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知事対談 文化国際交流を語る
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栗原小巻
女優
東京都世田谷区生まれ。
東京バレエ学校卒業後、昭和38年俳優座養成所入所(第15期生)。
42年NHK大河ドラマ「三姉妹」、43年チェーホフ「三人姉妹」の舞台などで脚光をあび、「コマキスト」と呼ばれる熱狂的なファンができる。以来、数多くの舞台、映画、テレビに出演。女優生活20周年の昭和61年には俳優座劇場で「恋愛論」を初プロデュース。また、日ソ合作映画「白夜の調べ」主演、中国映画「乳泉村の子」出演や、「NINAGAWA・マクベス」のレディ・マクベス役でロンドン、ニューヨークなど世界五都市で公演など、国際的にも活躍する。
紀伊国屋演劇賞、毎日映画コンクール女優演技賞、ゴールデンアロー賞、芸術祭賞など、受賞多数。
日本中国文化交流協会代表理事、日本ユネスコ協会連盟スペシャルアドバイザー。
栗原小巻さん

観客と心が通う舞台

知事
 栗原さんには今年1月、舞台公演で松江市においでになった際、県庁までお越しいただきありがとうございました。
栗原
 私は知事さんに、県民会館の中ホールで公演できることに感謝の気持ちをお伝えしたくてお尋ねしました。
知事
 恐れ入ります。昭和63年に県民会館で公演をされたときに、栗原さんから中ホール改築のご提案をいただいたことも一つのきっかけとなり、平成4年に改築を完成させました。
栗原
 お客さまとの距離が緊密な576席という空間の中で、このたび実際に2ステージも公演を行い、客席におられる会員の皆さまと心を一つにして感動を分かち合うことが実感できました。本当に感謝しております。
知事
 私が知事に就任して最初の事業がこの県民会館改築でしたから、栗原さんに実際に公演していただき、その上感想を聞かせていただけることはうれしい限りです。今回の公演は松江市民劇場の主催でしたが、同じように地方の演劇団体との交流は多いんですか。
栗原
 松江市民劇場は42年の歴史があり、どなたでも参加できる市民のための非営利演劇鑑賞会で、現在、1300人くらいの会員がいらっしゃいます。この1月には例会として、私がプロデュースしました「アントニーとクレオパトラ」をお迎えいただきました。島根県にはほかに、出雲市のいずも演劇鑑賞会に1600人以上の会員がいらっしゃいます。全国では143団体、24万人の会員がいて、私たち新劇俳優は各地の演劇鑑賞会の皆さまとともに演劇活動を重ねていますので、日本中の演劇を愛する方と交流をしています。知事さんには、「しまね文化ファンド」で応援していただいたと聞いております。
知事
 「しまね文化ファンド」は平成3年に22億円の基金で始めました。今まで838団体の方々に約8億4300万円の助成をし、いろいろな分野の文化事業を応援しています。その助成団体の一つには、国際芸術祭などへの参加や誘致を行っている八雲村の劇団「あしぶえ」があります。この他に、昨年より開催している「島根県民文化祭」の実施主体である「島根県文化団体連合会」への支援など、全県的にいろいろな文化事業をやろうとしているできるだけ草の根的なものを応援しています。
栗原
 いろいろな文化活動を支援しておられるのは、素晴らしいことですね。
知事
 現在、県西部の益田市に、演劇や音楽のホールと美術館の機能を合体した芸術文化センター「グラントワ」を建設中です。この愛称はフランス語で「大きな屋根」という意味で、県西部には昔から瓦産業が発達していますから、建物にもできるだけ特産の「石州瓦」を使うなど、地場産業を振興しようという意味も込めています。
栗原
 松江、出雲に続いて、益田市でも公演できるようになったらとてもうれしいです。いつ完成ですか。
知事
 平成17年完成予定です。益田市には「萩・石見空港」があり、東京・大阪より直通便も飛んでいて便利ですから、ぜひおでかけいただきたいと思います。
栗原
 はい。ぜひ伺わせていただきたいと思います。
島根県知事澄田信義
島根県知事
澄田信義
島根県知事。昭和10年島根県出雲市生まれ。東京大学法学部卒。和歌山県警察本部長、日本国有鉄道常務理事を経て、昭和62年より現職。現在5期目。

