特集そこで暮らしを紡ぐ人たちが主人公島根県中山間地域研究センターからの発信 島根県中山間地域研究センターからの発信
   
 中山間地域とは、平野の周辺部から山間部までのまとまった耕地が少ない地域のこと。日本の国土の7割はこの中山間地域で占められており、島根においても県土の約85%にのぼる。中山間地域は、森林を中心とした生態系全体の土台や食糧生産や水源など、県の振興を担う重要な基盤でありながら、過疎・高齢化・少子化といった暮らし・文化が複雑に絡み合う多くの課題が山積している。 
 このほど赤来町にオープンした「島根県中山間地域研究センター」は、山あいの地域が抱える問題を地域住民の人たちの目線で研究し、活用・情報発信していくという国内初の総合的な中山間地域専門の研究機関だ。島根の中山間地域の暮らしを活性化させる政策づくりは、同じ悩みを持つ中国五県の、ひいては日本全体の中山間地域の振興にもつながる取り組みとなる。

21世紀の豊かな環境の
あり方を提唱する“生命地域宣言”
 
赤来高原の豊かな自然の中に誕生した中山間地域研究センター
 森の木立や田んぼの向こうに広がる里山の風景。この美しい自然と人が共存した場所が、農林業との関連から行政用語で「中山間地域」とくくられている。都市生活を賄う生産拠点としての役割が優先されがちだが、本来はあらゆる生命を“生み出す”“育む”“守る”場所なのだ。こうした原点に立ち返り、県では平成7年から中山間地域振興への取り組みを進めてきた。平成14年10月19日に始動した「中山間地域研究センター」は、その取り組みの通過点であり、今後の振興策の核となる。
 
だれもが気軽に立ち寄られる開かれたセンターを目指す
 奥出雲の南端、広島県との県境・赤来町の丘陵地に設立された施設は、敷地面積約36ヘクタール。建物は、県産スギの木の構造用集成材をふんだんに取り入れている。管理棟・研究棟・研修棟から成る本館、農業・生物工学実験を行う実験棟、農業用ハウス・資材置き場、林業作業棟、そして林間放牧地などで構成され、農・林・畜産の各分野を結び“横断型の総合研究”を推進していこうとしている。


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