澄田信義
澄田 信義
(島根県知事)
Profile
すみた のぶよし●島根県知事。昭和10(1935)年島根県出雲市生まれ。東京大学法学部卒。和歌山県警察本部長、日本国有鉄道常務理事を経て、昭和62年より現職。現在4期目。
【知事対談】
島根と寧夏の
心ふれあう交流





馬 啓智
馬 啓智
(寧夏回族自治区主席)
Profile
ま けいち●寧夏回族自治区主席。1943年寧夏回族自治区生まれ。中学校教師を経て、寧夏自治区団委員会副書記、寧夏固原地区委員会副書記、寧夏回族自治区党委員会組織部副部長、寧夏銀南地委員会副書記を歴任。1997年より現職。
今回の対談は、知事が「日中友好国際協力活動島根県民交流団」の5周年記念事業に参加した際に、本県との友好提携先である寧夏回族自治区(ねいかかいぞくじちく)(ま)主席と行われたものです。
寧夏緑化協力事業の植林を続けて
知事 島根県民交流団が寧夏回族自治区における砂漠の緑化協力事業としての植林運動を展開いたしまして、今年で5周年を迎えます。私は名誉団長として、百数十名の県民とともにチャーター便でこちらへまいり、馬主席にご案内いただき植林をいたしましたが、寧夏の緑化という大きな課題に協力することができたという喜びでいっぱいです。
馬主席 島根県民交流団の皆さまを寧夏にお迎えして盛大な植林祭を行うことができましたことは、私たちにとりましても非常に大きな喜びですし、寧夏回族自治区と島根県は親戚のような友好関係だと思っています。
 ところで、こちらの気候は非常に乾燥していますが、澄田知事はどうお感じになられましたか。
知事 すばらしいお天気で風も心地よく吹いてましたから、快適に植林をさせていただきました。確かに島根県に比べますと空気は非常に乾燥していますが、逆に、それが島根にはない良い点でもあると思います。
 馬主席から、寧夏の一番大きな問題は水不足だというお話をお聞きしましたが、砂漠の緑化運動は、長期的に見ますと、水不足問題の解決に、あるいは環境保全という意味でも大きな役割を果たすと思います。今後とも協力を続けていかなければと考えています。馬主席は、植林運動などについてどういうお気持ちでいらっしゃいますか。
馬主席 1993年に寧夏回族自治区と島根県は友好提携し、それ以来、両区県で政府レベルと民間レベルで非常に頻繁な交流が始まりました。その8年の間に行った教育や科学技術などいろいろな交流活動の中で、一番重要なものがやはり植林事業で、特に、島根県民の皆さまが寧夏の環境保全を非常に重視し、持続的な植林活動を続けていただいていることに感謝しています。中華人民共和国の西北部に位置する寧夏回族自治区は、大黄河が流れていることでは非常に恵まれていますが、その恩恵を受けているのは地域の5分の1ほどの広さで、そのほかは周囲を3つの砂漠に囲まれており、降雨量も非常に少なく乾燥した砂漠地域です。寧夏全体の面積の7%しか緑化されていないのが現状です。今日は、霊武市にある「島根・寧夏友好林」に植林をしていただきましたが、砂漠化を防ぐための島根県の皆さまのご協力には、区民たちも非常に感動しています。
知事 今後とも、ご期待にこたえられるように頑張りたいと思います。

