◎シマネスクミュージアム◎
〜郷土画家が描いた女性像〜


「裸婦立像」

石本 正(三隅町出身)
「裸婦立像」(1980年)

衣の青とバックの金とのコントラストが美しい。姿勢は緊張しているが、対照的に、衣に描かれた葡萄の球形と中央の手の絡みは実に柔らかい。はるか遠くを見入るような裸婦の表情は、彼が女性像を描くきっかけとなった大阪・観心寺の如意輪観音が持つ伏し目がちな目を想起させる。
石本芸術は、西洋の壁画の代表的様式であるフレスコ画をその基礎としており、個展に出品されたこの作品においても、金地の背景を壁に見立て、その色肌に合わせた絵画の材質、色調の選択がなされている。透明感のある色彩や肌の微妙な明暗表現など、フレスコ画の長所を十分に発揮させた作品である。

(島根県立美術館主任学芸員/直良吉洋)

島根県立美術館ロゴ

32号目次へ