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県民アンケート

 現在、作物の品種育成技術のひとつとして、遺伝子組換え技術を用いた研究がアメリカなどを中心に、世界で広く行われています。
この技術を用いると、害虫に強いトウモロコシといった新たな作物を作り出すことが可能な一方で、環境、食品の面から安全性の確認等について消費者から不安の声もあります。
本県では遺伝子組換え作物に関する研究について検討を行っていますが、その参考にさせていただくため、県民の方を対象にアンケート調査を実施しました。
このアンケートは、県民の皆様から600名を無作為に抽出させて頂きました。
アンケートを行って頂くにあたり、遺伝子組換えに関する情報として以下の情報をアンケート用紙と同時に送付しております。

 アンケートの結果を単純集計とクロス集計(クロス集計とは、簡単にいうと設問と設問をかけたものです。例えば、全設問を性別・年代別とかけることにより、性別間、世代間の意識の違いを見つけることが可能になります。設問間クロスとは、クロス集計をする際に使われる言葉で、基本クロス(性別・年齢別などの属性設問)だけでなく、例えば、Q1で「はい」と回答した人と、Q5の5段階評価の設問で「非常に好き」と回答した人などのデータを集計することをいいます。)を行いました。


島根県の遺伝子組換え作物研究に関する対応状況

県立の試験研究機関で取り組んでいるのは農業試験場(現農業技術センター)のみで、内容は以下のとおり

○研究の取り組み状況

品目

研究目的

研究期間

研究の段階

メロン

・えそ斑点病という防除が困難な病気に強いメロンの育成

・食べる時に発酵した臭いがしないメロンの育成

H9〜

・外界と遮断された温室

 

・外界と遮断された温室

ボタン

・新しい花の色や日持ちがするなどのボタンの育成

H15〜

・実験室での基礎研究

 

○研究に対する県の考え方

 遺伝子組換え作物に関する研究についての取り扱いを以下のように定めた

 島根県農林水産技術会議*での取り扱い方針(平成16年3月15日策定)

1遺伝子組換えにより作出された作物を原料とした食品や作物の栽培に対し、消費者の不安感があることなどから、実用的な作物開発を目的とした遺伝子組換えの研究は当面の間、凍結する。

2メロンに関する試験については、これまでの研究成果を最終的に取りまとめるため、これまで同様、外界と隔離した閉鎖系温室において平成16年度に試験を行った後、凍結する。

3ボタンに関する試験については、当面の間、花弁への絞り模様や花色等の発現機構の解明に関する実験室レベルの基礎的研究に止める。

4遺伝子組換え作物の研究開発に関して、平成16年度に生産者、消費者、有識者等から幅広く意見を聞く機会を設けるとともに、その意見を県としての判断に活用する。

5遺伝子組換え作物の研究開発に関する検討状況は議会(農水商工委員会)に報告し、意見を伺うとともに、県としての判断を行う。

※島根県農林水産技術会議

 農林水産部長、次長、関係各課長、研究機関の長で構成し、試験研究に関する事項を検討する会議

○アンケートの実施について

農林水産技術会議での方針を受け、島根県としての対応方針を決定するため、上記の4に基づき、アンケート調査の実施を行うことにした。

農業における遺伝子組換え作物・研究の概要


○遺伝子組換え技術について

【どんな技術か】

ある生物から目的とする有用な遺伝子を取り出し、改良しようとする生物に導入することにより新しい性質を持たせる技術。

【技術の特徴等】

・ある生物から取り出した有用な遺伝子を種の壁を越えて、他の生物に導入できるため、農作物等の改良の範囲を大幅に拡大できる。

・生物に、その他の性質を変えることなく、目的とする性質のみを持たせることができる。

・一方で、これまでの交配等の育種では不可能な遺伝子が入った作物ができることに対して、食べることの不安や、自然の植物との交配により生態系に与える影響を不安に思う意見がある。

○遺伝子組換え作物の事例

品目名

特徴

除草剤に強い大豆

ラウンドアップという除草剤耐性大豆はラウンドアップに強いため、栽培期間の雑草防除が楽になる

害虫に強いトウモロコシ

ガやチョウの仲間の害虫に強いため、栽培期間でのこれらを目的とした殺虫剤散布が不要である

色変わりカーネーション

これまでのでは得られなかった花色(青紫)が実現

○遺伝子組換え作物の栽培状況

・世界的には、2003年度は前年に比べ15%増の 6,770 ha で栽培されており、品目は、大豆、トウモロコシ、綿、なたね等である

・日本では、研究は行われているが、食用作物の実用的な栽培はこれまで行われていない。また、色変わりカーネーションは、現在、海外の栽培地から輸入されている。

○日本における遺伝子組換え試験・審査の制度について

(1)試験を行う上での審査

・実験室、閉鎖系温室、非閉鎖系温室、隔離圃場の 4 段階での試験を行う

・それぞれの審査が承認されて次の試験に臨み、隔離圃場の試験結果を審査し、承認されれば一般圃場での栽培が可能となる仕組み

・それぞれの段階では、文部科学省、農林水産省の審査が行われる。

・平成16年、遺伝子組換えの試験研究の申請手続き等が法制化され、開放試験(隔離圃場)は審査の過程で国民から意見を求める。罰則規程あり。

◆閉鎖系温室:水、空気とも外界と遮断された温室

◆非閉鎖系温室:空気は、網で覆いをしている窓から外界と入れ替わるが虫、土壌、水分は外界に出ないようにしている温室

◆隔離圃場:樹木等の障害物で周囲を囲んだ状態の圃場またはハウス一般圃場から一定の距離を確保

(2)試験の審査を通過した品目について

・農作物としては、隔離圃場試験を終了し、審査で承認されれば一般圃場で栽培は可能。

・安全性審査を通過した品目について、農林水産省は、品目ごとに一般植物等との距離を定めるなどした栽培指針を設けている。

・食用作物としては、別に食品安全性審査を受ける必要あり。

(3)食品として安全かどうかの審査について

・模式図のような仕組みにより審査が行われる。

遺伝子組換え審査の流れ図

 

