私と島根
島根の魅力はミステリアス
 4年前、初めて訪れた島根県は、なんと私が初めてTBS系クイズ番組「世界ふしぎ発見!」のロケをした所。更に「ではここでクエスチョンです!」と、初めて言った地でもあります。それ故に、思い出深い島根。
 その出会いのきっかけは、小泉八雲の取材でした。八雲の住居を訪れたり、松江城にも行きました。地元の劇団の方たちと「怪談」を再現したりもしました。そんな中驚いたことは、夜になると動き出す亀の石像の話など「怪談」の舞台が松江だったということです。それから、松江に住んでいた八雲が“夕焼けが、生まれ故郷のギリシャの風景に似ている”と言ったことにも驚きました。松江とギリシャ?その時はまだギリシャに行ったことはなく、宍道湖の夕景の美しさに感動はしたものの、類似点を見つけることはできませんでした。しかし、その後何年かしてギリシャのエーゲ海の夕景を目にした時、八雲が言っていたことに頷けたのです。私は、それぞれの夕景の美しさの中に“神秘的である”という共通点を見つけました。それに、もう一つ見つけた大きな点。それは、ともに古代文明が栄えたということでした。
 出雲の国の全貌は、まだ明らかになってはいませんが…。古代の出雲大社の壮大な建築、近年、当時の柱の跡が発見されたことで、それが事実だったことが解りました。それから、膨大な数の銅剣の出土。その遺跡の近くで見事に咲いていた大賀ハス、古代の花。謎は深まるばかりですが、独自の文化がここにはあった、ということはいえるでしょう。それに、出雲神話も大変興味深く、大和朝廷とは異なる大きな勢力が出雲にはあった、ともいえます。出雲と邪馬台国との関係、大和朝廷の統一との関係、ミステリアスな歴史を説き明かすなんらかの鍵が出雲にはある、そんな感じがしています。
 今年もまた石見銀山を世界遺産へ、というお話で島根県に伺いました。その石見でも、ミステリアスな部分に触れてきました。
 こうして見ると私は「世界ふしぎ発見!」のデビューロケ以来、何度も島根にお邪魔していることがわかります。たぶんそれは、ミステリーハンターという仕事故に、ミステリアスな島根に引き寄せられてしまうからなのでしょう。
松江藩主松平家が奉られている月照寺に鎮座する大亀の石碑(松江市)
松江藩主松平家が奉られている月照寺に鎮座する大亀の石碑(松江市)
竹内海南江
竹内 海南江
たけうち かなえ●昭和39年12月1日、群馬県生まれ。高校卒業後、モデルに。「YOU」(教育テレビ)の司会などを経て、62年からTBS「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター(海外リポーター)として活躍。世界各国を訪問する合間を縫って執筆活動も。代表作に「冬虫夏草」「アフリカの女」、「うたかたの月」「ムーン」「竹内海南江のワールドクッキング」などがある。

[ 三遊亭楽太郎 / 竹内海南江 ]

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