出雲風土記の世界
神々の国の秘宝に迫る
古代出雲文化展−東京会場
古代出雲文化圏は、隠岐、石見地方を含む日本海西部地域に広がりを持ち、政治的にも文化的にも日本の拠点の一つだった。その神々の国出雲が神秘のべールを脱ぎ、全容を見せる「古代出雲文化展」。訪れる人々を往古に引き寄せ、時空を超越した古代世界を繰り広げる。
光り輝いた時代の出雲文化に迫る最初のステージが東京の東武美術館で盛大に開催された。
注目を集めたのは、昨年10月、加茂岩倉遺跡から出土した39個の銅鐸だ。そのほとんどが大小の入れ子になっており、近畿地方の銅鐸と兄弟のものもある。シカやトンボ、人面、ウミガメ、また、出雲製造説を浮上させた袈裟襷紋の文様、そして、謎のX印。約2千年の眠りから目覚めた銅鐸たちは、一体、何を語りかけているのだろうか。
そして、その銅鐸を見守るように、壁一面に整然と立てかけられているのが、斐川町神庭荒神谷遺跡から13年前に発見された358本の銅剣だ。それまでの総出土数を上回る驚異的な数の銅剣は、一本一本が深緑の鈍い光を放ち、重厚な威厳を漂わせている。そのほとんどに刻まれたX印は、加茂岩倉遺跡と同一の集団が刻んだものと見られている。
加茂岩倉遺跡と神庭荒神谷遺跡の距離は、わずか3.4キロメートル。今、ガラスを隔てて飾られている青銅器群は、はるか昔、同じ集落の人々により祭られ、ともに存在していたのかも知れない。
古墳時代に出土した土器や埴輪群から古代出雲の姿を描く
古墳時代に出土した土器や埴輪群から古代出雲の姿を描く
熱心に銅鐸をご鑑賞になる天皇皇后両陛下
熱心に銅鐸をご鑑賞になる天皇皇后両陛下
(不鮮明な影は光の反射によるもの)

天皇皇后両陛下去る5月8日、この「古代出雲文化展」に天皇皇后両陛下の御来場をいただいた。銅鐸の前では、「ずいぶんたくさん出ましたね」と、ガラス越しの銅鐸に見入られ、また、出雲地方の重要文化財の仏像が並ぶゾーンでは、「材質は何ですか」などのご質問をなさるなど、熱心にご鑑賞いただいた。
数々の歴史の遺産が、本物と呼ばれるに値するもののみが持つ迫力で迫ってくる「古代出雲文化展」。いよいよこの夏、7月5日から島根会場が始まる。出雲の風に吹かれ、土を踏み、陽の光を浴びて古代出雲の文化遺産に触れれば、神々の国がさらに見えてくるにちがいない。

島根会場:島根県立八雲立つ風土記の丘資料館、島根県立博物館
■平成9年7月5日〜8月24日

大阪会場:大阪市立美術館
■平成9年11月18日〜12月21日

〈問い合せ〉
古代出雲文化展実行委員会事務局(島根県古代文化センター内)
電話0852−36−8523

メイン展示
古代出雲文化展のメイン展示のひとつは、加茂岩倉から出土した39個の銅鐸だ。
入れ子の状態や、文様がわかりやすく展示された



加茂岩倉遺跡、銅鐸出土状況のパネル展示
パネル展示
景初3年の銘がある「三角緑神獣鏡」は
全国に2枚しかない。
大和政権との係わりに思いをめぐらす
壁一面に整然と立てかけられた358本の銅剣。
その迫力に圧倒される。

銅剣
「神々の国の遺産」
飛鳥時代以降に製作された仏像や神像が
並ぶ「神々の国の遺産」のコーナー
東京会場 東京会場
東京会場には、たくさんの子どもたちも訪れた

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