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ダニ媒介脳炎
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ダニ媒介脳炎

ダニ媒介脳炎とは
 ダニ媒介脳炎は、マダニ科に属する各種のマダニによって媒介されるフラビウイルス感染症で、ヒトに急性脳炎を起こします。
 世界では、ダニ媒介脳炎の患者は、毎年、6,000人以上発生し、多い年には1万人前後発生しています。中央ヨーロッパ及び東ヨーロッパの多くの国々で流行しています。
 日本ではあまり知られていない疾患ですが、北海道において平成5年(1993年)及び平成28年(2016年)に各1例ずつ患者発生が報告されています。
 また、北海道の一部地域においてダニ媒介脳炎ウイルスが分布していることが明らかにされています。
病原体
 フラビウイルス属ダニ媒介性脳炎ウイルス群です。
感染経路
 ウイルスを保有するマダニに咬まれることによって感染します。
 また、感染した山羊や羊等の未殺菌の乳を飲んで感染することもあるとされています。
 通常、人から人に直接感染することはありません。
予防方法
 病原体を保有するマダニに咬まれないようにすることが最も重要です。
 マダニが多く生息する場所(草むらや藪など)に入る際には、長袖、長ズボン、長靴等を着用し、肌を露出させないこと、虫よけ剤を使用する等、マダニに咬まれないよう注意しましょう。
 また、野外活動後は入浴し、マダニに咬まれていないことを確認しましょう。もし咬まれていた場合は、速やかに皮膚科を受診し、マダニの頭部が残らないように処置(除去・洗浄など)してもらうことも重要です。
 ダニ媒介脳炎の流行国では、マダニが生息する森林地帯に入るなど、感染する危険性のある方に対して、不活化ワクチン(日本では未承認)の接種が行われることもあります。
症状
 潜伏期間は通常7〜14日です。
 中央ヨーロッパ型脳炎では、発熱、筋肉痛などのインフルエンザ様症状が出現し、2〜4日間続きます。そのうちの約3分の1は、髄膜脳炎に進展し、痙攣(けいれん)、眩暈(めまい)、知覚異常などがみられます。
 ロシア春夏脳炎では、高度の頭痛、発熱、悪心などの後、髄膜脳炎に進展します。発症した場合の致死率は、中央ヨーロッパ型脳炎では1〜2%、ロシア春夏脳炎は20%といわれており、回復しても数割の方で神経学的後遺症がみられます。
検査・診断・治療
 本疾患に特有の症状等はなく、検査診断のためには、病原体診断が必要です。病原体診断については、患者の血液や髄液からのダニ媒介脳炎ウイルスの分離・同定、ウイルス遺伝子の検出、ダニ媒介脳炎ウイルス特異的抗体の検出あるいは、ペア血清を用いた中和試験による抗体陽転又は抗体価の有意の上昇により確認します。
 なお、抗体検査においては、日本脳炎の影響も考慮する必要があります。
 患者の症状や所見等からダニ媒介脳炎を疑う場合には、最寄りの保健所を通じて国立感染症研究所に検査を依頼することができます。
 依頼の際には、流行地等への訪問・居住歴、日本脳炎の予防接種歴に関する情報も併せて提供されるようお願いします。
なお、ダニ媒介脳炎に特異的な治療方法はありません。海外では、ガンマグロブリン製剤が使用されることがあります。
感染症法での取扱い
 ダニ媒介脳炎は、感染症法において四類感染症に指定されています。診断した場合は、直ちに最寄りの保健所へ届出を行ってください。
ダニ媒介疾患


リンク
島根県感染症情報センター