斐川町
斐伊川と出雲平野を背景に
農業の町として発展してきた斐川町。
しかし、この町の活力は
農業だけにとどまらない。
地場産業を活性化するために
町内の工業団地に貸工場を建設。
地元企業の成長を目指して、
営業までサポートする支援活動を始めた。
築地松(防風林)が点在する出雲平野
築地松(ついじまつ)(防風林)が点在する出雲平野
地場産業の活性化に向けて
 出雲平野の中部に位置する斐川(ひかわ)町は、米や野菜、花などの農業を中心として発展してきた。さらに近年では工業振興に力を入れ、工業の町としても発展を見せている。
 出雲空港、山陰自動車道などの交通アクセスの好条件も重なり、町内には南・中央工業団地、坂田工業団地、西工業団地などが整備され、パソコンや電子機器、計測機器などの大手メーカーが進出している。
 こうした先端企業の進出もあって、斐川町の工業出荷額はこの5年間連続で県内トップを誇っている。そして、町がさらに取り組んだのは地場産業の活性化であった。
 町では地元の企業が集積する西工業団地に去る4月、中小企業や新事業にチャレンジする企業の自立化を目的とした貸工場を建設した。

貸工場の構造で特許を取得
 貸工場の設計において、町は特にこだわりを持った。各工場は長屋式に配置し、内部はブース式の間仕切りとした。ほとんどの外壁、間仕切り壁は移動できる構造になっているため、用途や二-ズに応じて工場の広さを調節することができる。必要ならば、水洗トイレさえも移動できるという。
 環境にも配慮し、工場内の柱や壁はすべてボルト留めにして、簡単に解体と再利用ができるようにした。もちろん強度と耐久性も充分である。このような合理性と利便性を兼ね備えた工場仕様は、町と設計会社が共同開発し、これまでにない特殊構造によって特許を取得した。
貸工場

積極的な産業支援
 山陰初となったこの貸工場には、厳しい審査をパスした5社が入居した。いずれも新たな事業展開、研究開発に取り組む企業で、まだ小規模ではあるが将来性を見込まれている。なかにはマイナスイオン発生機を医科系大学と共同研究し、首都圏を中心にすでに注目されている企業もある。
 また、優れた技術や製品を持っていても、営業力や販売力に課題を持つ中小企業は多い。町ではハード面の整備だけでなく、ソフト面でのサポートを重視し、担当職員が全国にPR活動に出かけるなど、営業や販売にいたるまでの支援活動を積極的に行っている。
 今年度は、貸工場の敷地内に商品開発などの企業活動をサポートする支援センターも完成予定で、さらに充実した体制が整う。
 「町内だけでなく、町周辺でやる気のある企業なら、積極的に支援していきます。斐川町は、農・商・工のバランスがとれた町を目指しており、農業と工業は先が見えてきました。商業の活性化がこれからの課題です」と、本田添一町長の町づくりは、さらなるステージを目指している。
 活力ある町づくりを着々と進めている斐川町。夢がまたひとつ、動き出した。


TOPICS
アグリレディースネットワーク・ヒロイン ◎アグリレディースネットワーク・ヒロイン
 平成6年、農業にたずさわる女性が集まり、「自分の人生では自分こそ主役。仲間との交流を通じて、お互いを高め合いながら、より自分らしく輝いていこう」と誕生したヒロイン。6名からのスタートが、現在58名の会員を数える。
 県内外の研修会、イベント参加、研究プロジェクトなど、その活動は元気にあふれている。毎年、主催運営している「ひかわ女の夏まつり」は、待ち遠しい季節行事として、町民にもすっかり定着した。
 自分たちが栽培した農作物を使った商品開発も手がけ、すべて手づくりのトマトケチャップを道の駅「湯の川」で販売。味もさることながら、生産者の顔写真ラベルが受けてヒットしている。トマトジュース、町特産のタマネギを使ったドレッシングと、次のヒットを目指して夢はふくらむ。

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