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美しい景観だけではなく、豊富な特産品を生み出す神西湖と、人々の憩の場であるクアハウス湖陵
しまねの鼓動
 こりょうちょう
◆湖陵町

目の前に広がる日本海、中国山地に続く山並み、豊富な特産品を生み出す清らかな川、そして伝説を伝える湖と温泉。古くは近江八景を模した「神西湖九景」も描かれた美しい景観が広がる湖陵町。この町では、豊かな自然と特産品、そして温かな人々に誇りを持って、安らかに暮らせるゆとりある町づくりが進められている。

海、山、川、湖、温泉…日本の風景が並ぶ町
簸川平野の最西端、島根半島へ続く緩やかな海岸の起点に位置する湖陵町。面積が県で3番目に小さな町は、中国山地に続く南部の丘陵地から日本海に面する北部まで豊かな自然が広がっている。

なかでも町の北東部にあり、隣の出雲市にもまたがる周囲約6キロメートルの「神西湖(じんざいこ)」は、風光明媚な風景で知られる。湖畔にわく「湖陵温泉」は昭和43年の発見以来、出雲の草分け的な温泉として親しまれてきた。平成4年には、中国地方初の本格的な温泉保養施設「クアハウス湖陵」もオープンし、新しいスタイルの健康づくりの拠点として多くの人に利用されている。現在、町では更なる観光の町づくりの中心事業として、滞在型観光の拡充を図ろうと「神西湖畔整備事業(レークサイドヘルシーワーク)」を計画中だ。

この町の特産品は、汽水湖である神西湖で獲れるシジミ、コイ、フナ、ウナギが古くから有名だが、近年、町が復活に力を入れているのが西浜イモだ。「西浜イモ・紅こがね」のブランドで、ゆうパックや国道沿いの直販所で販売される同町西浜地区の砂丘地で育ったサツマイモは、甘みが強く、スジのないのが特徴。平成12年度末には約10ヘクタールの砂地土地改良造成地の完成を予定しており、そこでの作付けの拡大も期待されている。

自然と人間を大切にしたぬくもりのある町づくり
出雲市に隣接する都市近郊という条件を生かした整備を進める湖陵町は、仕事は出雲へ、暮らしは湖陵で、というベッドタウンとしての需要が高いことから、魅力的な宅地の供給にも積極的に取り組んでいる。その代表的な例が、日本海を一望できる高台に完成した、県内初の電線類地中化団地「夕日ヶ丘団地」。景観や、風による騒音・環境問題に配慮して一切の電線類を地中に埋め、下水道も完備したこの団地は、公営住宅、宅地分譲地ともにほぼ完売状態。今後も新たに公営住宅2棟、分譲宅地26区画を予定している。

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「西浜イモ」は湖陵の人情味そのままの味だ
一方、日本海に面した町同士で地域連携に取り組もうと、隣の多伎町と大社町の3町で「なぎさ交流会議」が組織されている。毎年海をキーワードに地域づくりを模索し、イベントの開催で地域住民の関心を高めている。多伎町から大社町までの海岸線の道路、「くにびき海岸道路」は現在多伎町から差海さしみ川まで開通、平成15年度には全線開通の予定だ。

「これからも子どもからお年寄りまで豊かで安全に暮らせる住みやすい定住の町づくり、自然という地域資源を生かした『ぬくもりのコンフォートタウン』を目指していきます」と語る桑原壽之町長(61才)。企業ではなく人を誘致するという考えのもと、湖陵町は自然環境を大切に、人と暮らしを中心に据えた町づくりを進めている。

湖陵がんばる市
今年8月湖陵町の農家28人が集まり、国道9号沿いにオープンさせた農産物直売所「湖陵がんばる市」が元気いっぱいだ。市価の3割程度安い価格と新鮮さで、評判を聞きつけて広島県から買い物に来るお客さんがいるほどの盛況ぶり。西浜イモは9月から11月末の収穫期に毎日販売し、20品目が並ぶ野菜類は月曜と金曜に販売している。メンバーの1人三原キミエさんは「お客さんの顔を見ながら販売するのでこちらもやる気になる。品数を揃えてもっとお客さんに喜んでもらいたいですね」と意欲満々だ。
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[ 益田市 / 湖陵町 ]