される中、竹島を抱える島根県においては、竹島の返還運動を重要課題とする県民運動の母体が求められ、全国で唯一、両方の領土返還運動を展開する県民会議となりました。
 領土・国土は、言うまでもなく国民とともに国の最も基本をなすものです。しかし竹島は、1952年、韓国の一方的な「李承晩ライン」宣言により不法占拠状態が続いています。この事実は、国および国民の存立の基礎が脅かされていると言っても過言ではありません。このような領土問題が存在することは、わが国にとっても韓国にとっても極めて不幸なことであり、平和的に解決することが日本、韓国相互の真の恒久平和と友好関係を築く道です。
 領土問題は外交交渉によって解決されるものです。しかし、これを支えるには力強い国民世論が必要です。特に竹島を所管する島根県の県民として、私たちには竹島の1日も早い返還を目指し、広く国民の理解を促す積極的な行動が求められています。




郷土の竹島関係書籍
奥原碧雲著「竹島及鬱陵島」

おくはら へきうん
1873年に島根県八束郡岡本村(現在の松江市岡本町)に生まれる。本名は福市。島根県尋常師範学校を卒業し、教員に。八束郡秋鹿村(現在の松江市秋鹿町)尋常高等小学校長を務める傍ら、郷土史家としても活躍。1935年に死去。
 1905年の明治政府の閣議決定を受け、島根県が現在の竹島を編入した翌年の06年3月末に、同島へ派遣し、鬱陵島にも渡った調査団の貴重な記録。同行した八束郡秋鹿村尋常高等小学校長だった奥原碧雲氏が執筆した。
 本は写真を交え、両島の地理、気候、生物、沿革などを紹介。竹島の項では隠岐島民による漁業の実態やアシカなどの漁獲量、鬱陵島の項では同島の政治や教育、交通状況などにも触れた。
 県事務官の神西由太郎氏をはじめ、45人で編成した調査団の渡航日誌も収録。竹島の視察途中に悪天候に見舞われ、避難のために寄った鬱陵島で沈興澤・欝島郡守を表敬訪問し、竹島で獲ったアシカ1頭を贈ったところ「郡守は遠来の労を謝し、贈物対して謝辞を述ぶ」と、友好的に記している。
 しかし、その際の一行の「竹島が日本領土になった」との発言が物議を醸し、韓国の現在の歴史教科書で、同島を一方的に奪われたなどと記述される発端にもなった。贈答品についても、韓国側は「事実無根」と否定する。
 1907年に出されたが、初版本は県立図書館などに数冊残っているだけ。先人が残した「遺産」に再び光を当てようと、昨年、松江市内の出版社が復刻版を発刊した。

田村清三郎著「島根県竹島の新研究」

たむら せいざぶろう
1914年に旧満州(現在の中国東北部)に生まれる。旧制松江高校、京都大法学部を経て、満州国の官僚に。第2次世界大戦後、島根県職員となり、県史編さん室主幹や県立図書館次長などを歴任。68年死去。
 島根県職員だった田村清三郎氏が竹島(韓国名・独島)の領有権問題について、幅広い視点からまとめた労作。韓国が李承晩ラインを設定した2年後の1954年に著した「島根県竹島の研究」を改稿し、65年に県総務課が発行した。同年締結された日韓基本条約で、竹島問題の解決が先送りされことから、世論喚起を目指した。
 内容は江戸時代から明治時代初めにかけ、竹島と呼んだ現在の鬱陵島と、松島と称された現在の竹島の歴史的沿革に始まり、現在の竹島を日本領土に編入した1905年の閣議決定を機に、名称が入れ替わった背景や、同年の島根県告示第40号の発令に至る経緯を詳しく説明。また、現在の竹島を日本側が漁業などでどう利活用してきたか、史料・文献を用いて検証した。
 さらに、現在の竹島の領有権問題の変遷に触れ、自国領と譲らない韓国側に対し、その主張の疑問点や根拠のほころびを示しながら反論。「国際法の要求する先占の諸要件は完全に充足せられており、竹島の主権に関しては争う余地は全然存しない」と結び、同島が日本領土であることを強く訴えた。
 本書は96年に復刻。昨年に第5刷が発刊され、ロングセラーとなるなど、功績に対する評価は、今なお高い。


フォトしまね2006年161号
INDEX「竹島の日」に寄せて〜澄田信義知事竹島とは―
日韓両国の主張: 論点整理 序章論点整理 古代から近世へ論点整理 近世から近代へ論点整理 近代から現代へ
写真で見る「竹島の記憶」竹島問題研究会・下條正男座長に聞く比較/日韓両国の教科書漁業を取り巻く諸問題
漁業関係者インタビュー「証言」〜関係者の思い「受け継がれる絆」〜交流にかける県民の声島根県と朝鮮半島の交流の歩み
竹島・北方領土返還要求運動・島根県民会議のメッセージ関係書籍の紹介日韓親善物語、意見募集「大日本海陸全図」