体験・体感
島根の旅


彩りの季節の足音が聴こえてくると、
自然や文化とじっくり向き合ってみたくなります。
この春から宍道湖北岸に次々とオープンした観光施設は、
どれも時間をかけて
ゆったりと楽しみたいところばかり。
そんな私の考えに、旅のパートナー、バネッサも賛成してくれました。
レトロ調の周遊バスや一畑電車に揺られながら
宍道湖畔の魅力を味わいます。
旅のリポーター 旅のリポーター◎齋藤美和
しまね観光大使。趣味はドライブと旅行。旅先で新しい発見があると、どんな小さなことでも喜びを見出す。安来市在住。

旅のリポーター◎バネッサ・ヘガティー
今年の8月初旬から島根県国際交流員として着任。映画鑑賞とスキューバダイビングが大好き。オーストラリア・キャンベラ出身。
マップ 1ルイス・C.ティファニー庭園美術館 2松江フォーゲルパーク
3道の駅・秋鹿なぎさ公園 4宍道湖自然館ゴビウス

旅のはじまりは、
レトロ調周遊バス
「ルイス・C.ティファニー庭園美術館
&松江フォーゲルパークライン」で

 JR松江駅バスターミナル前で待ち合わせをした私とバネッサは、午前9時ちょうどに出発する「ルイス・C.ティファニー庭園美術館&松江フォーゲルパークライン」に乗り込みました。このバスは、松江駅を基点に終日運行しています。レトロ調周遊バスは、他に市内の主な観光地を結ぶ「レイクライン」もあり、そのモダンでレトロなデザインが松江の情緒とマッチしていると評判です。ゆったりとした座席に身を沈めながら車窓の景色をながめていると、バスは松江市街を抜け、宍道湖畔へ。朝日を浴びてきらめく波間に目を細めていると、目的地「ティファニー美術館前」に到着しました。

国際文化観光都市・松江を巡るレトロ調バス
国際文化観光都市・松江を巡るレトロ調バス
松江と平田を結ぶ、
近くて実りの大きい小旅行。
今回は、
宍道湖北岸沿いの
ニュースポット探求の旅です。

アートと自然が調和した空間の中で
「究極のコレクション」を鑑賞

ルイス・C.ティファニー庭園美術館(松江市)
 思わず背筋をのばすほど荘厳な雰囲気の門をくぐった途端、隣りでバネッサが「きれい…」と日本語でつぶやきました。(バネッサは関西大学に留学経験があるので、日本語がとても上手です。)前庭の美しい花壇をながめながら噴水の静かな水音に耳を澄ませると、安らいだ気分になります。平成13年4月28日にオープンした「ルイス・C.ティファニー庭園美術館」は、世界的に著名な装飾美術の巨匠ルイス・カムフォート・ティファニーの作品約160点が展示され、「作品の質の高さ、信頼度、領域の広がりから、世界一のルイス・C.ティファニーのコレクション」と言われています。ガラス芸術史上至高の名作と謳われたステンドグラス「鹿の窓」をこの眼で見たときの感動は忘れられません。館内のステンドグラスはどれも自然光を採りこみながら展示されていて、宍道湖の天候によって微妙に表情が変わるそうです。「晴天の日はもちろんですが、曇りの日も独特の美しさがありますよ」と学芸員の木須井さんが教えてくれました。また、ルイス・C.ティファニーの三大テーブルランプと言われる「蜘蛛の巣」「睡蓮〈ロータス〉」「ヴァージニア・クリーパー」も時間を忘れて見とれてしまう美しさ。これまで写真では見ていたのですが、実物を目の前にして本物だけが持つ美しさに酔いしれました。他にもエミール・ガレ作の調度品「秋の道」など、アール・ヌーボー全盛期の最高傑作が惜しげもなく展示されていました。また、浮世絵など日本美術がその頃の西洋美術に与えた影響の大きさを知ることができ、伝統文化が息づく松江市にティファニーの世界的なコレクションがやってきたのはとてもふさわしい気がします。

花壇と水のせせらぎが優美さを醸し出す前庭
花壇と水のせせらぎが優美さを醸し出す前庭

ルイス・C.ティファニーの三大テーブルランプのひとつ「ヴァージニア・クリーパー」
ルイス・C.ティファニーの三大テーブルランプのひとつ「ヴァージニア・クリーパー」
大小約4,000点ものガラス片が組み合わされた「鹿の窓」
大小約4,000点ものガラス片が組み合わされた
「鹿の窓」は、息を呑む美しさ
館内
ルイス・カムフォート・ティファニー ルイス・カムフォート・ティファニー(1848〜1933)は、ニューヨーク五番街にある有名宝飾店の2代目として生まれながら、芸術家として創作活動の道を歩みました。19世紀末に西欧を席巻した芸術運動「アール・ヌーボー」の巨匠として装飾美術の傑作を創作しました。
◎宍道湖と溶け合うようなチャペルとイングリッシュガーデン
 チャペルのステンドグラスも素敵でした。以前はアメリカ合衆国ニュージャージー州の聖ヨハネ教会に設置されていた18枚の窓はティファニーの初期の作品です。まばゆいばかりのステンド・グラスの光の中に幻想的な空間が広がっています。
 そのチャペルを取り囲むように自然の美しさを描き出すイングリッシュガーデンは、およそ1万平方メートルの広さで、英国の伝統的ガーデンスタイルを再現しています。この景観を館内からも楽しめる回廊は、全長約500メートルのガラス張りです。外の景色を眺めながら散策や、回廊温室の花を楽しむことができます。

チャペルとイングリッシュガーデン
チャペルとイングリッシュガーデン
  日本一長い駅名「ルイス・C.ティファニー美術館前」
日本一長い駅名
「ルイス・C.ティファニー庭園美術館前」

チャペル内
チャペル内の十字架や燭台も
ティファニー自身の貴重な作品だ
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