◎シマネスクミュージアム◎
〜郷土画家が描いた女性像〜


「美人詩読」

石橋和訓いしばしかずのり(佐田町出身)
「美人詩読」(1906年)

柔らかいクッションに黒いドレスの女性がゆったりもたれかかり、読書をしている姿が描かれている。モデルは、当時のイギリスの女優であるといわれる。モデル自身の美しさもさることながら、表情をとおしてにじみ出る貴婦人の典雅さが見事に表現されている。
この作品は、日本の第三回文部省美術展覧会(文展)に、はるばるイギリスより出品され、三等賞を受賞した作品である。当時、洋画家の留学先は、フランスが主流であり、和訓のイギリス留学は稀なことであった。和訓は第二回文展にも「ものおもひ」という美しい婦人像を出品し受賞している。イギリスからの出品で連続の受賞をしたことは、イギリスの肖像画の伝統を余すことなく伝えたことが評価されたからだといえよう。肖像画家和訓の代表作である。

(島根県立美術館主任学芸員/眞住貴子)

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