島根の鼓動
さいごうちょう
西郷町
地図 西郷町を訪れると、
まず人情あふれる笑顔と出会う。
豊かな自然、
離島ゆえの歴史、
そして独自の文化を守りながらも、
福祉では全国に先駆けた制度を取り入れるなど、
住民主体の取り組みがその笑顔を生んでいる。
 本土ではほとんど見ることのできなくなった蝶「ルーミスシジミ」をはじめ、かたつむり「オキマイマイカブリ」など、隠岐島だけに見られる昆虫は多い。
 “昆虫の宝庫”ともいえる西郷町で、3年前に「隠岐むしの会」が発足。昆虫採集のほかに、小学生たちと野外観察会や昆虫勉強会を開催している。
 今春には「隠岐むしの会」の呼びかけで、虫・鳥・植物などを保護調査する「隠岐自然クラブ」も立ち上がった。これまでの調査データをまとめ、交流による情報交換で地元の自然の生態系などの知識を深めようと、地道な活動が続けられている。
 将来は、世界中の人たちに隠岐の自然を知ってもらいたいと、夢はどこまでも広がる。
topics 隠岐むしの会

写真
毎年たくさんの観光客でにぎわうしげさ踊りパレード
一年中楽しめる体験型観光をめざして
 澄み切った日本海に浮かぶ隠岐島。島全体の人口約2万5千人のうち、半数以上を占める約1万3千人が西郷町に暮らしている。まさしく隠岐島の中心地である。海と空の港をもち、西郷港では現在、さらに大型船舶の発着をめざして、埠頭の調査が進んでいる。隠岐空港においては、滑走路2000メートル延長工事が進行中だ。
 こうしたアクセス整備に加え、古くは後鳥羽(ごとば)上皇や後醍醐(ごだいご)天皇をはじめ小野篁(おののたかむら)配流の歴史、牛突き、蓮華会舞(れんげえまい)、しげさ節などの文化、そして豊かな自然など豊富な観光資源がある。近年は、民謡体験道場で隠岐島に伝わる民謡を習い、免許を取るツアーなど、通年で楽しめる体験型観光の充実も図られている。旅といえばグルメ。山陰の名産になっている松葉ガニは隠岐島近海で捕れることから、冬場の松葉ガニを取り入れた観光商品の開発にも取り組んでいる。
 “日本海道ロマンのまち”をキャッチフレーズに、西郷町らしい観光が模索されており、今後の展開が楽しみだ。

住民からまちづくりのアイデアを募集
 西郷町では以前から、まちづくりに若者の発想が活用されてきた。
写真
整備された塩浜海水浴場
 町の第二次総合振興計画の立案に際しては、役場に勤務する30代の職員から「将来の西郷町の姿」を募集。「夢先案内」として構想をまとめた。その中で、塩浜(しおはま)海水浴場の整備などは見事に実現している。
 さらに今年から、町民を主体とした新しいプロジェクトも始動した。町報を通じて、まちづくり委員会の参加者を集い、町民と一体となった第三次総合振興計画が策定される予定だ。
 西郷町では、平成8年度から取り組まれている「小地域福祉ネットワーク作り推進モデル事業」により、それぞれの地域において一人暮らしの高齢者や障害のある方などで支援を必要とする人に、訪問や声かけによる安否の確認、買い物やゴミ出しなどの手伝いが、ごく日常的に行われている。
 「施設を建てるだけでなく、住民に還元できる福祉にしたい」と山下町長の言うとおり、ホームヘルプやデイサービスを利用した料金を補助方式で援助する在宅介護手当支給条例の制定も、このたび全国に先駆けて決まった。「住民参加」。若者から高齢者まで、町民のみんながこの言葉を実感するまちづくりが、ここにはあるようだ。


[ 西郷町 / 六日市町 ]

島根の鼓動
[ Index ]