私と島根心に残る島根の人たちの人間性  広島で生まれ育った僕には、島根県は”お隣りさん“という親近感がベースにあります。幼い頃には父親が勤めていた会社の慰安旅行に便乗し、山を越えて島根を訪れたことが数回ありました。魚釣りをする大人たちのそばで海水浴をしたことが、楽しい思い出として残っています。でも、島根に対する想いが自分の中に深く刻み込まれたのは、やはり大人になってからの事です。
 野球少年だった僕にとって、地元球団・広島カープの選手のみなさんは、ある意味で永遠の憧れといった存在です。広島カープでは、ご存知のとおり多くの島根出身の選手が活躍されていますよね。その中の一人、ピッチャーの佐々岡選手と親しくお付き合いさせていただくようになったことが、”島根“という土地を身近に感じるきっかけでした。初対面の時の佐々岡選手は、とても照れ屋さん。でも、けっして人当たりが悪いわけではなく、一歩打ち解けると、相手に対する思いやりがその言葉や態度から自然に滲み出る人柄を感じました。ある時、佐々岡選手と会った際、佐々岡選手の出身地、金城町の役場の方が同席されたことがありました。この方がまた照れ屋さんながらも、金城町の良いところを訥々と語ってくださるんです。そして、金城町のミネラルウォーターに話が及んだとき、僕自身も「この水が佐々岡選手の身体を育てたんだ・・・」と興味津々で耳を傾けました。すると、後日、東京の自宅にダンボール箱でミネラルウォーターが届いたんです。差出人は、あの時の金城町役場の方でした。僕はそれほど水に対して強い関心や知識があるわけではありませんが、広島の実家では井戸があるような環境で育ったので、その頃生まれたわが子にも自然のおいしい水を飲ませたいな、と思っていました。金城町のミネラルウォーターは美味しかった。もちろん、仲の良い佐々岡選手の地元産ということもありますが、同じ中国地方の”お隣りさん“という親近感から、安心して飲むことができました。以来もう5〜6年になりますが、毎年金城町のミネラルウォーターを送ってくださる役場の方には、感謝の気持ちで一杯です。こんな美味しい水があることを教えてくださったこと以上に、その温かい人柄にふれた思いが強く残っています。
 昨年の夏には「エビスカップ2002・第5回全日本海上綱引き選手権大会」で美保関町の北浦海水浴場を、また今年の2月には「長ぐつアイスホッケー大会」に出場するため、平田市を訪れました。いずれもテレビ番組の収録が目的でしたが、仕事を通しても島根のみなさんの人柄を感じる機会がありましたね。海上綱引き大会の時、僕は島根県の代表選手として参加したんです。チームのみなさんは、いずれも全国大会で上位入賞を果たす屈強な身体つきに似合わず、やはり照れ屋さんでした。しかし、経験の少ない僕を前面で盛り立てて、後ろで精一杯サポートしてくださいました。シャイで人前に出たがらないけれど、実力を発揮する。また、相手の立場を思いやり、責任感を持って事に当たる…。僕がこれまでふれあった島根の人たちには、そんな人間性が共通しています。そして、島根というと最初に思い起こされるのが、この魅力的な人柄なのです。(談)
山里の風景
自然の息吹に抱かれた山里の風景(金城町)

風見 しんご
かざみしんご
風見 しんご
タレント。昭和37年10月10日広島県生まれ。昭和五七年テレビのバラエティー番組『欽ちゃんの週刊欽曜日』でデビュー。歌手として昭和58年「僕、笑っちゃいます」で日本有線放送大賞・最優秀新人賞、第16回日本レコードセールス大賞新人賞受賞。現在、テレビのレギュラー番組多数のほか、映画、ビデオ、舞台などでも活躍。平成10年には長野オリンピック聖火リレーランナーとして広島市内を走った。
インターネットホームページ:http://www.geinou-net.jp/

風見 しんご/沢松奈生子

48号indexへ48号indexへ