グループワークの一つ、宅老所「気晴らしの家」でゲームを楽しむお年寄りたち
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石見空港
石見空港
しまねの鼓動
 ますだし
◆益田市

美しい海岸線と清らかな川に恵まれ、人麿ひとまろや雪舟せっしゅうが愛した町、益田市。豊かな自然や文化を守る一方で、石見いわみ空港の利便性を生かし、企業誘致や都会との交流にも積極的に取り組み、町のさらなる活性化を図る。

石見空港・益田道路を核に全国との交流を深める
日本海に面し、山口県との県境にある益田市は、中世に勢力を誇った益田氏の山城・七尾ななお城跡をはじめ、数々の古墳や社寺を残す歴史ある町だ。かつて城下町として栄え、現在の人口は5万1000人と県内3位。町なかを一級河川・高津川が流れるなど豊かな自然に恵まれ、鮎やアムスメロンの特産地としても知られる。

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約13kmにおよぶ弧状海岸、三里ケ浜海岸
その益田市では人口が少しずつ減少しており、そうした流れに歯止めをかける役割を期待されているのが、平成5年に完成した石見空港だ。これによって東京まで90分、大阪まで60分で結ばれるようになり、地域活性化の大きなカギを握っている。

たとえば文化・観光面における全国との交流だ。平成8年度からは、この地で晩年を迎えた画聖・雪舟にちなんだ「雪舟グランプリますだ」の開催を始めた。水墨画や油絵などが全国から寄せられ、中には韓国からの応募もあるなど年々知名度を高めている。また、平成12年5月には郷土の歌人・柿本人麿にちなんで、「人麿フェスティバル」が開催される。万葉をテーマにしたまちづくりの研究会や歌語りコンサート、万葉子どもミュージカルなど、さまざまなイベントを企画中だ。

物流面においても、今まで広島と九州が中心だったものが、広く関東・関西へと拡大された。また平成10年代半ばには、国道9号のバイパスにあたる益田道路が一部開通予定で、JR山陰本線の高速化と併せ、市内の交通網はますます充実の度を進めている。こうした基盤整備を背景に平成10年からは、工業団地・石見臨空ファクトリーパークヘの研究開発型企業などの誘致も始まっている。

やすらぎと豊かさのまちづくり
「住んでよかったと言ってもらえるまちづくり」が、益田市の目標だ。いわゆる、やすらぎと豊かさのある町をつくることだ。

その一環として力を入れているのが福祉対策で、平成6年には市民が自主的に活動を行うワーキンググループを発足させた。老人ホームヘの配食サービスや在宅介護の支援などの高齢者福祉、ボランティアの育成、公共機関や公共施設の不便な箇所を調べ、改善・整備を提言するなど、その活動は幅広い。平成9年からは市の手を離れて完全自主運営となり、ますます活動に弾みがついている。

また石見神楽や子どもミュージカルなど文化・芸能面も盛んで、これも市の活性化に一役買っている。特に神楽は海外での上演も何度か行われ、地元の文化を再認識する若者も増えているという。市民と行政が得意分野を生かしながら、よりよい地域づくりを目指す。それが益田市の活性化につながり、誰もが住んでみたいまちへと発展させるに違いない。

topics まろ柿
「西条柿の商品価値を上げられないか」。そんな生産者の声から生まれたまろ柿は、地元の特産品・西条柿を水分量40〜45%にまで乾燥させた干し柿だ。平成3年から研究開発が進められ、9年から市内を中心に本格的出荷を開始した。加工品の製造を始めることで、収入アップはもちろん、「これまで男性中心だった農業に女性も参加しやすくなった」と地元での評判も良好だ。
将来的には大阪や九州への出荷も予定しており、平成10年にはテスト販売も行っている。現在の生産量は1万個弱だが、今後は少しずつ生産量を増やしながらも心をこめて丁寧につくり、高級菓子のイメージを育てていく方針だ。

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[ 益田市 / 湖陵町 ]