仁多町
中国山地の美しい山々に囲まれた仁多町は
仁多米や仁多牛、菌床椎茸などが特産品だ。
全国に先駆けて光ファイバーを導入。
町が運営する有線テレビを開局し、
情報提供するとともに、インターネットを活用した
町づくりに一早く取り組んでいる。
寒暖の差やきれいな水といった自然の好条件がおいしい仁多米を作る
寒暖の差やきれいな水といった自然の好条件がおいしい仁多米を作る

次々と施設がオープン
 おいしい「仁多米」の産地として知られる仁多(にた)町。平成12年産米が、米・食味鑑定士協会主催「全国米・食味分析鑑定コンクール」において697銘柄の中で金賞に輝いた6銘柄の1つに選ばれたほどで、役場には仁多米振興課がある。この仁多町では平成13年春、鬼の舌震(したぶるい)遊歩道、鯛ノ巣山(たいのすやま)登山道の整備を手始めに、交流促進事業として数々の施設を整備した。小説『砂の器』の舞台となった同町亀嵩(かめだけ)にある亀嵩温泉には温泉宿泊施設「玉峰(たまみね)山荘」がオープン。ここでは露天風呂、岩風呂、砂風呂、家族風呂が楽しめるほか、特産品を販売する「亀嵩よっしゃこい市」が人気だ。新鮮な野菜、花きなどを格安で置いていることから、地元の人たちも夕方になると立ち寄るほど。さらに、玉峰山荘を見下ろす玉峰山では、平成14年秋の完成を目指して遊歩道の整備が進んでいる。
 また、仁多町の玄関口であるJR三成駅を改築し、総合交流施設として供用開始。地元産品販売コーナーやコンビニもあり、道の駅のような充実ぶりを見せる。そのほか、食文化で都市との交流を図ることを目的に、ふれあい交流館も整備された。この施設では東京在住の料理研究家、中村成子(しげこ)さんを招き、町内の食材を使った漬物、味噌など、加工品の開発を手がけている。
 こうした特産品の開発と販売先を拡大する一方、生産体制の強化も進めている。平成13年春、業務を開始した仁多堆肥センターでは、牛ふんを堆肥にする昔ながらの農法を取り入れ、仁多米や野菜の土づくりに活用している。
お風呂が自慢の「玉峰山荘」
お風呂が自慢の「玉峰山荘」
利便性が高まったJR三成駅
利便性が高まったJR三成駅

高速通信ネットワークを基盤にしたまちづくり
有線テレビ「ジョーホーにた」
有線テレビ「ジョーホーにた」
 仁多町では町民の交流も盛んだ。その一端を担っているのは、有線テレビ「ジョーホーにた」。早くから地域情報化に取り組んだ仁多町では、全国に先駆けて平成6年、有線放送電話のデジタル化に合わせ町内の有線放送本局から支局を結ぶ幹線に光ファイバーケーブルを採用した。
 この幹線を活用して平成9年に町が開局した「ジョーホーにた」では、NHK・民放放送局のテレビ番組だけでなく、祭り・地区行事・学校行事・町議会など地域に密着した情報や、町内の医療施設と協力し、糖尿病予防や介護に関する自主番組を提供している。平成10年に小・中学校のインターネット接続を開始し、平成11、12年度には、既設の光幹線網と有線放送電話網を活用した「にた情報ネットワーク」を構築した。現在、全公共施設170ヵ所に高速インターネット環境を提供している。また、電子図書館や小・中学校8校の1人1台パソコン体制を整備し、IT講習会の開催など、情報化施策に力を注いでいる。今後、各家庭、事業所への高速・定額・低廉、常時接続の高速インターネットサービスを提供するe−街(いいまち)仁多町構想を実現する考えだ。岩田一郎町長は「交流人口の増加、地元産品の販売、医療福祉の充実、情報の共有などを核として、施設整備にとどまらない町民主体の町づくりを目指したい」と語る。
 その昔、『出雲国風土記』に「ここは豊潤(にた)しき小国なり」と記された仁多町。千余年を経た現在でも、町民と一体となった様々な施策を展開しながら、心豊かな町が育まれている。


TOPICS
仁多乃炎太鼓 ◎仁多乃炎太鼓
 仁多町は中世から近世にかけて、日本有数のたたら製鉄の産地でもあった。その歴史を受け継ぎ、太鼓として復活させたのが「仁多乃炎太鼓」。その名の通り、炎のように激しい演奏に、神楽などの舞を取り入れたところに独特の特徴がある。迫力と見応えのある太鼓として公演依頼も多く、これまでに広島や高知、ハワイなどでも喝采を浴びた。週3〜4回、仕事が終わってからの練習はハードだ。しかし、メンバーたちは仁多町の郷土芸能として根づかせようと、活動に余念がない。3年前から、中学校の特別授業としても導入され、後継者の育成も待ち遠しいところだ。「太鼓を打つと疲れが吹き飛ぶ」と言うメンバーたち。平成13年には結成10周年記念公演を終え、決意も新たに練習に励んでいる。

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