豊かな産品での経済交流


区都銀山市の市街地
区都銀山市の市街地
知事 私は、このたび9年ぶりに寧夏を訪問いたしましたが、目覚ましい発展に本当に驚きました。まず、すばらしい空港ができ、高速道路など道路網の整備も着々と進んでいます。また、このような立派なホテルや、銀山(ぎんせん)市の郊外にはいろいろな住宅団地もできています。地域振興や経済発展に対する馬主席のご努力を目の当たりにすることができ、感銘を覚えると同時に本当に喜びました。
馬主席 ありがとうございます。寧夏は、これまで経済的にも教育的にも非常に立ち遅れていましたが、この4年間、寧夏の経済は非常に早いスピードで発展しています。GDP(国内総生産)は国の平均以上になり、去年は10.2%の増加率に達しています。今年の現在までの増加率も、全国の中でかなり上位です。
知事 島根と寧夏の経済交流についてですけれど、経済協力の観点から、寧夏の産品のどんなものをこれから 大切にしていくのかということで、1998年に食品関係や流通関係の専門家を寧夏に派遣し、可能性の高い産品を調査したことがあります。その結果、ワインとクコ、ソバの3品目がいいという調査結果が出ました。2000年にはジェトロ(日本貿易振興会)の支援事業を受けて、寧夏ワインの試飲会を北京と上海と松江で開催し、非常に好評を博しました。経済協力について大いに力を入れていきたいと思いますが、馬主席のお考えはいかがでしょうか。
馬主席 友好提携以来、大変よい経過をたどっていると思います。お陰で、国レベルの貿易と経済交流も非常に盛んになり、例えば、日本国の無償援助によるものとしては、森林保護事業であるカミキリムシ防止の研究センター設置や、大黄河の緑化事業など、これは大きな成果だと思っています。
 そして、現在、今おっしゃったワインとクコ、ソバの開発に真剣に取り組んでいますから、島根県との交流は、寧夏の産品にも大きな先行明るい見通しをもたらすと思っています。ご存じのように、寧夏は北緯約30度に位置し乾燥しているところですが、ブドウの成長やワインの発酵に対しては条件が良く、市場の中で他に負けない品質を誇っています。また、中国の古い薬伝書「本草綱目」の中に記録されているクコは、人体にとてもいい働きをするもので、特に、寧夏産のクコは品質が高く非常に将来性のある一品だと考えていま す。さらに、寧夏の有力な産業であるソバは、健康食品として日本の人々にも好まれていると聞き、これも有力な産品になると思っています。このほか、我が国の西部大開発に対して、日本国全体として寧夏の市場を大変重視していただき、外資企業の設立など結構盛んになっていますし、薬品産業や、石油、天然ガス、石炭ガスも非常に豊富な貯蔵量がありますから、日本側の投資家の皆さまの協力を求めているところです。
知事 馬主席がおっしゃるように、ブドウやワイン、またクコ、ソバなどを有望品目として力を入れておいでになりますから、私どももできるだけの協力をさせていただきたいと思います。また、寧夏の地にあるいろいろな資源を使い、今後の経済発展を計画されていることは、非常に喜ばしいことだと思います。

人的交流による人材育成の成果


知事 島根県と寧夏回族自治区との交流員の相互派遣も、非常に大きな成果を上げていると思っています。現在、国際交流員は8人目の方が、海外技術研修員や外国人研修生はこれまでに約140人の方が島根県にお越しいただいています。今年度も、寧夏産品の品質向上と品質管理のために、農業試験場等に研修生を受け入れることになっています。また、平成14年度からは島根県立大学へ留学生をお招きする予定です。今、寧夏から来ていただいている国際交流員の方は、島根県の国際課に所属してご活躍いただき、欠かせない存在になっていますし、寧夏へお帰りになった国際交流員の方も、外事弁公室(外交的な事務を行う部署)などでご活躍だと伺っております。技術研修生の方々も、島根で勉強されたことを寧夏で十分に生かしておられるということで非常にうれしく思 っています。これからも、人的交流をますます深めていく必要を感じています。
馬主席 ご存じのように、一つの国の発展はその国の人々の素質で決まりますから、寧夏の将来の発展についても、やはり人材育成は非常に重要な位置を占めています。西部大開発における寧夏の一番重要な課題は人材の育成で、寧夏と島根の人的交流が大きな役割を果たしています。特に、技術研修生や国際交流員など、我が自治区のために各方面の人材を育成し、寧夏の発展に対してご協力をいただいています。この場をお借りして、島根県の皆さまに心から感謝を申し上げるとともに、これからも、人的交流を促進するためにぜひご協力をお願いしたいと思っていま す。
知事 今おっしゃったように、人材の育成は私ども島根県にとりましても非常に大きな課題で、私も一生懸命に取り組んでいます。島根と寧夏との人的交流にはこれからも力を入れたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

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