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山々より湧きいずる雲海
しまねの鼓動
 はすみむら
◆羽須美村

澄んだ空気、美しい山並み、清流のせせらぎ。「自然回帰」をテーマに村づくりが進む羽須美村は、朝霧につつまれる中国山地にいだかれた山紫水明の村。ここには、普段着のふるさとの原風景が広がっている。

村のすべてを自然回帰フィールドミュージアムヘ
 戦国時代、出羽川いずわがわと江ごうの川かわの合流地点に築城されていた琵琶甲城びわこうじょうを、毛利元就が大森銀山奪取の拠点としたという邑智郡羽須美村。中国山地の自然に恵まれた、のどかで人情味ある村だ。

 春の訪れに歓喜する鳥たちのさえずり、清流出羽川にはねる銀鱗、棚田にゆれる黄金色の稲穂、雲海に囲まれる山々。ここには、人が往古より当たり前のように営んできた、自然と共に生きる本来の姿がある。

 かつて高度経済成長期、地方から都市への人口流出が激しくなる一方で、日本の原点は農村にありと、羽須美村がふるさとづくりのテーマを「自然回帰の里」としたのは、昭和40年代の半ばだった。「自然回帰」という基本的な理念は30年経った今、確信を持ってさらに強く外に向かって呼びかけられている。現在は棚田、ゲンジボタルが飛び交う美しい川など、農村の原風景を残す村全体を「自然回帰の村フィールドミュージアム」として大切に保存しようとしている。

共に手を取り、支え合う心豊かな暮らし
羽須美村の人口は約2300人。その誰もが、とても元気だ。村内では村技ともいわれているテニスや水泳が盛んで、昭和61年に都市と農村の交流施設として合宿研修施設交流センターが建設され、付帯施設として温水プールも整備されている。

 高齢者の健康管理は、村の保健婦が3人体制で臨み、住民ボランティアや郵便局の職員などが見守りネットワークと称して、お年寄りの安否確認の活動を行っている。約100名もの住民が3級ヘルパーの資格を持っているのも心強い。そして、村内には特別養護老人ホーム、在宅福祉を支援する「安心センター」などがあり、65歳以上の人口が総人口の45.5パーセントを占める村を、行政、民間、住民が手を取り合って支えている。

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町民の交流の場「はすみ文化プラザ」
 文化面からの育みも忘れてはいない。元中学校だった木造校舎が、生涯学習センター機能を備えた「はすみ文化プラザ」としてリニューアアルし、平成9年にオープン。ここに図書館をはじめパソコンルームなどを整備し、子どもたちをはじめ、町民の交流の拠点として利用している。

 三上隆三村長(65)は、「住民には元気で心豊かに暮らしていただきたい。そして、温故知新にあるように、過去を踏まえて新しいことに挑戦していきたい」と、語る。

 自然から生まれ自然に帰る。その万物の法則を信念に、羽須美村は21世紀に向かって着実に歩んでいる。

雪田子ども神楽
topics 雪田ゆきた子ども神楽
 「神楽を舞ってみたい」。そんな子どもたちの願いを叶えるために平成5年、小学校4年生から6年生の7人で結成。年々、希望者が増え、現在18人の子どもたちが地元に伝わる伝統芸能の練習に励んでいる。
 5年前から、子どもたちに発表の機会をと、近隣市町村の子ども神楽団を招き、共演大会を毎年11月に開催。演技の向上と交流を図っている。
 これまで取り組んできた演目は「紅葉狩もみじがり」、「犬伏山いぬぶしやま」など8演目。地域伝統の継承はもちろん、子どもたちの郷土愛を育んでいる。

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[ 横田町 / 羽須美村 ]