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前月へ 島根県感染症情報(月報) 2017年3月 次月へ
県内情報週報の月集計データSTD・基幹定点月報全数報告疾患(全国)
1.県内感染症情報
1)全数報告感染症(1〜5類感染症)[ ]は無症状病原体保有者を再掲
 結核が18件[12](松江圏域3件[1]、出雲圏域2件[1]、浜田圏域11件[10]、益田圏域2件)、腸管出血性大腸菌感染症(O111)が2件(浜田圏域)、麻しんが1件(松江圏域)、侵襲性肺炎球菌感染症が5件(松江圏域2件、出雲圏域3件)、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症が3件(松江圏域)報告されています。
*週報報告医療機関からの報告患者数(4週換算) : 1月 3,351件 2月 3,888件 3月 2,346件
2)インフルエンザおよび小児科定点報告( )内は月の定点当たり報告数(4週換算) [ ]は週当り定点当り報告数
○インフルエンザ :(36.4)。県内全域の患者報告数は第5週[24.7]に流行のピークとなった後、減少傾向に転じ、第10週[8.9]に注意報レベル[10.0]を下回りましたが、隠岐圏域(90)では増加に転じ、第10週[24.5]をピークに注意報レベル[10.0]を超える流行となっています。大田圏域(51)では第11週まで、雲南圏域(36)では第10〜11週、浜田圏域(36)では第11〜13週、出雲圏域(32)及び益田圏域(19)では第9週まで注意報レベル[10.0]を超える流行となっているほか、松江圏域(34)では第9週まで警報レベル終息基準値[10,0]を超える流行が続いています。A型を中心に、少数ながらB型も医療機関で検出(迅速診断)されています。予防接種、うがい、手洗い、咳エチケット等感染予防を心掛けましょう。
○感染性胃腸炎 :(16.1)。県内全域の患者報告数は2月に比べやや減少していますが、大田圏域(35)でやや流行しているほか、隠岐圏域を除く各圏域で患者発生報告があります。冬季はノロウイルスを中心としたウイルス性食中毒が発生しやすい時期です。手洗いの励行と食品の取扱いに注意しましょう。
○A群溶連菌咽頭炎 :(12.8)。県内全域の患者報告数はほぼ横ばいです。松江圏域(27)及び出雲圏域(17)を中心に、大田圏域及び隠岐圏域を除く各圏域で患者発生報告があります。合併症を来さないよう早期診断と確実な治療が重要です。
○流行性耳下腺炎 :(6.2)。県内全域の患者報告数は2月に比べて増加し、過去5年間の同期に比べ多い状況が続いています。特に、雲南圏域(16)では12月中旬以降流行が続いており、警報レベル終息基準値[2.0]以上の流行が続いているほか、益田圏域(14)では第11週[6.0]に警報レベル[6.0]の流行となっています。松江圏域及び出雲圏域で患者発生報告があり、注意が必要です。有効な予防方法は予防接種で、現在、任意予防接種として1歳以上で接種することができます。
○咽頭結膜熱 :(1.6)。大田圏域及び隠岐圏域を除く各圏域で患者発生報告があります。
○伝染性紅斑 :(1.5)。雲南圏域(6)で第9週及び第13週に警報レベル[2.0]以上の流行となっているほか、大田圏域及び隠岐圏域を除く各圏域で患者発生報告があります
○水痘 :(1.0)。浜田圏域及び隠岐圏域を除く各圏域で患者発生報告があります。
発生推移グラフ グラフ凡例
インフルエンザ報告推移グラフ 流行性耳下腺炎報告推移グラフ
3)眼科定点報告
3月の急性出血性結膜炎及び流行性角結膜炎の報告はありません。
4)性感染症報告
 性器クラミジア感染症が22件、性器ヘルペスウイルス感染症が1件、尖圭コンジローマが5件、及び淋菌感染症が8件の患者発生報告があります。
5)基幹病院報告
○無菌性髄膜炎 :1件。益田圏域1件の患者発生報告があります。
○マイコプラズマ肺炎 :3件。雲南圏域2件、出雲圏域1件の患者発生報告があります。
○感染性胃腸炎(ロタ) :4件。出雲圏域で3件、浜田圏域で1件の患者発生報告があります。
○メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症 :23件。地区別では西部からの報告が17件(74%)を、年代別では70歳以上が17件(74%)を占めています。
○薬剤耐性緑膿菌感染症 :2件。西部で70歳代以上2件の報告があります。
2.病原体検出情報(2017年2月〜2017年3月までの検出結果)
 インフルエンザウイルスは、県内全域でA香港型が主に検出されていますが、一部地域ではA2009型とB型(ビクトリア系統)も検出されています。また、インフルエンザの診断患者よりエコーウイルス3型が検出されています。感染性胃腸炎の患者からは、ノロウイルスGT、GUのほかにA群ロタウイルスやエコーウイルス3型が検出されていますが、例年と比べ検出数は少ない状況です。咽頭結膜熱の患者からは、アデノウイルス1型、2型、3型及びライノウイルスが検出されています。ライノウイルスは、肺・気管支炎、熱性疾患の患者からも検出されています。また、肺・気管支炎の患者からは、ヒトメタニューモウイルスやヒトボカウイルスも検出されています。
2017年2月から2017年3月までの診断名別病原体検出数:島根県保健環境科学研究所(一部抜粋)
ウイルス名アデノエコーインフルエンザライノヒトメタニューモ ヒトボカA群ロタノロ合計
12336AH1 AH3ABvicAG1G2
インフルエンザ   1 66122       72
咽頭結膜熱211       1     5
感染性胃腸炎   1         4229
咽頭炎    1           1
肺・気管支炎1         714   13
熱性疾患          1     1
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