豊かな緑に囲まれた掛合町では温もりのある町づくりが進む
島根の鼓動・掛合町
島根の鼓動
なごやかな空気が流れる掛合町。
「ひと活きていのち輝くまちづくり」を基本理念にするこの町では
人が生き、活かされ、人・自然、
すべての命を大切にする
まちづくりに取り組んでいる。


  大和村マップ
波多温泉が新しくオープン
 
龍頭が滝の裏側にある百畳の岩窟は別世界
 豊かな自然に囲まれて、美しい景観にも恵まれた掛合町。なかでも、約40メートルを直っ直ぐに流れ落ちる「龍頭(りゅうず)が滝」は、中国地方随一の名瀑として知られている。
 町内には、渓谷美を背景に2段構えで落下する「八重(やえ)滝」も。どちらも日本の滝百選に選ばれた県を代表する名所である。
 名所といえば、波多温泉も見逃せない。これまでは温泉スタンドだったが、平成14年8月、日帰り入浴施設「満壽(まんじゅ)の湯」をオープン。
 小さな温泉施設だが、浴場の窓からは宿場の名残をとどめる町並みが一望できる。その心地よさから、オープン後4ケ月を待たずして、入湯者は1万人を突破した。
日帰り入浴施設まんじゅの湯 日帰り入浴施設まんじゅの湯
キーワードは3つのほっと
 
花で飾られた道の駅のトイレ
 「ほっとタウンかけや」を目指す掛合町では、「安心」「情熱」「ぬくもり」の3つを柱に、まちづくりに取り組んでいる。
 特に子育て支援には力を注ぎ、就学前児童の医療費補助は町独自で数年前から実施。子育て支援センターもいち早く設置するなど、安心して子どもを育てられる環境づくりを整えている。
 平成14年3月には、「だんだんタクシー」の運行も開始した。これは町内をダイヤ運行している大型タクシーを電話予約すると、1回片道300円で自宅まで送迎してくれるサービス。「だんだん」とは方言で「ありがとう」の意味。言葉通り、高齢者に喜ばれている。
 また平成15年度には、約1万平米の農業施設を建設する予定だ。ネギ・ホウレンソウ・チンゲンサイなどを水耕栽培し、大規模農業の可能性を模索する。
 この事業には、農家だけでなく町内の建設業協会も資本参加。情熱あふれる有志により、農業の新しい未来が動き出そうとしている。
 「町政にはやさしさ、ぬくもりが不可欠。自然も手を加えることが良いとは限りません。少々不便でも、掛合の自然を大好きな町民が、安心して暮らせるまちづくり。それが大切だと思います」。影山喜文(かげやまよしふみ)町長は、穏やかな口調ながら力強く語る。
 道の駅「レスト&ショップ掛合の里」にある公衆トイレをのぞいてみると、庭先で摘んだ生花が手洗場にも窓辺にも床にも飾ってあり、温かな心がじんわりと伝わってくる。
 思いやりのある町民が住んでいる。まさにそこから、ほっとするまちが生まれるのだろう。
column 掛合太鼓保存会
かけやだいこほぞんかい
掛合太鼓保存会  昭和53年、町内の若者たちの熱気によって発足。豪壮雄大、一糸乱れぬバチさばきを特長とする。アメリカ公演では観客が総立ちになって喝采。海を越えて感動を伝えた。
 掛合太鼓保存会では、ジュニア養成にも励んでいる。掛合町の子どもたちが中学生になるころには、だれでも初級演目の「はやし太鼓」が打てる腕前になっているという。
 夢は「町民全員がバチを持って、太鼓をたたくこと」。秋まつりで開催される総勢200名の揃い打ちは掛合町の名物となった。夢が実現する日も、遠くはないだろう。

玉湯町/掛合町

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