シマネスク55号
海と風が造り出したナチュラルランド「隠岐(島後・島前)」は、まだまだ隠れた魅力にあふれてる。
巨木めぐり、野鳥観察、史跡探訪など、隠岐には大自然をフィールドにした見どころがいっぱいです。そんな隠岐の島々をこの目にとどめたくて、「見る・歩く・知る」旅に出かけました。
旅のレポーター
林亜希子(はやしあきこ)
しまね観光大使。現役の教育学部の学生ながら、市民ミュージカルやコンサートの企画・運営に、裏方として参加中。特に子ども向けのコンサート企画は、ライフワークとして続けていきたいと願う。趣味はフルート演奏。松江市在住。
島後・隠岐の島町編文化遺産と豊かな自然の宝庫。知的好奇心をくすぐる海・陸・歴史物語。
 島後・隠岐の島町は、元の西郷町(さいごうちょう)・布施村(ふせむら)・都万村(つまむら)・五箇村(ごかむら)の1町3村からなり、広さ約240平方キロメートルと、隠岐諸島の中で最も大きい島です。後醍醐天皇の行在地として知られる「隠岐国分寺」、伝統ある牛突きや古典相撲、「白島海岸(しらしまかいがん)」や「ローソク岩」など、数々の史跡・景勝地がたくさんあります。でも、観光名所を次々となぞるだけでは、どこか物足りません。今回の旅では、隠岐の自然環境や歴史、そして生態系をふまえて島後の見どころを紹介してくれるガイドの方たちに協力していただき、隠岐ならではの自然に触れてみました。
島の成り立ちを物語る岩石や植物生態系にふれると、景観の美しさもより心に響く。
手作業で掘られたという「福浦トンネル」を抜けて「重栖(おもす)湾」(五箇地区)へ。火砕流が一気に堆積したという岩石は、島後が火山島だという事実を物語る ガイドを担当してくださったのは、昨年10月、隠岐の島町に開校した「風待ち海道エコツーリズム大学」自然環境学科陸上コースの講師・八幡浩二(やわたこうじ)さん。八幡さんは島後で黒曜石(こくようせき)の採掘加工業を営みながら、岩石や地層はもとより野鳥・昆虫・植物など、隠岐の自然環境の魅力を広く発信しています。太古から火山活動を繰り返しながら大地が形成された隠岐島。特に島後は中国地方唯一の黒曜石の産地であることが知られていますが、そのほか「壇境の滝(だんぎょうのたき)」(都万地区)など、独特のダイナミックな景観は火山岩や火砕流堆積物が造り出していることを八幡さんから教えていただきました。また、対馬暖流とリマン寒流の影響を受ける気候のため、島後では南方系・北方系の植物が混在して分布、離島特有の生態系が形成されているそうです。「玉若酢命神社(たまわかすのみことじんじゃ)」(西郷地区)の天然杉をはじめ、島内には全23カ所の巨木(スギ・ケヤキ・サクラなど)が時を越えて根を張っていますが、こうした自然のエネルギーを体感できるのが、隠岐の島町の大きな魅力だと感じました。
隠岐自慢のごっつぉ「祭り料理」
樹齢・千数百年といわれる八百(やお)杉は、国の天然記念物に指定されている  大皿に盛られた刺身、魚の煮付け、煮物、サザエの炊き込みのり巻き、隠岐そばなど。食べきれないほどの料理が所狭しと並ぶ「祭り料理」は、隠岐伝統のおもてなし方法です。娯楽の少なかった時代に、地元の祭りにあわせてご馳走を作り、近所の人や旅人を招いたのが始まりだとか。「量が足りなければ、招いた人に失礼」と、どんどん料理を多めに作るようになったそうです。フジツボの仲間・亀の手の吸物は、カニとエビを足したような濃厚な磯風味。春になると岩場に姿を現すベコ(アメフラシ)の酢みそ和えは、チャリチャリとした歯応えです。
 また、隠岐ではすき焼き仕立ての鍋物を「ヘコ鍋」と呼びます。メインはサザエ・アワビなどをたっぷり!甘辛のダシは、ごはんが進む味でした。
 この「祭り料理」は、羽衣荘(はごろもそう)(都万地区)、あいらんどパークホテル(都万地区)、ホテル海音里(うねり)(五箇地区)、ホテルサンライズ布施(布施地区)で食べることができます。島外では出会えない旬の珍味を楽しめますよ。

隠岐へのアクセス 「壇鏡の滝」(都万地区)
島後マップ 特産の旬の魚介類・山菜・珍味・そばなど、多彩な郷土料理がそろう「祭り料理」
page.1-page.2
特集 知事対談 私と島根 美味お国自慢 しまね旅倶楽部 U・Iターン便り
しまねに輝く企業 エッセイ グラントワ&県立美術館ガイド しまね「旬の情報」 トップページに戻る  
Copyright (C) 2005 Shimane Pref. All Right Reserved