《旅のリポーター》林 由美子
しまね観光大使。いつまでも子供のような純粋な目を持ち続けていたいと願う24歳。



体験・体感島根の旅(自然とともに旅あそび)
火振漁(ひぶりりょう)見学〜江(ごう)の川(かわ)(大和村(だいわむら)
 かつて近隣町村にたびたび洪水をひきおこしたことから「中国太郎」の異名を持つ、中国地方最大の一級河川・江の川。私は、この川で明治時代より受け継がれるアユ漁「火振漁」を見るため大和村へやってきました。
 午後7時。屋形船に乗り込み出発です。外は山も空も区別のつかない闇。静けさが緊張感と期待感をいやがうえにもかきたてます。
 やがて先方にぼんやりと明かりが見えてきました。次いでパシーン、パシーンと小気味よく響き渡る音。

大和村の郷土料理と大自然が楽しめる屋形船(火振漁コースは6月上旬から10月いっぱいまで)
大和村の郷土料理と大自然が楽しめる屋形船
(火振漁コースは6月上旬から10月いっぱいまで)

 屋形船が進むにつれ、その正体が明らかになります。たいまつの焚かれた川船の先に、長いさおを左右巧みに操り川面を叩く男たちの姿。パシーン、パシーン……。繰り返される一連の動作。
 火振漁は、闇夜の川面を叩くことで川底にいたアユを驚かせ、あらかじめ仕掛けておいた目刺網に追い込む昔ながらの素朴な漁法です。しかし、砕け飛ぶ水しぶきと舞い上がる火の粉の中で行なわれるその漁は、私には江の川に挑み続ける人たちの真剣勝負の戦いのように見えました。
 約1時間後、手繰り寄せられた網には銀鱗を光らせる鮎が踊っていました。

約6mの竿を川面に叩きつけアユを網に追いこむ火振漁
約6mの竿を川面に叩きつけアユを網に追いこむ火振漁

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