さくらえごぼう写真 美味お国自慢【さくらえごぼう】桜江町 島根県の中央部に位置する桜江町。町の真ん中を流れる中国地方随一の河川「江の川」は、中国山地から肥沃な土を運び、この町に豊かな恵みをもたらしてきた。この地で育つ「さくらえこぼう」は、自然の力をべースに、ここに暮らす人々の手によって、温かな特産品に育て上げられている。

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1〜3月を除く9ヵ月間収穫が続くごぼう畑
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軽く水洗いするだけでごぼうの白い肌が現れる
 ごぼうといえば、黒くて、硬くて、アクが強い、というイメージがあるが、桜江町特産の「さくらえごぼう」は、色白で、程良い歯ごたえと柔らかな風味を持つこの地域独特のごぼうだ。
 江の川沿いに広がる桜江の土地は、深い層にまで地力に富んだ堆積土があり、根菜類の栽培に非常に適した畑地となっている。というのも、古くから幾度も洪水による被害をもたらしてきた「中国太郎」の異名を誇る江の川が、災害と同時にミネラル分を豊富に含んだ豊かな土もこの土地に運んできたからだ。
 柔らかな砂壌土に植えられた柳川ごぼうは、本来なら7、80センチで成長が止まるところが1メートルを超えるほどに育ち「さくらえごぼう」となる。
 昭和20年代、同町の川越(かわごえ)地区で多く栽培されたごぼうは、「川越ごぼう」という名前で京阪神方面に知られていた。その後栽培面積は減少したが、昭和60年ごろから「桜江のごぼうを再び特産品として復活させよう」という関係者の活動が活発化。昭和62年にはJA島根おおち桜江農産加工所を建設し、生産農家と安定した価格で取り引きをする契約栽培を広めるなどの努力が実って、現在では57戸の農家が約380アールで栽培。年間の出荷量50トンは、県内でもトップを争う生産地となっている。
 そのごぼうを加工して付加価値を付けた特産品作りに取り組んだのが、女性だけの町おこしグループ「桜江ふるさとセンター」のメンバー。平成9年に売り出した手造りの「ごぼうコロッケ」は、年間3万個を売り上げる人気商品だ。
 食べやすいようにとても細かくみじん切りしたごぼうがタップリ入ったコロッケはサッパリとした味で、野菜の苦手な子供たちから、油ものの苦手なお年寄りにまで大好評。コロッケ全体の約半分の分量を占めるごぼうは、食べ進んでいくうちに独特の力強い大地の香りが口中から鼻孔に抜けていく。時たま舌に当たる感触と、奥歯がたてる小さな「シャキシャキ」という音は、サッパリとした味とあいまってついつい手が伸びてしまう。
 さらにこのごぼうの味をもっと幅広く楽しんでもらおうと、同グループの5人が開発したのがゴボウ弁当「五望(ごぼう)の里」。農林水産省主催の「第7回全国食文化交流プラザ・新食生活コンクール」で全国第2位に輝いたこの弁当は、8品目全てにごぼうが入ったごぼうづくしの料理で、「健康で、若々しく、美しく、幸福で、さくらえごぼうを愛してほしい」という5つの願いが込められており、注文が相次いでいる。
◎問い合わせ先 桜江町産業課 TEL0855−92−1212

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1個のコロッケに約30グラム、約3分の1本分のごぼうが入っている
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ひとつひとつ手造りの弁当は、10個以上からの受注生産だ。
column 赤ずいき漬

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