さくらめん
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町の誇りを練り込んだ春風の風味 その自慢の桜を目だけではなく舌でも味わってもらおうと、平成9年から木次さくら生産組合と木次町森林組合が協力して開発、販売を行っているのが手造りうどん「さくらめん」。冷やし麺風に食べる生麺タイプと、桜の葉を練り込んだ「桜葉めん」がセットになった乾麺タイプ、「つるつるさくら」と名付けられた煮込んで食べる幅広めんの3タイプが揃っている。
練り込む桜の花は以前からあった桜茶に使われていたもので、町内に咲く八重桜の花を摘み、約50キログラムの桜の花を塩漬けにして使用している。桜の花は七分咲きのころが一番良いものとされるので、開花状況と天気を見ながら摘み取りのタイミングを見極めるのが難しいという。摘み取った後も、痛んだ花びらを取り除きながら一つ一つ選別する作業があり、非常に手間がかかっているのだ。 発売後は全国から注文が舞い込み、「桜の香りが優しくていい」「孫が大好きになってしまって」と、毎年購入するリピーターも多い。 花びらを一つ一つ選別していく作業、そして、桜並木の桜を森林組合と「桜守人」が丹念に手入れをして見事な花を咲かせる努力。この町の人々の「桜を愛する心」も練り込まれているさくらめんには、味や香りだけでなく人をいやす調味料も添えられているのかもしれない。
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