世界が一つになる文化交流

知事
 栗原さんは女優としてたいへんにご活躍で、「コマキスト」という言葉も生まれたほど熱心なファンがたくさんいらっしゃいます。
栗原
 当時は実感できませんでしたが、今ごろになって本当にそう言ってくださっていたんだと実感します。私はクラシックバレエを勉強した後、演劇の道に進みましたが、最初に皆さまに見ていただけたのは、昭和42年のNHK大河ドラマ「三姉妹」の末娘、お雪役でした。
知事
 私も栗原さんが出演された大河ドラマは全部見ておりますよ。
栗原
 ありがとうございます。翌年にはチェーホフの「三人姉妹」で舞台でも本格的なデビューをさせていただきました。
シェイクスピア作「アントニーとクレオパトラ」では、女王クレオパトラを演じる
知事
 多忙な女優業だけではなく、一方で演劇を通じた国際交流も積極的にやっておられますね。
栗原
 テレビ、映画、舞台でたくさんの作品や役に出会い、そして恩師の千田是也先生をはじめ、多くの優れた演出家や監督たちから教えていただき学んだことを、今度は私が次の世代に伝えていきたいと思っています。松江で公演しました「アントニーとクレオパトラ」は、ロシアから演出家をお招きしました。また、いくつかの作品で海外公演も実現しました。モスクワや北京、上海、欧米ではアムステルダム、ロンドン、エジンバラ、ニューヨーク、オタワなどの公演も思い出に残っています。言葉が分からなくても演劇によって心が通じ合えたことが何よりもうれしくて、日本国中で感じていることは世界のどこでも同じだということが分かりました。また、これまでに合作映画も何本か撮っていますが、ロシアとの合作映画を撮りましてからちょうど30年になるということで、今年9月にボリショイ劇場で行われる30周年記念フェスティバルにお招きをいただいています。
知事
 演劇を通じて海外のいろいろな方々と交流されるというのは素晴らしいことですね。そして、日本ユネスコ協会連盟のスペシャルアドバイザーとしてもご活躍と聞いておりますが、具体的にはどういうことをなさるんですか。
栗原
 これまで北京、福岡で行われた東アジア子ども芸術祭が、今年は韓国の水原で開かれ、私も参加させていただきます。東アジアの子どもたちが歌やダンスなどで自分の国の文化を紹介しあって友好を深め、さらには世界の平和を誓い合うというフェスティバルです。ここで、私がこれまで学んだことを子どもたちに少しでもお話できればというのがメインで、ユネスコで勧めている寺子屋運動など、私自身少しずつ学びながら活動できればと思っております。本誌50号で映画「アイ・ラヴ・ピース」のお話を読ませていただき、素晴らしい国際交流だと思いました。
知事
 「アイ・ラヴ・ピース」はアフガニスタンと島根が舞台で、私たちが世界遺産に登録しようとしている石見銀山のある大田市大森町を舞台にしたとてもいい映画です。島根県ではいろいろな国際交流をしており、姉妹提携としては、韓国の慶尚北道、中国では吉林省、寧夏回族自治区。そして、ロシアの沿海州と交流協定を結ぶ折には、ウラジオストクで飼っておられた白イルカを見て、ぜひ島根の水族館にもと思い協力をお願いし、浜田・江津市の境にある「しまね海洋館アクアス」のオープン時には目玉の一つになりました。現在5頭いて、非常に人気があります。また、世界各国の子どもたちを呼んで環境問題について語り合おうと、平成6年、紀宮さまにもお越しいただき、「国連地球環境子供サミット」を島根県で開催しました。そのきっかけとなったのは、斐川町に住んでいた当時12歳の少女の遺作「地球のひみつ」という漫画で、今は世界10カ国以上の言葉に翻訳されています。また、この漫画を題材にしたミュージカル「愛と地球と競売人」もできました。このミュージカルは、子どもたちや学校の先生、保護者の方など、地元の人たちの手づくりで、第1回の子どもサミットで上演して以来、毎年出演希望の子どもたちを募集して県民会館などで続けて上演しています。
栗原
 素晴らしいですね。情報やニュースが世界のどこからでもすぐに飛び込んでくる時代ですが、このような時代だからこそ、それぞれ固有の文化に尊敬の気持ちを持つこと、国際交流ではまさにそれぞれの文化に敬意を持つことが大切だと感じます。
知事
 おっしゃるとおりです。その点、映画や演劇などの心に訴える力は素晴らしいものがあります。
栗原
 そうですね。だからこそ、世界がどういう状況であっても、文化交流はしていかなければならない大事なものだと思います。
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