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対象疾患一覧報告基準及び届出数全国報告数結核情報

結核は過去の病気ではありません

結核とは?
感染症名2011〜2018年
発生届出数
結核 1279
腸管出血性大腸菌感染症294
日本紅斑熱 80
風しん 51
レジオネラ症 50
梅毒 38
アメーバ赤痢 26
つつが虫病 24
クロイツフェルト・ヤコブ病 18
破傷風 16
 結核菌によって主に肺に炎症を起こす病気です。
 患者の咳やくしゃみ等のしぶきとともに結核菌が空中に飛び散り、周りの人がこれを吸い込むことで感染します。 (飛沫・空気感染)
 しかし、結核菌に感染した人すべてが必ず発病するわけではありません。 通常は免疫により体内で結核菌が増殖するのを抑え込みますが、菌の増殖を抑えきれなくなると結核を発病し、咳や微熱等の自覚症状が現れます。
 高齢者の場合、若い頃結核が流行していた時に感染し、肺に住み着いていた結核菌が加齢に伴う免疫力の低下等により増殖を始め発症する再発例も多いと言われています。
 また、近年、抗結核薬に耐性を有する多剤耐性結核菌や、海外からの輸入症例等、新たな課題もみられています。
 結核は、平成19年4月1日から「結核予防法(平成19年3月31日廃止)」に替わり「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づく二類感染症として、届出(全数報告)が義務付けられています。
 日本では、1日に約50人、年間約18,000人が新たに結核を発症し、約2,000人の方が亡くなっています。
 右表は、2011年から2018年(8年間)の、島根県での主要感染症の届出数です。他の感染症に比べ結核の発生届出数が多いことがわかります。

 結核は、今でも私たちの身近にある病気です。2週間以上、咳や痰が続く場合は、早めの受診を心掛けましょう。
図1 結核の罹患率の推移
図1 結核の罹患率の推移


結核の罹患率の推移(全国と島根県)
 全国及び島根県の結核の罹患率(1年間に10万人当たり何人が結核に罹患したかで示してあります。)は、 減少を続けています(図1)。
 2006年(平成18年)で、全国で26,384人、島根県で、129人です。

新規登録患者の年齢別推移(島根県)
 島根県では、1975年(昭和50年)には、年間700名を越える新規登録患者がありましたが、漸次減少し(図2)、 2006年(平成18年)には129名と30年の間に5分の1程度まで減少しました。
 年齢別では、1975年(昭和50年)当時は、新規登録患者が全年齢にわたっていますが、 近年、70歳未満の新規登録患者は著しく減少しており、相対的に、新規登録患者の高齢者の占める割合が増加しています。

図2 新規登録患者の推移
図2 新規登録患者の推移(年代別)
図3 新規患者の減少率
図3 新規患者の減少率(年代別)


 図3は、年代別の5年間の新規登録患者を、1985(昭和60年)〜1989年(平成元年)の新規患者数を1(分母)として、 新規登録患者の減少率を年代別に表したものです。
 70歳以上の区分では、あまり減少していません。
 高齢者の結核は、呼吸器症状を示さないことが多く診断が遅れ、医療機関で結核と診断された場合には、重症で、 痰に排菌している率も高く、周囲に感染させる危険性も高くなります。

 20代では、横ばいから増加傾向となっています。
 最も活動的な年代で人と接触する機会も多いため感染を受けやすく、また、若さに任せて無理をしたり、 偏った食生活で抵抗力が落ちている状態で発病しやすくなっていることが考えられます。 咳や痰が続いてもかぜだと誤解し放っておき、逆に感染源となることもあります。

結核
リンク
島根県感染症情報センター