1)ブタにおける日本脳炎ウイルスHI抗体保有状況 2021年
2021年6月から9月の間に島根県食肉公社(大田市)で採取したブタ血清についてJaGAr#01株に対するHI抗体の推移および2ME感受性抗体を測定した。なお、2ME感受性抗体はHI抗体価が40倍以上となった際に行うこととしている。結果は下表に示すとおりである。
6月上旬に10頭中9頭(90%)が抗体陽性となり、9月下旬までほぼ全ての個体が陽性となった。しかし、抗体陽性であった個体の抗体価は全て10倍であったため、2ME感受性抗体試験は実施しなかった。
Konnoらによれば、ブタの半数以上が抗体陽性となると約2週間後からその地域で日本脳炎患者が発生することを報告している。
実際に2016年は8月下旬から抗体陽性となった6頭の内、2ME抗体陽性が5頭確認され、9月にヒトの日本脳炎患者が2例発生した。また、2019年は6月下旬から抗体陽性となった6頭の内、2ME抗体陽性が3頭確認され、10月にヒトの患者が1例発生した。
2020年は新型コロナウイルスの影響により実施しなかったが、次年度も引き続き調査を実施し、流行予測、予防啓発に努める必要があると考える。
6月上旬に10頭中9頭(90%)が抗体陽性となり、9月下旬までほぼ全ての個体が陽性となった。しかし、抗体陽性であった個体の抗体価は全て10倍であったため、2ME感受性抗体試験は実施しなかった。
Konnoらによれば、ブタの半数以上が抗体陽性となると約2週間後からその地域で日本脳炎患者が発生することを報告している。
実際に2016年は8月下旬から抗体陽性となった6頭の内、2ME抗体陽性が5頭確認され、9月にヒトの日本脳炎患者が2例発生した。また、2019年は6月下旬から抗体陽性となった6頭の内、2ME抗体陽性が3頭確認され、10月にヒトの患者が1例発生した。
2020年は新型コロナウイルスの影響により実施しなかったが、次年度も引き続き調査を実施し、流行予測、予防啓発に努める必要があると考える。
*本調査は令和3年度感染症流行調査実施要領(厚生労働省)に基づき行った。
表27 ブタの日本脳炎ウイルスHI抗体保有状況(2021年)
採血月日 | 検査頭数 | HI抗体価 | HI抗体陽性率 | 2ME感受性抗体※1 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
<10 | 10 | 20 | 40 | 80 | 160 | 320 | ≧640 | (≧10)% | 検査数※2 | 陽性数(%) | ||
6月11日 | 10 | 1 | 9 | 90 | ||||||||
6月25日 | 10 | 1 | 9 | 90 | ||||||||
7月9日 | 10 | 1 | 9 | 90 | ||||||||
7月30日 | 10 | 10 | 100 | |||||||||
8月6日 | 10 | 10 | 100 | |||||||||
8月20日 | 10 | 10 | 100 | |||||||||
9月3日 | 10 | 3 | 7 | 70 | ||||||||
9月17日 | 10 | 10 | 100 |
※1:2-メルカプトエタノール(2ME)感受性抗体(感染初期のIgM抗体の存在を示す)
※2:HI抗体価 1:40以上
※2:HI抗体価 1:40以上