しまねの鼓動

◆五箇村ごかむら

隠岐群島の一角をなす五箇村は、国境に近い離島という地理条件から、独自の村民気質を育んできた。独立意識に富むこの村の住人たちは、高齢化や人口減少が進む中、活発に村おこしや生きがいづくりに励んでいる。

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炭づくりを行う「ザ・木炭一夜ヶ嶽」の会

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ロウソク島
村を形づくる4つの特徴

五箇村には4つの特徴がある。1つは、「国境の村」ということだ。韓国との領有権問題で知られる竹島は、実はこの村に属している。常に外国を意識する環境にある村だ。国際問題へも関心が高く、韓国の慶尚南道にある村と国際交流も行なっている。平成10年に完成した生涯学習センターで、韓国料理教室やハングル語講座なども開いている。

2つ目は、「離島」ということだ。隠岐群島の中で最も大きな島後の北西に位置する五箇村には、村の花であるシャクナゲやローソク島をはじめ、美しい自然が数多く残っている。「隠岐造り」と呼ばれる水若酢神社の社殿様式のように、独自に発展した建築物もある。

3つ目は、「過疎」である。かつて5000人の人口を抱えたこの村も、今では約2200人。村が行う結婚支援金やU・Iターン制度などの成果が待たれるところだ。

4つ目は、離島ゆえの「独立意識」である。明治維新期には島後の島民による自治政府が樹立されたこともあり、このときの中心となったのは、五箇村の人間だったという。

村民主導の村おこし活動

五箇村では村民によるグループ活動が活発だ。

「一夜ケ嶽いちやがだけに花と緑とやすらぎを」の会では、村民の一人が数十本のボタンの苗木を植栽したことから始まり、今では2ヘクタールに1万本の大ボタン園を築くまでになった。

村内に流れる清流を利用したヤマメの養殖活動も、水資源を使って村おこしをしようと、30代、40代の人たちが考えだしたものだ。現在約1万匹のヤマメを扱っており、このヤマメを使ったつかみどり大会は、「五箇村産業祭」や「西郷秋祭り」など、村内外の祭りに欠かせないイベントとなっている。

炭づくりや竹細工などを行う「ザ・木炭一夜ケ嶽」の会も、豊かな森林資源を生かし、また自分たちの技術を保存・活用したいと村民たちが始めたものだ。

村民たちが力を合わせて励んでいる、さまざまな村おこし活動は、村の重要な産業になると同時に、村の人たちの生きがいづくりにも大きな役割を果たしている。村民一人ひとりの力が、やがて村を支える大きな力となっていく。こうした住民パワーが生まれるのも、五箇の風土によって育まれた独立意識に富む村民性と無関係ではなさそうだ。

topics 久見農水産加工グループ
地域の活性化を図るため、昭和61年、久見地区の女性有志により結成。全国加工食品コンクールで2位に輝いた「いかすみせんべい」をはじめ、地元の特産物を生かした加工品の生産・販売を行っている。
平成10年にはこれまでの活動が評価され、高齢者優良活動表彰事業で最優秀賞にあたる農林水産大臣賞を受賞した。現在のメンバーは60代を中心とする10数名。今後も販路を拡大し、若いメンバーを増やしたいと、まだまだ意気軒昂だ。

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