体験体感島根の旅
   
 
冬の城下町・松江の歴史と情緒を楽しむ町歩きへ
旅のレポーター/池田珠実(いけだ たまみ)
しまね観光大使。週一度のジョギングと手料理がリフレッシュタイム。宍道湖沿いのジョギングコースを駆け抜けて心地よい汗をかくと、身体はヘルシーな食事を求める…?近頃凝っている料理は、“具だくさんのみそ汁”。季節の野菜・キノコ・海藻をたっぷり盛り込んで、組み合わせの妙を楽しんでいる。松江市在住。
池田珠実
16カ所の橋をくぐり抜ける周遊船で、
初冬の水辺の情緒を満喫
船での様子
地上よりも心持ち肌寒さを感じるけれど、
それが逆に心地よい
堀川沿いの武家屋敷
江戸時代の中級武士の堅実な生活ぶりをしのばせるお屋敷町を散策
堀川めぐりの船頭さん
堀川めぐりの船頭さんは、すべて小型船舶免許(4〜5級)を取得したスペシャリスト。なごやかに案内を務めてくれた錦織登志子さんもその1人(写真中央)
こたつ舟
毎年11月下旬から翌年4月上旬までは、名物の「こたつ舟」が登場。燃料には豆炭を使い、絣のコタツ掛けが懐かしさと暖かさを演出している

 松江城の大手前駐車場で私を出迎えてくださったのは、『松江市観光ボランティアガイドの会』の渡辺満梨子さんです。同ガイドの会は、平成12年9月に発足。観光・環境・福祉と、幅広い視点から”国際観光都市・松江“をPRする目的で結成、ふるさと松江に愛着を持つ市民で構成されています。ボランティアといっても、定期的に研修会を行うなどガイドの腕を磨いたスペシャリスト。渡辺さんをはじめ、現在53名の会員の方が、松江を訪れる県外からの観光客(外国人含む)を、きめ細やかなおもてなしでガイドを務めておられます。

 制服と揃いの帽子姿の渡辺さんと早速向かったのが「堀川めぐり」の大手前広場発着場です。「堀川めぐり」は屋根付きの小船(定員12名)に乗船し、舟上で船頭の観光ガイドを聞きながら、松江城周辺の見所を周遊する3.7km(約50分間)の船旅です。大手前のほかに、松江堀川ふれあい広場、カラコロ広場(京町)と全部で3ヵ所の発着場があり、途中の発着場で自由に乗り降りができます。「カラコロ広場で下船して、京町辺りのショッピング街で散策する人も多いですよ。」と渡辺さん。12月〜翌2月末は、午前10時から午後3時の間、20分間隔で運航しているので、散策の足としても便利です。

 さて、私たちが乗った小船は城山内堀川をすべり出し、第1の橋・北惣門橋から塩見縄手を望む北田川へ漕ぎ出しました。水面から見る武家屋敷周辺の町並みは、いつもと視点が違いとても新鮮です。江戸時代に植えられたという四本の老松が、雄大な姿で迎えてくれました。川岸で羽づくろいをする冬鳥の姿や、舟の側で魚が跳ねる水音が響くなど、自然の中に自分も溶け込んだような気持ちになってきます。

 「堀川めぐり」は、ゆったりと水辺を彩る自然を楽しむだけではありません。全部で16カ所の橋をくぐり抜ける時は、ちょっとしたアドベンチャー気分も味わうことができます。途中、2カ所ほど低い橋の下をくぐる際に小船の屋根を下ろすため、乗客はほぼうつ伏せの姿勢になります。これが、名物・“天井下がり”です。また、それぞれの橋の全景を川上から眺めることができるのも、舟に乗ればこそ。私は、カラコロ広場から大手門に戻る途中に架けられた「米子橋」が好きです。長屋門をイメージした木造の橋なのですが、「この辺りは、江戸時代に職人さんたちが多く住んでいた所」と聞き、納得しました。この付近には、年末年始にかけてツワブキが黄色い花を咲かせます。毎年11月下旬から翌4月上旬までは、冬の風物詩“こたつ船”が全40隻で運航するので、また乗船してツワブキの花を見たいと思いました。

「米子橋」
出発から40分ほどで「米子橋」へ。木造の橋の下を頭上すれすれにくぐる
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