島根の鼓動
とんばらちょう
頓原町
地図 東に中国山地の連峰・大万木山(おおよろぎさん)
南に伝説の琴引山(ことびきやま)
そして西方に国立公園三瓶山(さんべさん)を望むという
豊かな自然に育まれた頓原町。
四季を通じた観光の開発、農林業の推進、
福祉・医療環境の整備など、
人と自然の共存をめざした町づくりは
着実に進んでいる。
 頓原町特産のもち米と食材を生かし、昔ながらの手作り食品を製造・販売しているのが「夢工房寺澤婦人部」だ。寺澤地区内11世帯の主婦で構成されており、集落の地域活性化施設「夢工房寺澤」を拠点に、平成11年3月から本格的に活動している。
 品目は、柏餅(4〜9月の期間限定)、山菜おこわ、あん餅、おはぎ、桜餅など。素材から加工まで全て自家製を貫いている。農家で何代も受け継がれてきた家庭の味と、もち米の本当のおいしさを実感できるとあって、地元はもとより県外でも好評。メンバーは、新商品の開発にも意欲的に取り組んでいる。素朴で温かい“おふくろの味”は、「道の駅頓原」の青空市・ぶなの里(水・土日・祝日)とJA雲南スーパーで販売されている。
Topics 夢工房寺澤婦人部

農産物を本物指向の特産品へ加工
 国道54号沿いにそびえる琴引山(標高1014メートル)は、太古のころに大国主命(おおくにぬしのみこと)が弾いた琴が眠るといわれた神話の山。頓原町では、平成3年から“心弾く四季の里”をキャッチフレーズに掲げ、四季の恵みの中で町民が生き生きと暮らしを営める町づくりを進めている。
 標高420メートルに位置し、昼夜の寒暖の差が激しい気候は、農産物・花き栽培に多大な恩恵を与えている。米のおいしさはいうまでもなく、県下でいち早く栽培に着手したアムスメロンも高い糖度を誇り、その食味は他県でも評判だ。また、独特の風味を持つ舞茸は、健康食品として年々需要が高まっている。
 頓原町では、特産の椎茸・大豆・そばなどを昔ながらの製法で味噌・餅・漬物に加工しているが、そのPRの場になっているのが、国道54号沿いにある「道の駅頓原」だ。昭和55年、兵庫県伊丹市と姉妹都市交流を結んだ際に建てられた「都市交流センターやまなみ」(宿泊・交流ホール完備)に併設されたステーションで、お隣り掛合町(かけやまち)の「道の駅掛合の里」と共に建設省からいち早く認可を受けている。頓原町の文化・歴史・名所などの情報を紹介すると同時に、生産者の顔が見える新鮮野菜や加工品が多数揃っており、連日県の内外から訪れた人たちで賑わいを見せている。

緑豊かな頓原町
人々の交流や特産品のPRの拠点となっている「道の駅頓原」
人々の交流や特産品のPRの拠点となっている「道の駅頓原」
中山間地域の医療・福祉環境の充実に向けて新たな一歩
 平成12年5月、新・町立頓原病院が開院した。かつて町内で唯一の医療機関「診療所」がオープンしたのは昭和38年。その後、昭和49年に『町立頓原病院』が開院した。しかし、時代と共に施設の充実を望む声が高まったことを受けて、町ではかねてから準備を進めていた改築に着手した。新病院は、内科、外科、整形外科、産婦人科、小児科、歯科口腔外科、リハビリテーション科を設置。ベッド数も10床増えた48床、と町民にとって心強い、医療施設に生まれ変わった。
 また、平成13年には保健センターが併設される予定で、訪問看護・在宅介護などの福祉面も強化される。「町民のみなさん全ての健康管理をしていくと共に、周辺の掛合町・赤来町(あかぎちょう)・吉田村(よしだむら)を含めた中山間地域の医療・保健の拠点として、住民のみなさんの期待に応えていきたいと思います」と、景山一(かげやまはじめ)町長は抱負を語る。
 町では、他にも平成9年から定住促進奨励制度を設け、Uターン・Iターン希望者を積極的に受け入れている。また、特定農地貸付事業の一環として県外から水田のオーナーを募り、春秋の農業体験を実施するなど、他地域との交流にも意欲的だ。
 恵まれた自然を舞台に、町民が日々の暮らしの中で“心地よい旋律を奏でることができる”町へ。その歩みは新しい時代に向けて確実に受け継がれることだろう。

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