・審査は申請者が調査したデータに基づいて実施する。

・審査項目は、組み込まれた遺伝子が作るタンパク質がアレルギーを引き起こさないか、或いは組換えによって有害成分が増えていないか、など多岐に渡っている。

・(1)から(3)の段階を経て、食用作物として流通することになる。

・日本では食用作物の実用的な栽培は行われていない。

(文責:島根県農林水産部農林水産総務課)

★遺伝子組換え作物に関する研究や食品についての制度は細かく定められており、この文章は現状や制度の概略を示したものです。より詳しくお知りになられたい方は、インターネットで下記のURLを検索して下さい。

農林水産技術会議(外部サイト)

厚生労働省遺伝子組換え食品ホームページ(外部サイト)


遺伝子組換え作物研究に関するアンケート調査票無記名式

該当するものに○印をつけて下さい。

 

1該当に○をして下さい
性別(男性・女性)
年代(20代・30代・40代・50代・60代・その他())

2あなたは、遺伝子組換え農作物・食品について関心がありますか?
ア関心があるイやや関心があるウあまり関心がないエ関心がない

3あなたは、遺伝子組換え技術は農業・食品分野にとって役立つ技術だと思いますか?
ア役立つイやや役立つウあまり役立たないエ役立たないオわからない

43で「役立つ」「やや役立つ」と答えた方にお聞きします。どのようなことで遺伝子組換え技術が役立つと思いますか?(複数回答可)
ア農作物が作りやすくなるイ開発途上国などの食糧不足の改善が期待できる
ウ食糧の自給率が上がるエ体によい農作物・食品が食べられるようになる
オその他()

53で「あまり役立たない」「役立たない」と答えた方に聞きます。どのようなことで遺伝子組換え技術が役立たないと思いますか?(複数回答可)
ア安全性に疑問があるイ環境に影響がある
ウ遺伝子組換え食品を作る必要がないエ技術がよくわからない
オその他()

6あなたは、遺伝子組換え農作物の栽培は安全だと思いますか?
ア遺伝子組換え農作物の栽培は安全だと思う
イ農作物の栽培は、環境に対して安全性に疑問がある
ウわからない

76で「栽培は安全」と答えた人にお聞きます。どのような理由でそう思いますか?
ア遺伝子組換え農作物が環境への影響を与えると考えられない
イ国の審査基準がしっかりしているから
ウ現実にこれまで海外で問題になっている事例が少ない
エその他()

86で「栽培は安全性に疑問」と答えた方にお聞きします。どのような理由でそう思いますか?(複数回答可)
アそもそも遺伝子組換え農作物が安全だとは考えられない
イ国の審査基準が信頼できないから
ウ遺伝子組換え作物と他の植物との交配により生態系が変化する
エその他()

9あなたは遺伝子組換え農作物は食品として安全だと思いますか?
ア遺伝子組換え農作物は食品として安全だと思う
イ遺伝子組換え農作物は食品として安全性に疑問がある
ウわからない

109で「食品として安全」と答えた人にお聞きします。どのような理由でそう感じますか。(複数回答可)
ア遺伝子組換え農作物に悪影響があると考えられない
イ国の審査基準がしっかりしているから
ウ(海外の)国によっては食用としているが問題になっていない
エその他()

119で「食品としての安全性に疑問」と答えた方にお聞きします。どのような理由でそう感じますか?(複数回答可)
アそもそも遺伝子組換え農作物が安全であるとは考えられない
イ国の審査が信頼できない
ウ子孫への影響や長期的な影響が心配だから
エ予期せぬ影響の可能性があるから
オその他()

12島根県における遺伝子組換えによる農作物に関する研究についてどうお考えですか?

ア将来性のある研究なので、島根県においても遺伝子組換えによる新しい品種を作る研究を行う方がよい。

イ遺伝子組換えによる新しい品種を作る研究を行う方がよいが、他の作物と交配しない施設内での研究にとどめるべき。

ウ遺伝子組換えによる新しい品種を作る研究は行わないが、将来に向け遺伝子の働きなどについての基礎的な研究は行う方がよい。

エ遺伝子組換えによる新しい品種を作る研究は、基礎的な研究も含めて、将来必要になる時まで凍結した方がよい。

オ県の研究機関では研究しない方がよい。

カわからない

キその他()

13遺伝子組換え農作物・食品についてご意見を自由にお書き下さい

 

県民アンケートの集計結果について(単純集計)

県民アンケートの集計結果について(クロス集計)


お問い合わせ先

農林水産総務課

島根県農林水産部農林水産総務課

 〒690-8501 
   島根県松江市殿町1番地
TEL:0852-22-5393 FAX:0852-22-5967
E-mail:nourin-somu@pref.shimane.lg.jp