体験・体感 島根の旅
<<旅のリポーター>>浅野 奈美
しまね観光大使。車の免許を取得して約1年。愛車で島根県中をドライブするのが夢。

 今日は朝からいい天気。私は、初めての農業体験の地まで快適なドライブ……のつもりが、だんだん山道に。やや心細くなりながらもひたすら走っていたら突然目の前が開けてきて「あっ!」。
 広大な農場、澄んだ空気と遥か遠く高く広がる空、鳥の声、かやぶき屋根の家。ここはなんて牧歌的で素敵な場所なのでしょう。

大地に感謝〜収穫体験・ワイン貯蔵室見学
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鍬を使ってサツマイモ掘りに挑戦!
 到着したのは健康農業の里づくりををすすめている木次町(きすきちょう)のシンボル農園「食(しょく)の杜(もり)」。町と地元の有志が協力し無農薬・無化学肥料による有機農産物を生産している農場で、野菜の収穫などの農業体験や就農希望者の受け入れをしています。そこで今回私は、鍬(くわ)を使ったサツマイモ掘りに挑戦。
 「はい足をふんばって、利き腕を前にして綱引きの要領でね。もっと鍬を高くあげて、それっ、がんばれ」農作業の大先輩たちのにぎやかな指導のなか、少しずつコツをつかんでいく。流れ落ちる汗が気持ちイイ。
 私は、収穫の達成感は作物に対する感謝の気持ちを生むのだと知りました。しかも自然と共生する有機野菜です。普段見慣れているイモなのに、今は輝いて見える!
 敷地内には奥出雲葡萄園ワイナリーもあります。もちろん有機農法で育ったぶどうを使用。地下室の樽で眠るワインは喉ごしよくフルーティー。試飲の他、ワイン用ぶどうの摘み取り、オリジナルリースづくり教室(不定期)なども開催されています。

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築150年のかやぶき屋根の民家
自分を見つめる空間〜かやぶき屋根の民家に宿泊
 今夜は、「食の杜」敷地内にある築150年のかやぶき屋根の民家で宿泊です。けやきの大黒柱、面皮(めんかわ)つきの長押(なげし)(日本建築で柱と柱をつなぐ水平材)、約13寸の松の鴨居(かもい)など全てが堂々と胸をはっているよう。日常の喧騒から隔離されたこの家にあるものは、山々を渡る涼風、有機農産物に情熱を注ぐ町の人たちとの会話。そして私は、虫の声が響く中で眠りにつきました。

どこまでも走っていきたい〜サイクリング体験
 翌日は隣町の仁多町(にたちょう)サイクリングターミナルから名勝・鬼(おに)の舌震(したぶるい)まで往復約40分のツーリングです。緑の風を体いっぱいに受けながらペダルを踏み、次々と出会っては流れていく自然が美しく、新鮮で、私はにじむ汗も全く気になりませんでした。

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これからサイクリングに出発。仁多町サイクリングセンターにて。

 鬼の舌震は、斐伊川支流・大馬木川(おおまきがわ)沿いに巨岩や奇岩などが点在する約3キロの大渓谷です。木陰で清流を眺めていたら、ほてった体もクールダウン。やがて、岩肌をなめながら先へと急ぐ水の流れに励まされ、私は再びペダルに足をかけました。
 大自然の豊かな表情や息吹が五感へじかに伝わってくる仁多町でのサイクリング。街なかでは決して体験できない爽快なひとときがここにはあるのです。

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鬼の舌震


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